ホームメイド・ケフィアを好きな方のために

ホームメイド・ケフィアをこれから始めたい方、すでに始めている方のブログです。ケフィアについての感想や質問をお書き下さい。

乳製品で脳卒中予防

2008年07月29日 16時38分46秒 | Weblog
本日の日経(日経新聞夕刊 2008/7/29)に、ホームメイド・ケフィアの愛好者にとって見逃せない記事が載っていましたので紹介します。

記事によると上のグラフに示すように、乳製品からのカルシウム摂取量が多い順に五つのグループに分けると、最も摂取量の多いグループ(1日あたり120~130mg)は、最も少ないグループ(1日あたりほぼ0mg)と比べ脳卒中にかかるリスクが31%低くなっていた。カルシウムは高血圧や血液が固まるのを防ぐ作用があり、これが脳卒中を予防していると考えられるという。

カルシウムは牛乳100ml中に約100mg含まれているので、牛乳を発酵させてつくるホームメイド・ケフィアを毎日200ml食べている人は約200mgのカルシウムを摂取出来ますので、上記のグラフから脳卒中の予防には充分な摂取量といえます。

カルシウムは野菜や豆類にも豊富に含まれていますが、これらの食品から摂取したカルシウムでは脳卒中の予防効果が確認できなかったといいます。
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山中伸弥先生の講演を聴講して

2008年07月19日 20時40分21秒 | Weblog
堺市商工会議所から山中伸弥先生の講演案内が届きました。山中先生と言えばiPS細胞の開発者として世界中の医学界の注目の人ですから堺市で講演が聴けるとはなんという僥倖と喜んで出かけました。

会場についてみると意外に聴衆が少なく、演台が置いてなくてスクリーンが下がっているだけ、開演時間が来ると正面のスクリーンに司会者が映り、開演を告げていました。私はうかつにもサテライト講演の仕組みを知らなかったのですが、東京の会場から衛星通信を使ってリアルタイムで日本各地の会場のスクリーンに映し出される仕組みでした。山中先生のような忙しい方が堺市まで講演に来ていただけるのはおかしいとちょっと思っていたのですが、なるほどサテライト講演であれば日本中どこでも聴講できます。わかってみれば拍子抜けしましたが、お陰で山中先生の先端医療のお話を聴かせていただきました。

「iPS細胞がつくる新しい医学」というタイトルで、山中先生がiPS細胞を開発するに至った経過を紹介くださいました。

 現在、難病の治療のために臓器移植が行われていますが、臓器移植にはドナーが少ないなど問題が多い。そのために受精卵からあらゆる臓器に分化できるES細胞が開発されたが、受精卵の入手が困難なこと、および免疫による拒絶反応が生じるなどの問題がある。iPS細胞は体細胞から作られ、ES細胞と同様にあらゆる臓器に分化できる万能細胞ですが、自分の体細胞から作成できるので拒絶反応が生じない利点があるということです。

 iPS細胞は、既に分化している組織の体細胞から作られるので、ES細胞のように分化する前の細胞に初期化(すなわちリセット)する必要があるということです。その方法は体細胞もES細胞もDNA(設計図)は同じですから、DNAからRNAに転写する転写因子を見つけることが必要です。転写因子は全部で24個ありますが(この辺りは非常に難しい内容のお話でした)、幸運にも山中先生の研究グループで3つの転写因子を決定することが出来たと言うことです。

 iPS細胞は前述のようにあらゆる臓器に分化させることが出来るので、将来は臓器移植に変わって、患者の体細胞からつくられたiPS細胞でつくった臓器で患部を再生させることが出来るようになるが、現在のところ安全性の検討を行っているところだそうです。

