■2023年8月25日(金)~26日(土)
■ルート:
倉本林道イザルボテ5:35~中八丁峠6:54~伊奈川出合7:25~伊奈川1780m付近(熊沢岳への支流出合)11:42(泊)
泊地5:45~伊奈川出合~中八丁峠~倉本林道イザルボテ10:45
■メンバー:単独
登山大系に「静かで平和な沢歩きができる」と記された癒し沢で宴会焚火沢泊してきた。
昨日は前半の渡渉ですっころんでスマホが水死し、写真やログがパーになった。USBの接続穴から水が入ったっぽい。ラバーソールを選択したのは誤りだった。ヌメった岩が多かった。2年前の偵察時は気にならかったが。
防水対策ちゃんとしよ。
イワナは期待したけど釣れなかった。歩いている間も魚影が全く見えなかったし、もう少し上流に行かないと釣れないのかな?
天場はとてもよい場所だった。優良物件。薪は少なかったけど何とか集めて焚火と酒を楽しんだ。
最終日に2回もクマに遭遇した。
最初は登山道脇の木の上からドスンと落ちてきて笹藪に消えていった。次は林道上を親子が歩いていて自分に気が付くと脇の斜面を登って逃げて行った。 1日に2回もクマに遭ったのは初めて。
いつかは沢を詰めて稜線まで抜けてみたい、三ノ沢岳に登りたいという気持ちがますます強くなった。
クマに遭った峠
右岸の少し高台にあった優良物件。砂地で快適そう。
テン場に到着。この時だけスマホが使えたが、カメラのレンズの内側に水滴が付いていたのでこんな写真になった。
これ以降の写真はなし。
■2021年8月27日(金)~28日(土)
■ルート:
(27日)折立7:00~太郎平10:56~薬師沢左俣出合12:19~泊地13:45
(28日)泊地5:50~赤木平7:35~稜線9:24~北ノ俣岳9:41~太郎平10:54-11:21~折立14:07
■メンバー:単独
【沢の源頭部 赤木平のクリークと北ノ俣の稜線】
実は今年のGW後半から不調に陥りしばらく山から離れていたのだが、少しづつ調子が上向いてきつつあるので、そろそろ動き始めようかと思う。
さて、夏休みといえばソロの沢旅だ。
本来は、昨年一昨年と続けた「八幡平の沢旅」第三弾の計画を温めていたのだが、コロナの感染拡大でやむなく断念。今の状況では新幹線を使ったり温泉宿に泊まったりは難しいだろう。
代替案として、近場で癒しの沢はどこかと考え、北アルプス黒部源流の薬師沢左俣に行くことにした。
薬師沢左俣は過去に一度遡行している。記録を付けていないので定かではないが、およそ30年前に友人と二人で遡行している。その時に触れた草原の中に小川が流れる赤木平の清冽な風景が強烈に記憶に残っている。
また、上流部の赤木平には2009年4月29日に山スキーで北ノ俣岳から独りで滑り降り立った。真っ白な赤木平から赤木沢源頭部を横断し中ノ俣乗越を経て黒部五郎岳まで足を延ばしたのだった。
コロナと無縁な一人沢旅。二日間とも快晴に恵まれ、心身ともに大いにリフレッシュできた。
【27日(金)】
午前2時半に自宅を出発。糸魚川から北陸道に乗り立山IC経由で有峰林道の亀谷連絡所に5時半に到着。6時にゲートが開くが既に15台位が順番待ちしている。折立の正規駐車場の狭いスペースに何とか軽トラを停めることができた。
素早く準備をして出発。
折立から太郎平まで、久々の山行と久々の1泊装備、加えて強烈な陽射しに苦しめられながら何とか4時間弱で登りきる。
太郎平小屋はコロナの影響か閑散とした雰囲気だ。薬師峠へは行っていないがテント場は混んでいたのかな?
小屋を後にして薬師沢本流へ下る。この道は木道が完璧に整備されていて、昔誰かが「薬師沢小屋までMTBでいけるぜ」って冗談を言っていたが、今回歩いてみて木道はかなり撤去されていると感じた。
この夏の長雨で沢の水量が気になっていたがどうやら平流の感じだ。
登山道の第三徒渉点の薬師沢左俣の入口に到着。
ここからいよいよ沢旅のスタートとなる。
しばらくは平凡なゴーロ歩きだが魚影が走るようになったところでテンカラを振ってみる。早速イワナが飛び出してきた。黒部イワナとの再会。チビちゃんばっかりだが元気な黒部イワナに遊んでもらった。
しばし歩いて右岸の適地にツエルトを設営。下地が少し湿っぽいのと傾斜があるのとで快適性は今一つだが贅沢は言えない。
しばらくボーっと過ごして夕刻を待ってからイワナちゃんと遊びに上流へ向かう。リリースサイズばっかりだがポンポン毛鉤に喰いついてきて楽しい。十分満足して泊地へ戻る。
【28日(土)】
朝6時前に泊地を出発、ほどなくゴーロ帯は終わり滝が連続して現れるようになる。
この滝は右側の草付帯を高巻く。
すぐにゴルジュが目に入る。どこから巻くかな?
左側を一段登ってからヤブの中を巻いて無事クリア。
一つ一つの滝をルートファインディングしながら登るのが楽しい。
巻き終わって下を覗く。
一番大きい二段の滝。下段は左の岩を登り草付のバンドを左上する。灌木に懸垂用の捨て縄が残置されていた。
この沢は赤木沢を登った後の下降にも使われるらしい。
上段も左から巻き。
その先もしばらく滝が続くが快適に登れる。
最後の滝
最後の滝を登ると急に流れが穏やかになる。
おや、あの陽が射しているところは?赤木平の入口の予感。
やはり。。。
来たぁぁぁ~!!
