hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

姫野カオルコ『青春とは』を読む

2021年03月27日 | 読書2

 

姫野カオルコ著『青春とは』(2020年11月20日文藝春秋発行)を読んだ。

 

「文藝春秋BOOKS」での作品紹介

コロナ禍のさなか、家でひきこもっていた女性が棚のなかから見つけた古い名簿と本。
「今からすれば――」
記憶の扉が開き、昭和50年代に共学の公立高校で過ごした思い出が、まるで映画を見ているかのようによみがえる。
『ラブアタック!』、ミッシェル・ポルナレフ、旺文社のラジオ講座、そして夜の公衆電話からかけた電話……
胸キュンな恋も、打ち込んだ部活も、そのうえスマホもなかった。でも確かにあれは――
大人のための、フツウな青春小説。

 

主人公の乾明子(めいこ)は、マドンナと同年生まれの「年寄り」で、定年退職後、都下の南武線沿線の町にあるシェアハウスに3人で住んでいる。私の他は大人と若者だ。

 2020年3月、新型コロナウイルスの発生によって、インストラクターをしていたスポーツジムが休館になり、ステイホームを余儀なくされた。部屋の掃除を始めたところ、高校の1年先輩の犬井くんから借りたままになっていた1冊の本を発見した。これを切っ掛けに、次から次へと過去の記憶がよみがえる。

 

高校は滋賀県立虎水高校だった(ちなみに著者は滋賀県立虎姫高校出身)。彼女は明(めい)ちゃんとか、あかるい子でなく暗い子だからと、暗子(クラコ)呼ばれていた。家では特に父親が厳しく、明子宛の手紙はすべて開封されるし、必要性を訴えて認められた場合しかお金をもらえなかった。

 

犬井:1年先輩のサッカー部。クラコと命名した。乾の友人。保健室使いすぎ仲間。

田上公美子:2学年上。美人。

相沢:理系文系ともに成績はトップクラスでギターが上手い。体育ができないので女子に不人気。

中条秀樹:サッカー部のエース。ベビーフェイスでやんちゃ。女子に人気。保健室使いすぎ。立命館大学在学中にTVバラエティ番組『ラブアタック』に出演。ちなみに、あの百田尚樹は同志社大学在学中に『ラブアタック』に出演し6回も挑戦し「みじめアタッカー」の常連となり有名だったとこの本に書いてある。

乾の高2の担任:化学の先生。馬車の御者のようで小柄で白髪。72歳に見えるが37歳。マスクをしている。

大谷沙栄子:口紅と爪が真赤。保健室担当。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

高校時代の話がメインなので、世界が狭く、主人公はやたら劣等感が強く卑屈だし、人気者はあくまでただただ華やかで単純すぎる。確かにこんな高校時代はあったのだろうが、その後の広い世界で戸惑い、伸び伸びと発展していく若者を描かず、いきなり老人ではおもろない。

 

浅田美代子、小池百合子など同姓同名の仲間や、あだ名の東野昌大などが出てきて、ときに、百田尚樹のように本人そのものだったりするので混乱し、読みにくい。

 

 

姫野カオルコ(ひめの・かおるこ)

1958年滋賀県生れ。姫野嘉兵衛の別表記もある。

1990年スラブスティック・コメディ『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー

2014年『昭和の犬』で直木賞受賞

2019年『彼女は頭が悪いから』で柴田錬三郎賞受賞

その他、『受難』『ツ、イ、ラ、ク』『ハルカ・エイティ』『リアル・シンデレラ』『謎の毒親』など文体や雰囲気が異なる多くの著作がある。

文藝春秋編『直木賞受賞エッセイ集成』の中の姫野カオルコ「原稿用紙に書く前」にこう書いている。

高校生の頃、ぽうっとなる対象は柴田錬三郎と野坂昭如だった。カオルコさんは、野坂昭如について吉行淳之介に直接電話をかけて相談した。吉行淳之介は、ふむふみなるほど、と聞いてくれ、そのうち、定期的に電話で雑談するようになった。(そんなことあるの? あったのだ。)

 

メロンパンは関西ではサンライズという。

 

佇まい(たたずまい)、酒を銚釐(ちろり)に注ぐ、庭訓(ていきん)、

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする