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山遊びの日々

山スキー、沢登り、クライミングの備忘録

湯俣川遡行(弥助沢~三俣山荘~伊藤新道)

2015-09-23 14:15:05 |  沢登り

■2015年9月20日(日)~22日(火)
■同行メンバー:M山pro、中隆
■ルート:
(20日)高瀬ダム6:05~湯俣8:18~赤沢出合手前13:40(BC)~東硫黄沢偵察
(21日)BC6:37~硫黄沢出合~モミ沢出合8:54~弥助沢9:27~三俣山荘11:30~伊藤新道~BC14:50
(22日)BC7:20~湯俣川~湯俣10:55~高瀬ダム13:20

長く温めていた湯俣川源流山行。5連休と好天と強力なメンバーに恵まれて実現できた。

【参考リンク】
「かつての登山道、伊藤新道」(PHOTOHTO C330さん) http://photohito.com/photo/2021349/
「宮田新道、カモシカ新道、そして伊藤新道」(Airsさん)http://blogs.yahoo.co.jp/airspace/31314466.html

【概要】
(20日)
朝5時過ぎに七倉の駐車場に到着すると既に満車状態。七倉ダム下の駐車場に停めて高瀬ダムまでタクシーに乗る。(2800円)ダムから2時間ちょっとで湯俣到着。順調な滑り出しだった。


噴湯丘を見学して湯俣川の遡行がスタート。


先週の秋雨前線の影響か、4年前の8月に来た時より明らかに水量は多かった。
スクラム渡渉を駆使して前進する。


両岸が高いゴルジュ帯に突入。途中で単独行者が引き返してきたので聞くと、水量が多くて断念したとのこと。
第3吊り橋跡の「雨天時勇気を持って引き返せ」とペイントされた大岩の先が深く、水圧が強い最大の難所だったが、M山proのファインプレイで何とかクリアできた。


赤沢出合の少し手前の台地にベースを設営後、上流の偵察に出発する。


東硫黄沢。この近くにブラック温泉があったと思ったが増水で水没しているようだった。
BPへの帰り、3パーティーが次々と上がってきたのには驚いた。

(21日)
BPにテントを置いて、いよいよ源流へ出発する。
昨日の1パーティーが硫黄沢出合いのすこし上にタープを張っていた。聞くと釣り師で今日下山するという。
やはり湯俣川は魚影が濃く、次々とイワナが走る。中には近くに寄っても悠然と泳いでいる奴もいる。今回は時間がないので竿は持ってこなかったが、見ているだけでも楽しくなった。


モミ沢出合。ここから湯俣川は漢字の樅沢に名前を変える。


しばらく遡行して右の弥助沢に入る。


展望が大きく開け、正面に鷲羽岳が姿を現した。


標高2380から気持ちのよい草原となりクリークをたどる。


最後の詰めを登ると鷲羽岳と三俣山荘の間の最低コル近くに出た。
向こうに伊藤新道のトラバース道が見える。


三俣山荘は登山者でごった返している。小屋で今夜の宴会用のビールを調達する予定だったが何と売り切れ。
そそくさと伊藤新道に入る。


伊藤新道のトラバース道から見た弥助沢源頭。紅葉がきれいだった。


途中、硫黄尾根と北鎌・槍が見えた。
伊藤振動は展望台まではとても歩きやすく快適な道だった。


足下には湯俣川の白い流れが。我々のテントも見えた。
ここから登山道は赤沢に急降下するが、なかなかすごい道であった。

(22日)
下山の日。
湯俣川は相変わらず水量が多いが、コツをつかんでいたので初日よりスムースに降りることができた。




湯俣の広河原に到着。振り返ると三俣の稜線がくっきり見えた。

【課題】
今回は源流部弥助沢の遡行と伊藤新道をメインにしたため釣りを楽しむ時間がなかった。
釣りメインならやはり硫黄沢出合付近で幕営ということか。
宮田新道、カモシカ新道も興味あり。


大井川東俣(広河内岳~池ノ沢~東俣~農鳥沢~農鳥岳)

