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ヴィーリの粘り(菌体外多糖)は腸内で酪酸をつくる菌を増やします

2021年10月27日 11時28分46秒 | Weblog
自社の研究論文を紹介します。
腸内細菌は偏性嫌気性であるために培養が難しいが、光岡先生が培養技術を開発し人の腸内には100種類100兆個の細菌が存在することがわかりました。
その後、遺伝子解析により腸内細菌が分析されるようになり、腸内細菌の解析が進み1000種類100兆個の腸内細菌が存在することがわかってきました。
上図は遺伝子解析技術(次世代シーケンス)によって、ヴィーリを食べさせたマウスの腸内細菌を解析した結果を示します。
ヴィーリを食べさせたマウスには次図に示すようにムリバキュラムが増えることがわかりました。
ムリバキュラムは哺乳類の腸内に普遍的に存在することがわかっていますが、これまでどのような働きをするかわかっていませんでした。私達の研究でムリバキュラムは酪酸を産生することがわかりました。酪酸は腸管上皮のエネルギーを与え蠕動を促し便秘を防ぐ働きがあることがわかっています。さらに酪酸には抗炎症効果や腸内毒素症を改善する可能性が指摘されています。

光岡先生の培養技術の開発によって発見されたビフィズス菌が、現在人の健康に大いに貢献していますが、遺伝子解析によって存在が一挙に増えた1000種類の腸内細菌の働きはまだほとんどわかっていません。ムリバキュラムの健康効果の解明を期待しています。
コメント
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