ホームメイド・ケフィアを好きな方のために

ホームメイド・ケフィアをこれから始めたい方、すでに始めている方のブログです。ケフィアについての感想や質問をお書き下さい。

ケフィアの発酵に適した牛乳は?

2006年04月27日 19時40分49秒 | Weblog
「低温殺菌牛乳でケフィアを作れますか」とよく聞かれます。
そのときは、「UHT殺菌牛乳を使う方が楽ですよ」と答えることにしています。どうしても低温殺菌牛乳を使う場合は「煮沸殺菌してから30℃以下に冷やして使って下さい」と答えています。しかしこれはなかなか面倒です。牛乳を鍋に移して煮沸するまではそうでもないのですが、30℃以下に冷ますのはなかなか難しい。まず普通の家庭には温度計が無いから、30℃以下という温度が曖昧になります。それから煮沸した牛乳を冷ますために放置しておくと液面に膜が張ります。膜が張らないように冷ますためには、流水中に鍋を浮かべてかき混ぜながら冷まさなければならない。鍋のまま発酵させても良いのですが、大抵の場合は清潔な容器を用意して冷ました牛乳をこれに移して発酵させることになります。UHT殺菌牛乳ですと、牛乳パックでそのまま発酵できるから簡単です。

では、低温殺菌牛乳でケフィアを発酵させる場合、なぜこのような手間をかけなければいけないのでしょうか。
その答えは、低温殺菌牛乳が開発された経緯を見れば容易にわかります。
前にも書きましたように、伝統的に牧畜の盛んな地域では、搾乳したままの牛乳を放置すれば自然に発酵乳になります。牛乳の中に腐敗菌よりも乳酸菌の方が優勢なのです。自然に発酵乳になるということは大変重要なことで、発酵乳は保存できます。乳酸菌のおかげで遊牧地域では牛乳は重要な食料資源であったわけです。
ところが今から百数十年前のことですが、牛乳を介して結核が蔓延したことがありました。そのとき開発されたのが低温殺菌牛乳です。牛乳が重要な食料資源となっているのは乳酸菌のおかげでしたから、乳酸菌を殺菌してしまう殺菌方法はとれません。乳酸菌を残して病原菌(結核菌)を殺菌する方法が必要であったのです。幸い病原菌は熱に弱いことがわかりました。65℃、30分の加熱で結核菌が死滅することを利用して、低温殺菌牛乳が開発されました。従ってヨーロッパでは低温殺菌牛乳を室温に放置するとヨーグルトになります。

温暖湿潤なわが国の牛乳は放置すると、自然にヨーグルトになることは少なく、大抵の場合は腐敗します。搾乳した牛乳の中には乳酸菌よりも腐敗菌の方が多いのです。65℃、30分の加熱殺菌で病原菌を殺菌できますが、ヨーロッパのように乳酸菌が残るのではなく、腐敗菌の方が多く残ります。日本の低温殺菌牛乳を室温で放置しておいてもヨーグルトになる前に大抵腐敗します。日本の食品衛生法では殺菌牛乳1g中に400万個の細菌の生存を許しています。この法律が出来た頃は、つまり太平洋戦争の終戦直後にアメリカ軍に牛乳を供給するために作った法律ですから、低温殺菌牛乳を対象に規格化されたのです。従って、低温殺気牛乳には1g当たり400万の細菌の存在が許されているのです。これでは如何にホームメイド・ケフィアの高活性ケフィア菌でも生存競争に負ける可能性があります(可能性がありますが大抵の場合負けなくて、ケフィアになるのですが、万一の場合の製造物責任(PL法)を考えれば、「低温殺菌牛乳でケフィアを発酵させても大丈夫ですよ」ということは出来ません。
UHT殺菌牛乳は130℃、2秒の加熱処理を行っていますので、牛乳1gをとって細菌数を測れば殆ど零です。「ケフィアを作るにはUHT殺菌牛乳の方が適しています」ということは理解していただけたことと思います。

低温殺菌牛乳は加熱温度が低いので美味しいという方がいます。飲む場合はお好きな牛乳を選ばれるのは当然です。しかしヨーグルトを作る場合ヨーロッパでも90℃以上の加熱処理を行います。牛乳中には乳清タンパク質と呼ぶタンパク質がありますが、このタンパク質は加熱することによってヨーグルトを作った場合カードは硬く(しっかりと固まる)なるからです。飲む場合は低温殺菌牛乳、発酵させる場合はUHT殺菌牛乳を選ばれることをお勧めします。
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早世の天才、モーツアルト