2014-08-25 14:07:05 |  沢登り

■2014年8月21日(木)~23日(土)
■メンバー:単独
■ルート
【21日】奈良田3:51~大門沢小屋7:13~大門沢下降点10:41~広河内岳11:22~池ノ沢下降~池ノ沢2480m12:16(泊)
【22日】泊地5:42~池ノ沢池6:18~池ノ沢小屋8:25~魚止ノ滝12:33~乗越沢出合13:05(泊)
【23日】泊地4:59~三国沢・農鳥沢二俣6:10~農鳥沢~稜線(2795m)7:36~農鳥岳8:49~大門沢下降点9:28~奈良田14:23

※地形図は一番最後に掲載

【プロローグ】
南アルプスのど真ん中を南北に貫き間ノ岳へ突き上げる大井川東俣の源流は、服部文祥のサバイバル山行の舞台になった場所であり、岳人誌にも何度かルートが紹介されていた。
登攀的な滝もなく、単独なら南アルプスの原始性にどっぷり浸かった泥臭い沢旅が楽しめそうで気になる存在だった。。
問題はこの長い大井川東俣にどこから入るかということ。一つは転付峠を越えて二軒小屋から崩壊した東俣林道を辿るルートがあるが、いかにも冗長で面白みに欠ける。
岳人誌では白根南嶺を越えて池ノ沢を下降するルートと、塩見岳から雪投沢を下降するルートが考えられると紹介されていた。
いずれのルートも、2万5千図には登山道が記されているが、20年ほど前に廃道化したらしい。ちなみに1990年版の昭文社エアリアマップには点線ルートで「道不明瞭」とか「危険」と表示されている。確か私が高校生の頃は普通に歩かれていたような記憶があるが、昭和の時代の台風で東俣林道が崩壊したのと同時に廃れてしまったのであろうか?
廃道とか古道と聞くと妙に心惹かれるものがある。
特に前者の池ノ沢ルートの途中にはかつて「南アルプスの真珠」と謳われた池ノ沢池があるという。
今や訪れる人も稀なこの秘境の池を是非この目で見てみたいということで、白根南嶺を越えて廃道の池ノ沢ルートを下り、大井川源流を辿り白根三山の稜線に再び登りあげる計画が組みあがり、お盆明けの比較的天候が安定した3日間で実行することにした。

【21日】
前日の午後、入山口の奈良田の駐車場で満天の星空を眺めながら車中泊とする。
翌朝4時前、ヘッドランプを点けて大門沢ルートを歩きだす。とにかく今日は標高差2000mを登らなければならないのだ。気温が上昇する前になるべく高いところまで登っておきたい。荷物は極力軽量化してきたが、沢旅には欠かせることができない、ビール1ℓ、バーボン、焼酎各1合とつまみ類はたっぷり担いできた。
大門沢ルートは高校2年の夏合宿で下降したことがあるが、登るのは今回初めて。
とにかく長くてキツイ、修行系というよりも地獄系のルートだった。


かなり疲れてようやくたどり着いた本日の最高点広河内岳。
大井川東俣をはさんで対岸に塩見岳が姿を見せてくれ元気が出た。
山頂から南へ目をやると白根南嶺のなだらかな稜線が笹山に続いており、こちらも魅力的だ。


さて、ここからがいよいよ廃道ルートとなる。
広河内岳から白根南嶺を見ながら池ノ沢の源頭に向かってモレーンと這松のカール状地形を適当にずんずん下降する。


カール状の底には薄っすらと赤ペンキのマーキングやケルンが確認でき、かつてここが道であったことを示していた。


カール状をさらに下ると植生が変わり、ヤブ漕ぎ少々、広河内岳から約1時間で標高2480mのダケカンバの森に着いた。


泊まり場のすぐ近くには池ノ沢の最初の一滴となる湧水があった。
池ノ沢池を泊まり場とするかどうか悩んだが、水場もあるしフラットで気持ちの良い泊まり場であったので今日はここまでとする。


