hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

香山リカ『人生の法則』を読む

2011年04月10日 | インポート
香山リカ著『人生の法則-知るだけでココロがラクになる10章』ベスト新書278、KKベストセラーズ2010年5月発行、を読んだ。

表紙の裏にはこうある。
あれほどうらやましく見えたバラ色の物も生活も、手に入れてみれば、とたんに色褪せて見えてくるのは、なぜだろう。
いやいや結婚したはずがないのに、妻がパソコン検索で「夫」の次に入れる言葉で最も多いのが「死んでほしい」だというのは、なぜだろう。
・・・


今までいろいろな本に香山さんが書いてきた、力を抜いて生きようということを、物理法則の形でまとめ直した本だ。
例えば、
<恋愛>自由落下の法則
恋愛の初期値に関係なく、いったん「この人は違うかな」と思ったら、そこからどん底まで落ちる際のスピードというのは、どうあらあまり変わらないようだ。

落下が始まる前に手を打つのは良いが、落ちきったあとでは、「キモチ悪い」と言われるだけだと、多くの男性には絶望的なことを言ってくれる。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

<お仕事>慣性の法則
運動の始まりのところで言えば、とにかくなんとかスタートして軌道に乗せるところが大切で、そのときにムリをして人とは違うスタートを切る必要はまったくない、ということだ。
仕事という次元で考えれば、結局、その職業を選ぶ際の動機とか志とか、あるいは目標というものは大してじゅうようではない、ということではないだろうか。

「自分のやりたいことが見つからない」「やりたい仕事につけない」という若い人の声を聞くことがあるが、やりたい事がはじめから存在する場合はむしろ少ない。ともかく何か仕事をやっていく中で、本当にやりたい事がはっきりしてくることも、その仕事の面白さに目覚めることも多い。また、同じ会社、同じ仕事でもやり方はさまざまあり、自分のやりたい方法でチャレンジできる場合もある。環境も、自分自身もともに変化していく、あるいは変化させていくものだと思う。まあ、大上段に振りかぶらず、取り敢えず一歩だけでも前に進むことが必要だと思う。



映画の試写会で香山が語った

最近つくづく『人生には勝ちも負けもなくて、その人の人生があるだけだな』と思うようになりました。こういう人生がカッコいいとか、勝ち組だとか“成功のモデル”が特定されてしまっているんですけど、社会的に成功している人が病を抱えて診療所にやってきたりするんですね。だから、成功のモデルに合わなくても自分らしい生き方や満ち足りた人生をおくることは可能だと思います。


《目次》
プロローグ――気持ちをラクにしてくれる「人生の法則」
第1章 〈幸福量〉保存の法則
第2章 〈恋愛〉自由落下の法則
第3章 〈不安〉速度不変の法則
第4章 〈健康オタクと不健康〉定比例の法則
第5章 〈お仕事〉慣性の法則
第6章 〈気分〉熱伝導の法則
第7章 〈コミュニケーション〉作用反作用の法則
第8章 〈ネット〉「悪事千里を走る」の法則
第9章 佳人薄命の法則
第10章 盛者必衰の法則

エピローグ――十一番目の法則・「全か無かの法則」にご用心



香山リカは、1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。



私が読んで、感想を書いた著書は、以下8冊だ。もう飽きた。
おとなの男の心理学』 
<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている
雅子さまと新型うつ
女はみんな『うつ』になる
精神科医ですがわりと人間が苦手です
親子という病
弱い自分を好きになる本
いまどきの常識
しがみつかない生き方
だましだまし生きるのも悪くない







コメント
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