山遊びの日々

山スキー、沢登り、クライミングの備忘録

剱岳 チンネ左稜線 6峰A・Cフェース(6峰クライミング・下山編)

2013-08-22 21:16:03 |  クライミング

■2013年8月16日(金)~19日(月)
■同行メンバー:K林師範、I川名人、M山pro
■ルート:
(16日)室堂~別山乗越~剣沢小屋~長次郎谷~某テン場
(17日)某テン場~長次郎谷右俣~池ノ谷乗越~池ノ谷ガリー~三ノ窓~チンネ左稜線(12P)~チンネの頭~池ノ谷乗越~某テン場
(18日)某テン場~6峰Aフェース中大ルート(1P)~魚津高ルート(2・3P)~Cフェース剣稜会ルート(5P)~Aフェース魚津高ルート(3P)~某テン場
(19日)某テン場~長次郎谷~剣沢小屋~別山乗越~室堂

【6峰クライミング・下山編】
(18日)某テン場5:04~6峰Aフェース中大ルート(1P)~魚津高ルート(2・3P)~Cフェース剣稜会ルート(5P)~Aフェース魚津高ルート(3P)~某テン場13:30
(19日)某テン場6:30~長次郎谷~剣沢小屋8:48~別山乗越~室堂12:09


6峰Cフェース剣稜会ルート3ピッチ目のナイフリッジ

【概要】
(18日)
メインのチンネ左稜線が終わり、本日は6峰フェースのクライミングの日だ。
某テン場から長次郎雪渓をトラバースして、まずはAフェースの中大ルートに取りつく。


中大ルート1ピッチ目のフェース。
グレードは4級+、傾斜が強くホールド、スタンスともに細かい。
朝一番ではなかなか登りごたえのあるピッチだ。


2ピッチ目は左に寄りすぎたため、中大ルートを外れてお隣の魚津高ルートに合流してしまう。
露出感のある快適なリッジを豪快にぐいぐいと登る。


某テン場が見えた。

Aフェースの頭から懸垂1ピッチで取りつきに戻る。
仕事の都合でこの日下山しなければならないI川名人と、K林師範とはここでさようなら。

M山proと私はすぐさまCフェースに向かい、定番の剣稜会ルートに取りつく。
記憶が定かではないが、私自身剣稜会ルートはおそらく4回目の登攀になる。
何度登っても快適で楽しいのがこのルートの魅力だ。


剣稜会名物の3ピッチ目のナイフ・リッジに近づくM山pro


岩も固くて超快適。
ちなみにこのナイフリッジに馬乗りになるのがお約束なのですが、M山proはやってくれませんでした。

Cフェース登攀終了後、八ッ峰縦走路を戻り、懸垂下降2ピッチで5・6のコルへ。
まだ時間が早かったので、Aフェースをもう1本ということで正規の魚津高ルートを登ることにした。


本日2回目の魚津高2ピッチ目のリッジ。


かなりの露出感と高度感で最高にハイな気分。


魚津高ルートの登攀を終え、まだ時間に余裕はあったが、早めにテン場に戻ることにした。
今日の宿泊は我々だけ。この景色を独り占めだ。


本日の登攀ルートを目で追いつつ、チビチビ酒を呑みながら夕暮れを待つ。
今日も6時に就寝。

(19日)

下山日の朝。
ドピーカンの天気の中、後ろ髪をひかれるように長次郎雪渓を降りる。


「岩と雪の殿堂」と記念撮影。
最高の天気に恵まれた夢のような4日間だった。
またこの地でクライミングできるよう精進したいと思う。

コメント (2)
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剱岳 チンネ左稜線 6峰A・Cフェース(チンネ左稜線クライミング編)

2013-08-21 20:43:56 |  クライミング

■2013年8月16日(金)~19日(月)
■同行メンバー:K林師範、I川名人、M山pro
■ルート:
(16日)室堂~別山乗越~剣沢小屋~長次郎谷~某テン場
(17日)某テン場~長次郎谷右俣~池ノ谷乗越~池ノ谷ガリー~三ノ窓~チンネ左稜線(12P)~チンネの頭~池ノ谷乗越~某テン場
(18日)某テン場~6峰Aフェース中大ルート(1P)~魚津高ルート(2・3P)~Cフェース剣稜会ルート(5P)~Aフェース魚津高ルート(3P)~某テン場
(19日)某テン場~長次郎谷~剣沢小屋~別山乗越~室堂

【チンネ左稜線クライミング編】
(17日)某テン場4:06~長次郎谷右俣~池ノ谷乗越4:52~池ノ谷ガリー~三ノ窓5:35~チンネ左稜線取りつき6:18~(全12P登攀)~チンネの頭10:50~池ノ谷乗越13:20~某テン場14:11


「三ノ窓氷河」を足下にチンネ左稜線の爽快クライミング。

【概要】
いよいよメインのチンネ左稜線クライミングの日がやってきた。
朝4時にヘッドランプを付けてテン場をスタートし、まだ固い長次郎雪渓右俣をアイゼンを効かせて登る。
チンネの起点となる三ノ窓へは、登りついた池ノ谷乗越から反対側にある悪名高き超ガラ場「池ノ谷ガリー」を下る。