火をおこしてから苦労して担ぎあげたビールでさっそく乾杯する。
至福のひと時だ。
薪はテントの半径10m以内ですべてそろった。

【22日】
今日も快晴の朝を迎えた。
これから現れる池ノ沢池に期待しつつ出発


泊まり場から少し下ると水流が現れたので沢靴に履き替える。
少し下降すると狭い沢から突然平らな空間が現れた。


南アルプスの真珠、池ノ沢池だ。


水は透明で底が見えるほど。直径は70m程度で、かなり大きい。
地図上ではティアドロップのような形をしている。
しばし池畔に座って神秘的な雰囲気に浸っていた。

池から下は水流も多くなり沢の下降となるが猛烈な倒木で荒れていた。倒木をまたいだりくぐったりで結構大変だ。
沢筋をなるべく外して、たまに現れる昔の登山道やケモノ道を辿りながらしばし歩くと、池ノ沢と大井川東俣の出合である広河原に到着した。


広河原の少し高台には池ノ沢小屋がある。20年位前までは管理人がいたそうだが、今はネズミ君に支配されているらしい。
中には囲炉裏があり、薪や食糧がデポされていた。


ここから東俣源流の沢旅がスタートする。
天気は快晴。気持ちの良い風が吹く河原をのんびりムードで歩き始める。


遠くに間ノ岳が見えた。


気持ちのよい流れがどこまでも続く。


いかにもという感じのトロ場だが、大井川東俣は数年前から禁漁区に指定されたので竿は持っていない。
ならば岩魚ウォッチングでも楽しもうかと注意してみたが魚影はあまり見えなかった。


東俣唯一の滝、魚止ノ滝は左から簡単に巻ける。


滝を越えると沢は天国系の渓相に変わり、30分で今日の泊まり場の乗越沢の出合に着いた。


二俣の少し高台にあり、よく整地された優良物件だ。薪も豊富にある。
時間はまだ14時だが、焚火をおこし瀬音を聞きながらビール、バーボン、焼酎と飲み進む。
18時頃から空が暗くなり夕立があった。

【23日】
朝起きると小雨がポツポツと降っていた。天気は下り坂のようだ。本降りになる前に沢を抜けたいところだ。
ヘッドランプを点けて5時に出発する。


今年は残雪が多いせいか、ところどころに雪渓の残骸があった。
この先、厄介な雪渓が出てこないことを祈りつつ先を急ぐ。この先で雨が強くなってきたので雨具上下を着る。


奥の二俣に到着。左は本流の三国沢、右は農鳥沢。今回は農鳥岳を越えるので農鳥沢をつめる。
すぐに水流が消えてハイ松やダケカンバのヤブ漕ぎとなる。農鳥沢を忠実につめると間ノ岳と農鳥小屋の間のトラバース道に出るはずなのだが、トラバース道のある標高2700mを過ぎても道は現れない。
気づかずに過ぎてしまったのか?とにかく上に上に行けば登山道に出るはずなので気にせず登っていくと農鳥小屋と西農鳥岳の間の稜線に出た。どこかで枝沢を間違えてしまったのかもしれないが、ショートカットできたので結果オーライだった。


西農鳥岳から間ノ岳と農鳥小屋。南アルプスの山の大きさが実感できた。


縦走して農鳥岳。ガスで視界なし。


ぐるっと周回して大門沢下降点に戻ってきた。
さあ、ここから奈良田まで長い長い下りが待っている。
標識の下にある鐘を2回勢いよく鳴らして稜線を背にした。




北ア 梓川支流 二ノ俣谷から大天井岳

2013-09-24 23:29:38 |  沢登り

■2013年9月21日(土)~22日(日)
■同行メンバー:中隆
■ルート:
(21日)上高地5:25~横尾7:38~二ノ俣出合8:32~峠沢出合10:56~2066m二俣12:48
(22日)2066m6:27~2220m三俣8:06~大天荘10:23~大天井岳10:55~燕山荘13:19~中房温泉15:33

梓川支流の二ノ俣谷は2年前の夏に遡行した一ノ俣谷の西隣にあり、大天井岳に向かって南北にまっすぐ伸びる沢です。
大きな滝やゴルジュもなく開けた感じの明るい癒し系の沢。天気にも恵まれ焚き火宴会を満喫しました。
上高地からのアプローチと大天井岳からの下山が長いのが難点ですが、それらを全部ひっくるめて沢旅と考えれば充実した2日間といえるでしょう。

