山遊びの日々

山スキー、沢登り、クライミングの備忘録

海川西俣左沢

2020-09-22 21:16:57 |  沢登り

■2020年9月21日~22日
■ルート:
(21日)三峡峠6:56~取水口高地8:20~二俣(西俣へ)~奥の二俣14:30(泊)
(22日)奥の二俣(左沢へ)6:20~シネマスコープ状岩壁の300m手前8:07~往路戻る~奥の二俣~9:41三峡峠15:18
■同行メンバー:M山pro

海川の西俣左沢源流部に「シネマスコープ状岩壁」という変わった名前の滝?があることは前々からY隊長から聞いていて、気になっていた。
日本登山大系6の海川西俣左沢の記録では、「シネマスコープ状岩壁は見事に展開し、これに四本の滝がかかって素晴らしい光景に息を飲んでしまうだろう」と記載されている。
登山大系は素っ気ないほどシンプルな記述だけど、その登山大系にして「素晴らしい光景に息を飲んでしまうだろう」と言わしめた海谷の「シネマスコープ状岩壁」を是非見たいと思い、4連休の後半を利用してM山proと偵察山行に出かけた。




海谷渓谷は大雨の影響か、大量の土砂流出や護岸侵食で川の様相が変わっていた。
稜線への登路、富岡新道の入口もよく分からなくなっていた。
写真は鬼が面沢出合付近。
M山proの視線の先には、鬼が面の山腹崩壊と思われる大量の土砂が本流に流れ込んでいる。


鉢山海老嵓の岩壁下を通過


二俣から西俣に入るとほどなく8mの滝が現れる。右岸から高巻く。


8m滝の落ち口から高巻きルートを覗く。(帰路撮影)


ここまで魚影は見なかったが、8m滝の先で魚が走るようになったのでテンカラを振ってみる。
1匹良型がかかったが、かかりが浅くてバラしてしまった。その後アタリなし。


沢がゴルジュの様相を呈してくると15m滝が登場する。この滝が厄介だった。


まず、滝の右側が登れそうな気がしたので取り付いてみたが、上部は手掛かりのないスラブ状で手ごわいため無理せずにクライムダウンする。(後で分かったが、仮にここを登っても反対側の滝の落ち口付近がつるつるでかなり悪そうな感じだった。登らなくて正解)
気を取り直して右岸から高巻くが、かなり高いところまで岩盤に阻まれ苦労する。
一度岩にぶち当たったため、ルート修正で仕方なく懸垂で降りてから登り返したりとかなり時間を食ってしまった。


高巻きの下降(帰路撮影)


最後の15m滝が魚留のようで、その先は全く魚影がなかった。




右沢と左沢の出合、奥の二俣にベースを設営する。(標高1070m)
右に見えているのが右沢、2008年6月に残雪に埋まった右沢を遡ってシゲクラ尾根の大曲に抜けたことがある。


夕飯は焼肉。100均で買った脚がついている網は焚火の上で使いやすい。
標高1070mと低いが虫は全くいなくて快適だった。


翌朝、広い河原となっている左沢を進む。
右岸から30m滝が落ちている。


ちょっとした小滝もあっておもしろい。


両岸の岩壁が高くなり、この先から曲り淵というゴルジュ帯に突入する。落石で埋まった渓を進む。


地図上ではシネマスコープ状岩壁まで300mの地点に迫った。
奥に三角の大きな岩壁が見える。もしやこれがシネマスコープかと思ったが、地図を見るとシネマスコープ状岩壁は谷を右に回り込まないと見えないようだ。
先に進みたかったが、写真のこの滝、右も左もオーバーハングしていて登るのに時間がかかりそう。
これから引き返す時間を考えるとタイムアップ。ここを最終到達点とする。





今回は残念な気持ちもあったが、海谷の最奥部の一端に足を踏み入れることができたという点では満足している。
海谷に足繁く通っている自分としては、シネマスコープ状岩壁を突き抜けて金山の山頂に至ってみたいという気持ちはある。
しかし、この曲り淵のゴルジュ帯からしばらく先は高巻きができないので、ハーケン等を使った岩場のルート工作が必要になると思われる。そう容易くは登らせてもらえないだろう。

コメント
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