hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

香山リカ『できることを少しずつ』を読む

2013年08月02日 | 読書2

香山リカ著『できることを少しずつ 香山リカの目』(2013年3月毎日新聞社発行)を読んだ。

毎日新聞連載のコラム「ココロの万華鏡」などから集めたエッセイ集。各章は、「震災後のこの国を生きる」「苅部直との対談」「あなただけじゃない」「診察室から眺めてみれば」「『いま』に向き合う」「本からみる 本から学ぶ」「問題の根は深い」

心が折れそうになるなど、悲嘆にある人のケアであるグリーフ・ケアの第一歩は、
「元気出してね」もいいけれど、ときには「元気じゃなくてもいいよ」と言ってみる。自分でも「今日は元気じゃないんだよね」と素直に言える。

抗うつ剤など出しながら、「この人にとって必要なのは、十分な時間をかけてゆっくり悲しむことなのではないか」とも思ってしまうのだ。

親子問題をいつまでも引きずる人が目立つ。
診察室でも、「80代の親への不満、怒りを訴える60代」に会う機会はめずらしくない。・・・あるとき、気づいた。「この人は、親を責めたいのではなくて、親に甘えたいのではないだろうか・・・」


ナチ政権下では、ユダヤ人だけではなく、T4作戦と称し、
精神障害者、知的障害者は・・・ガス室で命を奪われた。その数7万人。さらに・・・食料制限などほかの手段で結果的には犠牲となった精神障害者は20万人とも27万人とも言われる。

これに、多くの精神科医が協力した。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

香山さんの次々と出る本の中では、共感できる部分が多かった。新聞連載物中心の編集だからだろう、今話題の特定テーマについて次々論じるわけでなく、心の痛みについて、柔らかに触れる話が多い。

安倍氏自身(晋三)がフェイスブックに書き込んだ。
「NHKのコメンテーターレベルお粗末すぎ。M氏といいF氏(実際は実名)といい今まで言ってきた事もう一度検証したら恥ずかしくて人前にでれないでしょう。この前フジテレビで完全論破しましたが、恥を知れといいたいですね。香山リカしは論外」

私には、ことに正否、是非は分からないのですが、安倍さん、品がないですね。らぬき言葉を使うのもそうですが、「完全論破しましたが」って、得意がるところも、レベルが低すぎます。もっと根本的問題としては、実名を出すなら、直接本人に反論すればよいものを、ネットでさらしにかけるなんて、卑怯者のすることです。こんな人が日本の首相とは、情けない。その人を選ぶ国民も情けない。

それにしても、精神科医はコメンテーターに適している。たとえどんな問題が起こっても、人の精神に係わらない事柄はないのだから。もちろん才能があるからではありますが、著書を量産できるわけですね。半分ばかにしながら、読むほうも読む方ですが。



香山リカは、1960年北海道生まれ。東京医科大学卒。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。学生時代から雑誌などに寄稿。その後も、臨床経験を生かして、新聞、雑誌などの各メディアで、社会批評、文化批評、書評など幅広く活躍。本名中塚尚子で、パートナーはプロレスジャーナリスト(現在ほとんど主夫?)の斎藤文彦らしい。
おとなの男の心理学』『<雅子さま>はあなたと一緒に泣いている』『雅子さまと新型うつ』『女はみんな『うつ』になる』『精神科医ですがわりと人間が苦手です』『親子という病』『弱い自分を好きになる本』『いまどきの常識』『しがみつかない生き方』『だましだまし生きるのも悪くない』『人生の法則』『若者のホンネ




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