１月１７日

１９９１年１月１７日
その前年のある忘年会のことです。
来賓として出席していた代議士が挨拶に立って、
「１月１７日にアメリカがイラクを攻撃します。各国の大使を呼び戻して昨夜そのことを伝えたところです。
株を持っている人は、すぐに売ってください」と話しました。
私達庶民のあずかり知らぬところでこんな計画が進んでいること、そして１部の人に、こんな重大な情報が漏れていることに、私は恐怖と不審を感じました。

当時私は中堅のヨーグルトメーカーの取締役研究所長でした。
社長は証券会社から持ちかけられて、唐突に株式上場を言い出し上場の条件を満たすために役員が出資をして株式を増資することになりました。資金の不足する役員は自宅を担保に銀行から融資を受けることができました。そして上場までの準備期間中は出資金を株式に投資しました。
私は忘年会で聞いた情報を社長に伝え、「今のうちに株は全部売ってください」と進言したが、社長は「そうか」と言っただけでした。

その日は氷雨降る寒い日で、冬には珍しく稲妻が走り雷鳴が響いていました。
私は辞表を胸に研究所から２キロほど離れた本社へ雨の中歩いて行きました。
社長がその時なんと言ったか覚えていませんが、辞表を受けとりました。
再び雨の中を研究所に戻ろうとしたとき「車で送ります」と声をかけた人がいました。
車の中で「何で社長は引き留めてくれないんだろう、中垣さんがいなくなったらやっていけないことがわからないんだろうか」と言ったのが、はなむけとして唯一私の心に鮮明に残っています。
会社はその年の夏、衛生管理の不備から営業停止になり、秋に大手食品企業の傘下に入ることになりました。
後日、社長と食事をする機会があり「湾岸戦争が始まった日に辞表を持ってきたんだったなあ」と、社長がつぶやいたことが印象的でした。

１９９５年１月１７日
その時、私はまだ朝のまどろみの中にいました。
急に突き上げられるような揺れに驚いて、傍らに寝ていた妻が跳び起きようとしたので「慌てるな、頭から布団をかぶってじっとしておれ」と言い、二人で布団の中に潜り込んでいました。ずいぶん長い揺れのように感じましたが、我が家は被害もなくほっとして起きだし、テレビをつけると神戸の惨状が写りました。しばらくするとあちらこちらから煙が立ち登り始めました。
そして、わが郷里淡路島が震源地であると報じられました。
１５年経過して郷里も表面的には復興したかのように見えますが、経済的にはいまだ回復の兆しがなく、風土、人情が一変したように感じます。

２０１０年１月１７日
昨日、政権与党の幹事長の秘書が逮捕される不祥事が起きました。なんだか不穏な気配の漂う今日１月１７日です。

年頭所感

新年明けましておめでとうございます。

ホームメイド・ケフィアの発売は１９９１年ですから、今年で満１９歳、数え年では２０歳、すなわち今年は創業以来２０年目の年を迎えたことになります。
昨年は、ホームメイド・ケフィアの姉妹品としてホームメイド・ヨーグルトを２種類すなわちプロバイオテイクスＧＢＮ1とローズヨーグルトを発売しました。
今年はホームメイド・ケフィア、プロバイオティクスＧＢＮ1、ローズヨーグルトとそれぞれ特徴ある発酵乳の種菌が揃いましたので、日本の手作り食品のリーディングカンパニーとして、皆様の健康つくりに貢献したいと考えています。

政権交代をして３ヶ月、鳩山政権は厳しい財政難に直面して、現実と理想の狭間で苦闘しているように見えます。税収減を補うべく生活者に直接給付して消費を煽っても、生活者は踊らないでしょう。時代は生活の質の向上を求めています。健康は食にありと言えます。大げさに言うつもりはありませんが、食事の摂り方が日本の将来を決めるのではないかと思います。ホームメイド・ケフィアやホームメイド・ヨーグルトがその一助になればと願っています。