 サテライト講演でも各地の会場から講演者に質問することが出来ますが、「先生はどうしてiPS細胞にリセットするアイデアを思いついたのですか」という質問がありました。先生は「運がよかった」とお答えになりましたが、質問者から「先生は謙遜されていますが、まったく運だけではないでしょう」と重ねて質問され、先生は「バッテイングセンターでボールを打つとき、140キロのボールがくると恐ろしくてなかなか打てませんが、たまたま振り回したバッターに運良くボールが当たってホームランになることがある。それと同じです。ただ、恐ろしくてもそのバッターボックスに立とうと思ったことことが良かったのだと思います」と答えられました。科学史上に銘記されている発見者の言葉は常に敬虔ですが、山中先生のお話も感動的でした。
 
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日本乳酸菌学会2008年度大会を聴講して

2008年07月15日 16時18分02秒 | Weblog
7月14、15日の両日、京都大学で日本乳酸菌学会2008年大会が開催されました。私も仕事の合間をみて14日の午後、半日だけ参加しましたので、ホームメイド・ケフィアとの関連において興味のあった講演内容を紹介します。

○腸管免疫に対する乳酸菌のプロバイオティクス効果を簡便に評価する方法の確立
 東川史子他(広島大、院・医歯薬学総合)
 演者らの考案した乳酸菌をパイエル板細胞と培養し、培養上清のIgAを測定する方法によって、乳酸菌のプロバイオティクス効果を測定した結果、動物性乳酸菌よりも植物性乳酸菌の方が効果が高かったと述べていました。植物性乳酸菌の中でもL.プランタラムが効果が高かったが、菌株こそ違いますがホームメイド・ケフィアにはL.プランタラムを含有していますので、非常に興味深く聴きました。
 演者は、L.プランタラムは経口投与によって腸管IgA、パイエル板細胞IgA、糞中IgAが増加し、その効果は死菌よりも生菌で高かったと述べていました。

○Lactobacillus Plantarum YU株の経口摂取が免疫機能に及ぼす効果
 川島中臣他(キッコーマン株式会社)
 演者は糠床から分離したL.プランタラム菌を、卵アレルギーのあるマウス(OVA感作マウス)に経口投与して、IgEを測定した結果、コントロールに比べL.プランタラム投与マウスにおいてIgEが有意に抑制された。脾臓からのIFN-γが有意に上昇していたので、IgE産生の抑制はTh1/Th2バランスの改善によるものであろうと述べていました。
 生菌投与、死菌投与について検討した結果、NK活性はコントロールに比べ生菌投与、死菌投与ともに高かったが、糞便中の総IgAは生菌投与で有意に高かった。この結果から演者はL.プランタラムの摂取は腸管免疫を増強すること、およびIgA産生は死菌摂取に比べ生菌摂取の方が効果が強いことは明らかになったと述べていました。

 乳酸菌の免疫活性について、死菌でも生菌でも効果は変わらないとする報告が多い中で、上記2題の研究で生菌摂取の意義を認めている点で特筆すべきですし、L.プランタラムを含有しているホームメイド・ケフィアで家庭で牛乳を発酵させることを勧めている私にはわが意を得たりの感があります。
 
○抗ウイルス活性をもつ乳酸菌のスクリーニング
 舩田奈々子他(北里大学・獣医)
 演者によると、乳酸菌の抗菌活性、抗菌物質についての研究報告は多いが、抗ウイルス活性に関する研究報告が少ないので、乳酸菌の新しい利用の可能性として、免疫系を介さない直接的な抗ウイルス活性を検討したと述べていました。
 彼らの研究結果として、抗ウイルス活性をもつ乳酸菌として、Lac.lactis、Lac.fecalisを挙げていましたが、菌株が違うとしても、ホームメイド・ケフィアが含有している乳酸菌の一種Lac.lactisが抗ウイルス活性を持つと報告していたことに興味を覚えました。

その他にも、乳酸菌によるロタウイルスの感染防御作用や、乳酸菌バクテオリシンに関する講演など興味深い報告が多数あり、ヨーロッパでは食品の防腐剤として使用されているナイシンが、近く日本でも許可されるという情報は新しい情報でした。





 
 
 
 

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