女子3人パーティーが下から登ってくるのを待って、下降開始。
小窓ノ王が覆いかぶさるように聳えている。
登ってくる登山者も考えられるので、とにかく落石を起こさないよう一歩一歩慎重に、神経をすり減らす嫌な下りだ。


池ノ谷ガリー途中から右手に回り込むと三ノ窓に到着する。ツエルトが一張りあった。
いつか泊まってみたい別天地だ。


振り返るとチンネの岩峰がそびえる。


クライミングの装備を身に着け、左稜線の取りつきに向けて雪渓をトラバースする。
どうやら先行パーティーが1組あるようだ。


さていよいよ登攀開始。K林師範とI川名人、M山proと私の2組に分かれてスタートする。
まず1ピッチ目は凹角状のフェースから。
軽い身のこなしで華麗に登るI川名人。


1ピッチ目の終了テラスでビレイ中のK林師範。


登攀途中から三ノ窓方面を見るとこんな感じ。


2ピッチ目の斜度のあるフェースをリードするM山pro


k林師範とI川名人は高校生からのクライミングパートナーで息もぴったり。とにかくスピードが速くて追いつけない。
フェースからリッジに出てぐんと高度感が増してくる。


ピナクルを登るK林師範。
ご覧のとおりの快晴。天気を心配することなく思う存分クライミングに専心できる。


9ピッチ目はこのルートの核心部である「鼻」の登攀。グレードは5級。
小ハングをフリーで越えるI川名人。熟練のクライミングで無駄な動きがない。
ここで先行パーティーに追いついた。


名人の登りをよく観察してから次は私がリードで登る。
荷物を背負ってのアルパイン本番5級は結構厳しい。
かなりしびれるクライミングでなんとかクリアする。


「鼻」さえ越えればあとは鼻歌まじりで行ける。(笑)
最近、日本で初めて氷河と認定された「三ノ窓氷河」を見下ろしながらナイフリッジを快適に登る。
爽快!!


林立する小ピナクルを次々と登る。




気が付くとクレオパトラ・ニードルが眼下にあった。


チンネの頭への最終ピッチ。


チンネの頭の一番高い岩に登るI川名人。
実はこの岩は浮いていて、ここに立ち上がるのはかなり怖いそうです。(私はやめときました。)


チンネの頭から見る北方稜線と毛勝三山


チンネの頭から少し降りたところから、池ノ谷ガリーに向けて2ピッチの懸垂下降がある。
先行パーティーが降り切るのに1時間近く待った。
この懸垂も落石を誘発させないようかなり神経を使う。


池ノ谷乗越から長次郎雪渓右俣を下る。
上部は急斜面のため慎重に下る。


テン場に戻り、夕飯を作りながらまったりと宴会する。
信じられないことに、I川名人のザックから生ハム、チャーシュー、シャウエッセン、チーズ、漬物、タケノコ水煮・・・など次から次へと美味しいおつまみが出てくる。
この日本離れした景色を堪能しながら、残り少ない酒をチビチビと飲み、午後6時には寝袋にもぐりこむ。
【6峰登攀・下山編】に続く・・・

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剱岳 チンネ左稜線 6峰A・Cフェース(アプローチ編)

2013-08-20 07:07:52 |  クライミング

■2013年8月16日(金)~19日(月)
■同行メンバー:K林師範、I川名人、M山pro
■ルート:
(16日)室堂~別山乗越~剣沢小屋~長次郎谷~某テン場
(17日)某テン場~長次郎谷右俣~池ノ谷乗越~池ノ谷ガリー~三ノ窓~チンネ左稜線(12P)~チンネの頭~池ノ谷乗越~某テン場
(18日)某テン場~6峰Aフェース中大ルート(1P)~魚津高ルート(2・3P)~Cフェース剣稜会ルート(5P)~Aフェース魚津高ルート(3P)~某テン場
(19日)某テン場~長次郎谷~剣沢小屋~別山乗越~室堂

昨年7月後半に剱岳八ッ峰を縦走した際、八ッ峰の頭からチンネ左稜線の鋭いリッジを登るクライマーに目が釘付けになった。
誰彼ともなく「来年はチンネ左稜線だね」と声が出て、暗黙の了解でこの山行が決まったのでした。
今年のメンバーはK林師範とM山pro、そしてK林師範の学生時代からのクライミングパートナーであるI川名人が加わるという最強メンバーに発展。
超ベテランに囲まれ、最年少の私は精神的に随分楽をさせてもらいました。
結果、4日間すべて晴天に恵まれ、最高のロケーションの長次郎谷某テン場をベースに、チンネ左稜線と八ッ峰6峰Aフェース・Cフェースの登攀を満喫しました。

【アプローチ編】
(16日)室堂9:00~別山乗越11:14~剣沢小屋12:05~長次郎谷~某テン場15:30

扇沢を始発7時半のトロリーバスで出発。アルペンルートは混雑していたが順調に乗り継ぎ室堂に到着した。
荷物は4日間の夏山装備+クライミンググッズ+ピッケル・アイゼンで久々の20kgオーバー。
食料はアルファ米等で極力軽量化を図ったが、某テン場の癒しのひと時にどうしても欠かせないビール3本とバーボン300ccをザックに忍ばせた。