【概要】
金曜日の夜、仕事が終わらず予定時間を大幅に遅れて穂高温泉郷に集合。下山地の中房温泉に車を1台置いてから沢渡に移動し第2駐車場で3時間ほど仮眠する。
明朝4時半のタクシーで順調に上高地入り。
横尾から1時間ほどで二ノ俣出合の吊り橋に到着。
登山者数名が休憩していたので気を遣いつつひっそりと入渓。アプローチシューズのまましばらく歩いてから沢装備に転換する。


出合から1時間ほど歩いたところ。奥に稜線が垣間見える。
明るい渓相で針ノ木谷に雰囲気が似ている。


標高1900m付近の広河原。開放的な雰囲気で薪も豊富にある。ここで泊まりたい誘惑にかられるが明日の行程を考え予定どおり2066m二俣をめざす。
この少し先の左岸から峠沢が流れ込む。この峠沢を遡り中山乗越を経て一ノ俣谷につながる古道がかつてあった。いつか辿ってみたい。


広河原を過ぎると両岸が狭まり、沢登りっぽい感じになってきた。


2066m二俣に到着。整地してタープの下にツエルトを吊るす。ここまで先人の痕跡は見当たらなかった。
地図を見る限りビバーク適地かどうか不安だったが、なかなかよい場所だった。


薪は見える範囲で十分集まる。早速火を熾して宴会を始める。
最近料理の腕を上げた中隆シェフの宴会メニューも楽しみの一つだ。

(宴会メニュー)
・キャベツと塩昆布の和え物ごま油風味
・粗挽きウインナーの串焼き
・ジャガイモとウインナーのカレー粉炒め
・キムチ鍋とうどん
・甲州ワイン、大雪渓(日本酒)、焼酎

全く記憶にないが19時ころ就寝&爆睡www


翌朝、出発してすぐ現れる6m滝(写真奥)は右岸の草付斜面を高巻く。


ロープなしで登ったが見た目より傾斜が強く悪い。


安全策をとり、斜面途中で中隆にロープを投げおろしてから空荷で確保支点がとれる灌木まで登り上げ中隆を迎える。




次に現れる7m滝。こちらも右岸の草付のルンゼをロープを付けて登る。
古い残置ロープがあった。初めて先人の痕跡を見る。
続く6mトヨ状と7mナメ状滝をまとめて巻いて沢に降りるとすぐに2220m三俣に着く。
三俣の右岸の沢は北鎌尾根のアプローチである貧乏沢へ下降するコルに突き上げる。


ナメ滝の連瀑。このあたり雰囲気よし。






顕著な二俣を右に入るとすぐに水枯れとなる。
稜線の向こうに槍の穂先が見える。


ひたすらガレ場登りで高度を上げると北鎌が見えてきた。




稜線直下のハイ松とガレ場の苦しい登りが続く。
予定では大天荘から大天井ヒュッテに続くトラバース道に出るはずだったが、すこし右に振りすぎてしまったらしい。
軌道修正して大天荘直下の登山道に出た。


大天荘到着。荷物を置いて31年振りの大天井岳山頂へ向かう。


大天井岳から辿ってきた二ノ俣谷を俯瞰する。涸沢カールも見える。

さて、ここから燕山荘を経て中房温泉まで長い下山が待っている。
合戦尾根の下りではひっきりなしに登ってくる登山者とのすれ違いで待ち時間がかなりあった。
特に〇〇ツアーの70人パーティーには驚いた。
登山ブームを実感した次第。


正沢川細尾沢

2013-07-15 17:01:34 |  沢登り

■2013年7月13日(土)~14日(日)
■ルート:
(13日)幸ノ川橋11:45~正沢川入渓~玉ノ窪沢出合14:09~細尾沢出合15:13
(14日)細尾沢出合6:05~細尾大滝下6:35~支尾根9:52~木曽小屋~木曽駒ヶ岳10:09~福島Bコース~幸ノ川橋14:05
■同行メンバー:中隆


細尾大滝

【概要】
梅雨明けしたものの北部に前線が停滞して不安定な天気の中、海の日3連休の前半2日間は今シーズン初の沢登りに中央アルプス正沢川細尾沢に行ってきました。
細尾沢は木曽駒ヶ岳直下に突き上げる比較的人気のある沢です。webの情報では日帰りで抜ける強者もいるようですが、ここはのんびりと沢中キャンプを楽しむ計画にしました。

