陰陽師的日常

読みながら歩き、歩きながら読む

祝 もうすぐ一周年

2005-10-01 19:09:37 | weblog
ブログを始めた頃は、日々雑感みたいなことだけは書くまい、と思っていたのに……orz
堕落の一途をたどっています……。
いや、まじで忙しいっす。眼が血走ってます。じんわり、なんてのんきなこと言ってられない事態になってきました。
ブログ、下書きせずにぶっつけで書いてるので、文章、おかしいかもしれません。

そういえばもうすぐこの「陰陽師的日常」のブログを初めて一周年になります。
昔から記念日とか、全然気に留めるほうじゃなかったんですが、過去ログの一覧をふと見てみたら(←)去年の10月から始まってる。
あー、そうだったなぁ、って。

* * *


ここにわたしがいる、って見つけてもらえたらなぁ、と思って、始めたんです。

『山の上の火』(クーランダー、レスロー文 渡辺茂男訳 岩波書店 ちなみに子供向けの本です)というエチオピアの民話があるんです(この話はサイトのどこかに書いてるんですが、サイトに書いたのは半分だけなので、ここで全部紹介します)。
ひとりの奴隷が、主人と賭をする。冷たい風のふきつける山の上に、一晩中、身体を暖めるための火も、毛布も、服も、食べ物も飲み物もなしに、裸で立っていられたら、おまえを自由の身にしてやって、おまけに畑と牛もくれてやろう。

奴隷は村の物知りじいさんのところへ相談に行きます。
おじいさんは、向かいの山の岩の上で、おまえのために一晩中火を燃やしてやろうと言うのです。

ふきつける風に凍え死にそうになりながら、奴隷は一晩中、目を凝らしてその火を見、なんとか耐え抜くのです。

翌日そのことを主人に告げると、主人は不思議に思って「どうしてそんなことができたのか」と聞きます。奴隷が正直におじいさんが向かいの山で火を燃やしてくれていたことを話すと、主人は前言を翻す。「おまえは火を使ったではないか。おまえの負けだ」

奴隷は裁判所に訴える。ところが裁判官も主人の言うことを容れ、奴隷の訴えを退けるのです。

奴隷はふたたびおじいさんのところへ行きます。そこでおじいさんは一計を案じる。
みんなにごちそうをする、とおふれを出し、裁判官も、主人も、みんなを招くのです。
みんなはごちそうを楽しみにして集まってくる。

ところがいい匂いが漂ってくるばかりで、いっこうにごちそうは現れません。
みんなが文句を言い出したところ、おじいさんは言うのです。
「山の向こうの火が暖かいのなら、ごちそうの匂いだけでお腹も十分膨れるでしょう」

こうして裁判官も主人も、自分たちの非を悟り、奴隷は晴れて自由になる。

とまぁこういう話なんですが。

わたしも、ここで、小さな火を燃やしてみよう。
この火は、お腹をいっぱいにしたり、実際に身体を暖めたりすることはできません。

それでも、暗闇でちらちらと瞬いてるのが、見つけてもらえるんじゃないか。
そうして、だれかがそれを「暖かい」と思ってくれたら。

わたし自身、そんな火にずっと暖められてきました。
ずいぶん遠くなったけれど、それでも火はやっぱり燃やされているのだと思います。
少なくともわたしがそこに火の存在を感じている限り、わたしは凍えたりしない。
わたしは、大丈夫です。

わたしの火がどこまで届いているか、わからないけれど。
でも、ずっと燃やしています。

* * *


ところでこのブログのサブタイトルは、「読みながら歩き、歩きながら読む」です。
これはわたしが小学生のころ、毎日本を読みながら、学校から歩いて帰っていたことに基づいていますが、もちろんそれだけではなく、一種のメタファーでもあります。

読むということは、考えるということと不可分だし、逆もまた真なり、です。そうして、考えるということは、書き、それを読んでもらう、批判にさらされる、ということとも不可分です。
つまり、本を読む、ということは、当然、考え、それを自分ひとりの考えにするだけでなく、他者にうったえ、意見を聞き、批判を受ける、ということ一切を含んでいるのではないか、と思います。
そうした本の読みかたをしながら、自分自身の考えを作り、自分自身が変わっていけたらな、と。
まぁ「歩く」というのは、口幅ったく言っちゃえば、そうした意味あいもかねていたりします。

ということで、これからもよろしく。
また、遊びに来てください。
こう言っておいて、ナンですが、明日はおやすみです(笑)。

これから修羅場が待ってます。ねじりはちまき、はレトリックですが、コーヒー入れて、バンデリン用意して(ええ、肩凝るんです。もー寄る年波のおかげでパソコン叩いてると肩は凝るし、眼はかすむし、腰は痛くなってくるし…)、眠気覚ましの覚醒musicも用意したし、あとは仕事をするだけです。

生きて乗り越えられたら、月曜日、お会いしましょう。
それじゃ、また♪

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