hiyamizu's blog

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知念実希人『神話の密室』を読む

2021年03月11日 | 読書2

 

知念実人著『神話の密室 天久鷹央の事件カルテ』(新潮文庫ち7-36、2020年9月1日新潮社発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

まるで神の御業のような不可思議は「密室」の謎

アルコールが一滴もないはずの閉鎖病棟で泥酔を繰り返す人気小説家。キックボクシングのタイトルマッチ、勝利の瞬間にリングで死亡した王者。かたや厳重な警備の病院で、こなた千人以上の観客が見守る中で。まるで神様が魔法を使ったかのような奇妙な「密室」事件、その陰に隠れた思いもよらぬ「病」とは?  天才女医・天久鷹央が不可能犯罪に挑む。現役医師による本格医療ミステリ!

 

《天久鷹央》シリーズの最新刊で、11作目。

 

プロローグ

天久鷹央(あめく・たかお):医会総合病院の医師で、病院の理事長の娘で、副院長も兼務。抜群の能力でを、他の科で診断がつかなかった患者を診察して病名を突き止める統括診断部の部長。童顔のため中学生に間違われるが、「私は二十八歳のれっきとしたレディだ」と憤慨する。

小鳥遊優(たかなし・ゆう):天久や鴻ノ池からは小鳥(ことり)先生と呼ばれる。天久鷹央とペアとなり(タカタカペア)謎を解明するとともに、天久鷹央から内科医・診断医として学びながら、人付き合いが苦手な彼女の対人関係を支援している。30歳の男性医師。
鴻ノ池舞:女性研修医。口が悪く、小鳥遊の天敵。

 

Karte. 01 バッカスの病室

泥酔状態で緊急搬送された宇治川心吾は、天医会総合病院の精神科にアルコール依存症の治療のために入院予定だった。宇治川はデビュー作を超える作品をなかなか書けないストレスで酒に走る有名作家だった。妻の真穂子と原稿締切りを過ぎて焦る担当編集者の野中が駆け付ける。

酒を持ち込めないよう管理されている個室の病室のなかで、2日後、酩酊している宇治川が発見された。室内から酒や、液体容器は発見されなかった。宇治川はどのようにして酔い潰れたのか……。


Karte. 02 神のハンマー

小鳥遊の大学時代、空手部のコーチだった早坂翔馬がキックボクシングの日本タイトルマッチに挑戦する。当時の部の主将だった轟勇人がリングドクターを、部の後輩だった轟の妹、現在早坂の妻・律子がセコンドを務める。早坂は10年前、チャンピオン目前で大怪我して、今日、チャンピオン不破雷也に挑戦する最後のチャンスをつかんだ。奇跡の反撃で勝利のベルトを巻いた早坂は崩れ落ちた。轟は心臓マッサージをしながら除細動器を操作する。しかし、早坂は搬送先の天医会総合病院で死亡したが、頭蓋内に大量の出血はなく、死因が不明だった。

 

エピローグ

 

本書は新潮文庫書き下ろし。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

寝転んで読んで、著者に騙されて、楽しむ分には良いが、謎は医学を良く知らないと解明できないし、わざとらしい天久のキャラにも乗っていけない。

 

《天久鷹央》シリーズは初めて読むのだが、登場人物のキャラが極端で、漫画チック。私の好みには合わない。謎解きも、無理筋で、医学的にはその通りなのかもしれないが、素人にとっては予想できない謎になっている。

 

 

知念実希人(ちねん・みきと)の略歴と既読本リスト

 

 

コメント
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