心配していた天気も行動中はほとんど降られず助かりました。
しかし今年は残雪が特に多いのか、沢筋には多くの雪が残っており、楽しみにしていたナメの連瀑帯は雪の下でしたww

【13日】
初日は細尾沢出合まで約3時間半の行程のため朝はゆっくり集合する。
入山口となる駒ケ根高原スキー場から林道を少し入った幸ノ川橋に駐車して出発準備をしていると、中隆が夕食の鍋の出汁と朝食のラーメンを自宅に置き忘れたことに気づき、木曽福島のイオンまで買い出しに走る。
沢登りスタイルのままイオンで無事買い物を済ませ、仕切りなおしていざ出発となる。
道標に「沢登コース」と記された草ぼうぼうの道をしばらく歩き、適当なところから正沢川に入渓する。単調なゴーロの歩きがしばらく続く。天気はどんよりといた曇り空で、時折小雨がぱらついてくるが大きな崩れはなさそう。

正沢川


玉ノ窪沢の出合

魚影は見えなかったが、試しに休憩時にテンカラを振るとリリースサイズの岩魚が2匹かかった。魚影は薄いが岩魚はいるようだ。
玉ノ窪沢出合を過ぎてから一歩きで今日の泊まり場となる細尾沢に到着した。

あまり広くはないが、なかなか快適そうな平坦地を見つけタープを張る。
いつものようにビールを冷やし、薪を集めてさあ宴会開始かという時に夕立が降ってきたのでタープ下に避難する。かなり強い降りで沢はみるみる増水していく。慌てて薪を上部の木の下に放り投げ、冷やしていたビールを引き上げる。
雨は1時間ほど降り続いたが、みるみるうちに水位が上昇して予定していた宴会場は見事に水没。その上のテント場にも迫る勢いだ。もし足元に見える岩が水没したら上段に避難しようと考えていたが、何とか止んで、水位も下がってきた。これで一安心と濡れた薪に火を点けてからようやく宴会がスタートした。
中隆が用意してくれた枝豆、もろきゅう、オイルサーディーンの前菜をいただき、具だくさんの鶏鍋を食べながらビール、ワイン、焼酎と飲み進む。締めのうどんをいただき、いつもより遅い21時30分頃にお開きとなりタープ下にもぐりこむ。


夕立による正沢川本流の増水。赤茶色の濁流がすさまじい勢いだった。


雨が止めばあっさり減水。
さっきまで水没していた場所で焚火宴会開始。
調理に精を出す中隆。

【14日】
今日は午前中は曇りで昼過ぎから雨の予報のため、なるべく早い時間に稜線に抜けたいところだ。
餅ラーメンを食べて午前6時過ぎに出発。すぐに出てくる小滝を次々に登っていくと30分で細尾大滝が姿を現した。
左岸のガレたルンゼから高巻に入る。
滝の落ち口あたりで左方向に急な草付をトラバースする踏み跡があったが、webの情報では高度感のあるトラバースでロープを出すというのであっさりパス。さらにガレルンゼを詰めてから左手のヌメヌメした小沢を登り上部の樹林の尾根に乗り上げた。そこから樹林の中をトラバース気味に下降していくと難なく大滝の少し先に降りることができた。


細尾大滝は右手のガレルンゼを高巻き。

大滝を越えるといよいよ細尾沢の真骨頂である小滝の連瀑帯となるが、ガスに覆われて視界も悪く今一つぱっとしない。
さらに標高2200m付近から雪渓が現れ始め、上部のナメ滝の連瀑帯はほとんど雪の下となってしまった。
まだ時期が早すぎたのか、今年は特に残雪が多いのか、なんとも残念であった。


小滝の連瀑


いよいよナメ滝連瀑帯に突入かと思いきや・・


雪渓歩きになってしまった。

二俣が何回か出てくるが、地図とコンパスで方向を見定めながら沢を詰めていくと水流が細くなり広々とした駒ヶ岳北面のカールに入った。
山頂に直接突き上げるルンゼはかなり急に見えたため、方向を右寄りに修正して雪の詰まったガレたルンゼに入る。
ルンゼ右手の雪のないガレ場をひたすら登ると山頂から北に派生する支尾根に到達した。
そしてこの尾根を南側に少し回り込むと木曽小屋直下の主稜線に出ることができた。結果的にこの詰めは概ね予定していたラインだった。