2006年04月26日 20時56分35秒 | Weblog
昨晩、大阪国際フェスティバルで、ブリリアント・モーツアルトという音楽劇を観劇しました。平幹二朗さんが演ずるサリエリが軽妙な舞台回しで、「フィガロの結婚」や「ドン・ジョバンニ」などモーツアルトのオペラのさわりを紹介していく演出で、モーツアルトを知るには格好の舞台でした。井上道義さんの指揮するザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団の冴えた音色、森麻季さんのアリア、田村響さんの演奏したピアノ協奏曲第27番など、普段生で聞く機会の少ない私にも十分楽しめました。その中でモーツアルト研究家として著名な海老澤敏先生のモーツアルトの逸話を紹介する場面があり、ちょっと気になった話題がありましたので紹介します。
モーツアルトは本当は7人兄弟でしたが、成人できたのはモーツアルトとあと一人の2人だけでした。モーツアルトの子供も7人兄弟でしたが、成人できたのは2人だけでした。モーツアルトが成人できたのは非常に運がよかったといえるのだそうです。モーツアルトは35歳で死んでいますので、現代の私達から見ると早世の天才ということになりますが、その当時の平均寿命は20歳代後半だったそうで、モーツアルトはむしろ長生きした方だそうです。これは海老澤先生の受け売りで、検証したわけでありませんが、今から250年前の医学も衛生学も未発達であった頃のことです。その頃のヨーロッパからみると、コーカサス地方の長寿者の存在は大変な驚きであったことは想像に難くありません。まだ乳酸菌も病原菌も発見されていない時代ですから、コーカサスの人々が食べていたケフィアなどの発酵乳に神秘の力を信じたことでしょう。モーツアルトの音楽からは余談ですが、ホームメイド・ケフィアをお勧めしている私には聞き逃せない話でした。
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ケフィアでダイエットを!

2006年04月20日 20時34分46秒 | Weblog
今日も読売テレビで、消費者の牛乳離れを報じていました。牛乳の高栄養のイメージが消費者の牛乳離れを起こしているということです。しかし「牛乳を飲むと太る」というのは誤解です。肥満は栄養摂取のバランスを欠くことによって生じるのです。牛乳には体を構成するのに必要な栄養成分がバランスよく含まれています。食事制限の必要なダイエットには、むしろ積極的に牛乳でタンパク質やカルシウムを補給することが必要です。

実例を示します。
弊社の社員ですが、彼は昨年5月の体重は146Kgもありましたが、11月には95kgまで減量に成功しました。長身の彼は6ヶ月で見違えるようにスマートな体型になりました。
彼のダイエットの方法は実に簡単です。
1)食事制限をし夜は食事を摂らない。毎日どんぶり1杯のケフィアを食べる。
2)トレーニングマシンを買ってきて、毎日1時間は運動をする。
これだけです。現在の体重は85Kg、ダイエットにありがちな肌のかさかさ感などは全くなく、健康そのものです。
ケフィアは、自分で牛乳を買ってきて、弊社のホームメイド・ケフィアで発酵させていました。発酵させることによって牛乳のタンパク質が消化吸収しやすくなり、アスリートがよく利用しているプロティンと同様に、筋肉をつくる効果(ダイエット中に筋肉を落とさない効果)があります。また発酵させることによってカルシウムの吸収も良くなり、運動しすぎによる疲労骨折を防ぐ効果もあります。
もちろん、ケフィアを食べるだけでダイエットに成功したのではありません。激しい運動によって体脂肪を燃焼させたことがダイエットの成功をもたらしたものと思います。しかし、短期間で減量するためにはバランスの良い栄養の摂取は欠かせません。

テレビではTEC日調の広田先生が、牛乳を飲んだ人と飲まない人の比較実験を行って、牛乳を飲んだ人の方が体脂肪の減少が大きいというデータを示していました。このようなデータを見ると、彼のダイエット法は合理的で正しいことがわかります。
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ホームメイド・ケフィアの普及をライフワークと考えて。

2006年04月18日 21時39分02秒 | Weblog
4月5日にも書いたのですが、やっぱり牛乳1,000トン廃棄の記事が気になります。
わが国の食糧自給率は40%にも満たないなかで、牛乳はほぼ100%自給できています。この大切な食料資源になぜこのような無駄が生じるのでしょうか?それはわが国に乳利用文化が定着していないためであると思います。

日本では牛乳は殆ど100%飲用として消費されています。しかし、ヨーロッパなどの酪農先進国では、調理に利用されることが多く、飲用される比率はずっと低いと聞いています。蒙古にいたって牛乳を飲用する習慣がなく、殆ど発酵させて発酵乳かチーズにして利用しているといいます。