雷鳥平と別山乗越。
いつもこの景色を見ると無意識のうちに山スキーのラインを探してしまう。
いつ登ってもきつい雷鳥坂、重荷と暑さにあえぎながら20分に1回休憩のペースで何とか別山乗越へ到着。


乗越から剣沢野営場へ降りる。
剱岳本峰にはガスがかかっていた。


アイゼンを付けて剣沢を下降する。
K林師範のアイゼンは靴との相性悪く、何度も外れてしまっていた。
私はファイブテンのアプローチシューズに今回新調したモンベルの10本爪簡易アイゼンという足回りで行く。


長次郎谷を詰める。
この登りもまた苦しいが、八ッ峰と源次郎尾根の岩壁に囲まれた雄大な景観に励まされる。


某テン場の岩場が見えてきたが、スケール感がつかめず見えてからが遠い。
今年は残雪が多く、すべて雪渓通しでここまで登ってこれた。
ありがたいことに長次郎谷右俣もきれいに稜線までつながっているようだ。


かなり疲れて某岩場のテント場に到着。先客は7~8張程度か。
テントを設営して、さて6峰A~Dフェースを観察しながらビールでも飲むかと思いきや、何やら不穏な雰囲気が・・・


先客の皆さんが5峰ピークにいる登山者に向かって「大丈夫か~」とか叫んでいる。
どうも八ッ峰縦走中の単独行が4峰の懸垂下降でロープが回収できなくなってしまい、5峰に取り残されてしまったようだ。
5峰から5・6のコルへは懸垂下降が数ピッチあり、ロープなしでは行くことも戻ることもできない。
日没まであとわずか。1人だけ携帯がつながる人が富山県警へ救助を要請。ヘリを飛ばすかどうかなどやり取りしていたが、結局、剣沢から救助隊が出動することになった。


夕闇迫る中、ものすごいスピードで救助隊が5・6のコルに向けて登っていく。
遭難者を励ますため「オーイ、オーイ」と終始大声で呼びかけている。
私は寝てしまったが、夜の9時半ころに5峰を懸垂下降するヘッドランプの明かりが見えていたようだ。
まさに鉄人としか言いようのない救助隊の力量には頭がさがります。

【チンネ左稜線クライミング編】へ続く・・・

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北アルプス 烏帽子岳 南沢岳

2013-08-11 15:59:03 |  山歩き

■2013年8月10日(土)
■ルート:七倉4:32~高瀬ダム堰堤5:26~ブナ立尾根~烏帽子小屋8:19~烏帽子岳9:02~南沢岳10:01~(往路戻る)~七倉14:12
■メンバー:単独

【概要】
今週末に控えた剱岳合宿のトレーニングと新調したアプローチシューズの履き慣らしを兼ねて、北アルプス三大急登?の一つと言われるブナ立尾根を登り烏帽子岳・南沢岳を日帰りで往復してきました。

なるべく涼しい時間帯にブナ立尾根を登り切りたいので、七倉を4時半にヘッドランプを付けて出発。
ゲート前には既にこの時間からタクシーの順番待ちの列ができている。
ダム下のジグザグはショートカットで巨岩を直登する。堰堤からトンネルくぐって、吊り橋を渡ってからブナ立尾根の取りつきとなる。
道はよく踏まれているので歩きやすい。おまけに荷物も軽いのでサクサクと高度を稼げる。
三大急登とはいうものの、斜度からいえばお隣の七倉尾根の方が勝っているような気がする。
途中、トレランのペアに抜かれたが順調に烏帽子小屋へ到着。1時間で標高差500m弱登った計算になる。


1年ぶりの烏帽子小屋


小屋の前のイワギキョウがキレイだった。


ニセ烏帽子から烏帽子岳。かっこいいね。


とんがりのてっぺん、烏帽子岳山頂に到着。
昨年、船窪から野口五郎に縦走した時はパスしてしまったので、今回はしっかり登った。


赤牛岳から黒部源流方面。
晴れているもののガスが多く、遠くの山の展望は良くなかった。



四十八池
花はもうほとんど終わり

南沢岳山頂からから見た四十八池と烏帽子岳。奥は三ツ岳
もし調子が良ければ船窪岳まで縦走して七倉尾根を下ろうかと考えていた。南沢岳から七倉までコースタイム9時間以上。3分の2に短縮しても下山は4時過ぎの12時間行動となる。
さらに暑くて長かった去年の行程を思い出してしまいネガティブシンキング。体が疲れてきている証拠と考え、回れ右して引き返すことにした。


烏帽子岳、南沢岳、不動岳

ブナ立尾根の下山に入ると、お盆休みの入山者が続々と登ってくる。お昼近くで気温もかなり高く、皆大汗をかきながら苦しそうだ。
ダムから先もタクシーには乗らず七倉まで歩いて下る。長いトンネルの中は涼しくて気持ちが良かった。

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