詰めのガレルンゼの登りから北面カールを見下ろす。


主稜線から北に派生する尾根に登りあげた。山頂は左手奥のピークか。

小屋に荷物を置いて山頂に向かうと、宝剣岳方面から来た登山者でごった返していた。
これは勘弁と写真を撮ってからそそくさと下山にかかる。
福島Bコースは登山者も少なく静かでよい。途中で山菜をとりながらのんびり歩き、約4時間で駐車地に到着した。
車に乗り込むと雨が降り始め、すぐに土砂振りとなった。
駒の湯で2日間の汗と泥を流して帰路に就いた。


中ノ岐川灰ノ又沢

2012-10-09 21:16:32 |  沢登り

■2012年10月6日(土)~7日(日)
■ルート:
(6日)雨池橋7:46~中ノ岐林道~灰ノ又橋8:35~F512:17~BP14:10
(7日)BP7:26~二俣~奥の二俣9:04~稜線10:12~荒沢岳10:31~銀山平13:46
■同行メンバー:中隆

昨年9月と今年9月に計画したものの、いずれも雨で順延になっていた灰ノ又沢。
今回3度目の正直で完登できました。
沢中1泊の行程はほどよい余裕があり、今シーズン最後の焚火宴会をじっくり楽しみました。
天候は曇りで今一つでしたが、行動中と宴会中は降られず助かりました。

【アプローチ】
金曜の夕方、仕事が終わるとそのまま車を走らせ、飯山~十日町経由で魚沼に入る。
スーパー原信で行動食と八海山そしてつまみを調達し、関越道小出インター近くの道の駅でテント泊。
ルートを研究しながら一人宴会して就寝。
翌朝、中隆と合流し、車2台で奥只見シルバーラインで銀山平に入る。
1台を満車状態の荒沢岳登山口に駐車し、シルバーラインで雨池橋へ向かう。このシルバーラインは昨年の台風災害で長らく通行止になっていたのだが、ようやく10月1日から開通したばかりなのだった。
雨池橋から一般車両通行止めの中ノ岐林道をおしゃべりしながら1時間弱の歩きで入渓点の灰ノ又橋に到着。

【ルート概要】灰ノ又橋から見る灰ノ又沢はパッとしない雰囲気だが、すぐにナメ状の小滝が連続するよい渓相になる。



3m美瀑







この沢で1番大きい滝のF4、25m4段滝。
ロープ出せば登れそうだったが、2段目以降がシャワークライミングになりそうだったのでパスして左壁を巻き気味に登る。




登れる滝はしっかり登る。




F5の12mのなかなか見事な滝。
高さがあるので一応右壁の3級-程度の岩をロープを出して登る。

F5を登ってから二俣手前の左岸に幕営適地を探し、テントを張る。
時間があるので、薪をたっぷりと集めてから焚火宴会の開始。

中隆シェフ(見習い)の今宵のメニューは「枝豆、焼肉、ほうとう」+赤ワイン
おいしくいただきながら、いつしか話題は子供の教育問題となる。
「親が山バカでも子はそれなりに育つ」という都合の良い結論が出たところで雨がポツポツと降りだしお開きとする。

翌朝、相変わらずどんよりとした天気の中、出発。
雨は夜中にそれなりに降ったようだがほとんど増水していない。
すぐに二俣となり本流の右俣へ入る。
連続して現れる小滝を次々と直登。飽きない。


奥の二俣を右に入り、一気に高度を上げていく。
後ろに灰ノ又山が見える。紅葉は遅い。色づき始め程度。

最奥の二俣を左へ入る。右は荒沢岳に直接突き上げるようだ。

最後の詰めは濡れた草付の急斜面でとにかく滑る、滑る。
半分以上は腕力で半ば強引に草をつかみ体を引き上げる行為の連続で稜線登山道に飛び出した。
稜線鞍部と山頂の中間地点に出たようだ。


山頂直下の紅葉

さて、下山。
非常に悪いことで有名な荒沢岳登山道なので注意して下る。
特に前からの岩場の50mの下りは懸垂下降したいくらいのものだった。



下山路途中、前から荒沢岳を振り返る。
稜線右手の鋭い切れ込みは蛇子沢