わが国では、伝統的に乳利用文化が育たず、明治にいたって牛乳の生産が始まるのですが、それは商業資本によって商品として流通することから始まっています。ヨーロッパでは人類の歴史とともに牛乳の利用が始まっていました。牛乳の殺菌技術も発酵微生物の知識もない時代から、食糧の保存技術として牛乳の発酵が行われてきたのです。ヨーロッパや中近東では牛乳を放置すれば、自然に発酵乳になります。つまりこの地方では牛乳中に腐敗菌よりも乳酸菌の方が多いです。人々は発酵乳させた牛乳からさらにチーズを作ったり、バターを作ったり、アジアでは乾燥させて保存食として利用する食文化が発達したのです。
ところで、わが国では牛乳を放置して、自然に発酵乳にはなりませんでした。奈良時代に帰化人によってもたらされた乳牛が、天皇の御領牧場で飼育され、搾った牛乳を煮詰めて献上させたという記録があります。しかし、ヨーロッパのように自然に放置して発酵できなかったために、平鍋で水分を飛ばしてしまうという加工方法がとられました。こんな不経済なことをしていては、ヨーロッパのようにとても庶民が気軽に乳製品を口に出来るというようなことにはなりませんでした。搾乳した牛乳に乳酸菌よりも腐敗菌が多い環境であったことが、つまりヨーロッパとわが国の気候風土の違いが、わが国に乳利用文化が根付かなかった原因であろうと思います。

しかし、技術の進歩はわが国でも家庭で牛乳を発酵させることを可能にしたのです。現在、わが国で市販されている牛乳の99%は、130℃、2秒の加熱殺菌牛乳(UHT殺菌牛乳)です。この方法で殺菌された牛乳は殆ど無菌です。
さらに、乳酸菌の製造技術の進歩によって、自然環境の中に生存する乳酸菌に依存して牛乳を発酵させるのではなく、科学的に管理された乳酸菌を利用できるようになりました。この技術がもっと普及すれば、これまで飲料としての消費しかされていなかった牛乳の利用が、もっと多様化すると思います。

家庭で牛乳を発酵させる人が増え、牛乳の利用が多様化し、乳利用文化を定着させることが出来れば、1,000トンもの牛乳を廃棄する資源の無駄も防げるのではないだろうか、ホームメイド・ケフィアをライフワークと考えている所以です。

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木の芽時は、雑菌も繁殖しやすくなります。

2006年04月14日 17時49分03秒 | Weblog
桜も散って、新緑の美しい季節になりました。
これからは気温も上がり、ホームメイド・ケフィアの発酵もさせやすくなります。
ところで、この季節は木の芽時といって、全ての生命が蘇って活発に活動し始めます。空気中の細菌やカビなども生えやすくなりますので、ホームメイド・ケフィアをつくるときは、よく手を洗って清潔を保つよう気をつけて下さい。
発酵させたケフィアを少し残して、新しい牛乳を加えて発酵させる(植え継ぎ、ケフィア菌の使い回し)ことは避けましょう。微生物は目に見えませんので、素人目にはきれいに見えても危険です。ホームメイド・ケフィアは1回ずつ使い切りです。

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牛乳1,000トン廃棄の衝撃

2006年04月05日 16時01分38秒 | Weblog
今朝のテレビで、牛乳が1,000トンも産業廃棄物として廃棄されたという衝撃的なニュースを見ましたが、これは黙って見過ごせるニュースではありません。
飲料が多様化する中で、栄養価値が高い故に肥満を嫌う消費者の牛乳離れが生じたためであるという報道ですが、牛乳の栄養価値が高いことを、栄養過多の原因と考えるならば、それは大いなる誤解と言わなければなりません。栄養過多が肥満を招くと言うならば、栄養バランスの悪い食事を摂る事による栄養の偏りこそ栄養過多を招き肥満の原因となるのであって、タンパク質やミネラルなどの栄養バランスのよい牛乳は、少ないカロリーで理想的な栄養摂取ができ、むしろ肥満を抑え、美しいプロポーションをつくることに役立つのです。
過剰な健康情報が氾濫する中で、正しい知識が埋没してしまっていることこそ問題です。政府も業界も経済効率ばかりを追求するのではなく、国民福祉の観点から、正しい栄養知識を普及させるためにもっと積極的に取り組んで欲しいとと思います。
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ボンヌママンジャムをプレゼント。

2006年04月03日 17時42分25秒 | Weblog
今月のプレゼントは、ボンヌママンのストローベリージャム、ブルーベリージャム、オレンジマーマレードの3瓶セットで、3名様にお贈りします。ホームメイド・ケフィアのトッピングとして最適!。1瓶に750gも入ってボリュームたっぷりです。
ボンヌママンジャムは日経新聞土曜版の「何でもランキング」の「朝食に食べたいジャム」で、軽井沢の沢屋のジャムに次いで僅差の2位にランクされた美味しいジャムです。ホームページから応募できます。
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