来ました!!
広大な草原の真中を穏やかな小川(クリーク)が流れている。
癒しの別天地「赤木平」
この場所を一人占めできる幸せ。
ここは自分にとって天国のイメージ。
この清らかな流れが約1kmに渡って続く
この時のために残しておいたバーボン(中身はジャック・ダニエル)を取り出し、クリークの冷水をチェイサーに飲ります。
これで本当に天国に行ける(笑)
すっかり気持ちよくなって少しづつ高度を上げていく。
水晶や雲ノ平、鷲羽など黒部源流の山々が見える。
黒部五郎だ。
藪漕ぎもなく稜線に到達。赤木平を俯瞰する。
北ノ俣岳を通過
薬師と赤牛を見ながら稜線を歩く。太郎平までが意外に長く感じる。
神岡新道分岐。道は結構荒れているらしいけど。
黒部五郎を挟んで遠く左に槍ヶ岳、右に笠ヶ岳。
山肌は少しだけ秋色が。。。
最後にもう一度目に焼き付けて。
太郎平までもう少し。薬師の上にレンズ雲が出てきた。
太郎平は結構にぎわっていた。登山道に目をやると折立からの登山者が続々と上がってくる。
北ノ俣の上空にもレンズ雲。案の定、この後急速に天気は崩れて折立の下りでは小雨が降りだしたがかえって涼しくなってよかった。
■2021年8月8日(日)
■メンバー:単独
凉を求めて飛騨の某ナメ沢へ行ってきました。
朝8時前に林道ゲートを出発、造林小屋を過ぎてしばらく行ったところから入渓。
先行者はいないようです。
魚影が走ったタイミングでテンカラを振るというスタイルで。
ここは林道が横に走っているので魚はスレているようです。
リリースサイズを2匹上げて橋に着きました。
橋の上には去年の夏に苦労して集めた薪の残骸が…
(ちょっと切ない気分)
橋の少し下流の右俣を少し釣り上がってから薮藪の林道を戻りました。
帰路、造林小屋には車が数台停まっており、バーベキューをやっている人たちがいました。
どうやってゲートのカギを開けたか謎です?
そして、ゲートに着くと飛騨ナンバーや名古屋ナンバーの車が4~5台、さらに少し下にも数台と賑わっています。
釣りや沢というより、家族連れが川遊びに訪れているようですね。
■2021年7月24日(土)
■ルート:倉本登山道イザルボテ6:26~中八丁7:39~伊奈川本谷8:06~取水堰堤~1545m10:24~往路戻る~中八丁12:57~イザルボテ13:49
■メンバー:単独
最近、とある国家資格を取得するため図書館に籠って勉強することがある。
休憩時間に雑誌コーナーで何気なく手に取った岳人誌に伊奈川本谷の記録あった。
「かつて登路とされた清流を遡って、源頭カールから宝剣岳へ」の見出しに目が釘付けとなり、勉強そっちのけで登山大系をしらべたりスマホの地図を眺めて半日が過ぎた。
困難な滝やゴルジュはなく、大きなプレッシャーなしにアルプスの沢歩きを堪能できる渓。
いてもたってもいられない気持ちになり、まずはその片鱗に触れてみたいという思いで独り入渓した。
木曾義仲が越えたという伝説がある古い峠「中八丁」
決して整備された道とは言えないが、とても雰囲気のある峠道。
峠を越えて沢に入るというのはなかなか趣がある。
峠から急な下り20分で伊奈川に降り立つ。
渓相はよいのだが魚影は見えなかった。中流部以降になると突然釣れるようになるらしい。
1500mにあるミニゴルジュ。左から簡単に巻ける。
1535m付近、まだ全体の1/6程度しか進んでいないが、ここで引き返す。
次はいつ本番を実行するか?だ。
■2020年9月21日~22日
■ルート:
(21日)三峡峠6:56~取水口高地8:20~二俣(西俣へ)~奥の二俣14:30(泊)
(22日)奥の二俣(左沢へ)6:20~シネマスコープ状岩壁の300m手前8:07~往路戻る~奥の二俣~9:41三峡峠15:18
■同行メンバー:M山pro
海川の西俣左沢源流部に「シネマスコープ状岩壁」という変わった名前の滝?があることは前々からY隊長から聞いていて、気になっていた。
日本登山大系6の海川西俣左沢の記録では、「シネマスコープ状岩壁は見事に展開し、これに四本の滝がかかって素晴らしい光景に息を飲んでしまうだろう」と記載されている。
登山大系は素っ気ないほどシンプルな記述だけど、その登山大系にして「素晴らしい光景に息を飲んでしまうだろう」と言わしめた海谷の「シネマスコープ状岩壁」を是非見たいと思い、4連休の後半を利用してM山proと偵察山行に出かけた。
海谷渓谷は大雨の影響か、大量の土砂流出や護岸侵食で川の様相が変わっていた。
稜線への登路、富岡新道の入口もよく分からなくなっていた。
写真は鬼が面沢出合付近。
M山proの視線の先には、鬼が面の山腹崩壊と思われる大量の土砂が本流に流れ込んでいる。
鉢山海老嵓の岩壁下を通過
二俣から西俣に入るとほどなく8mの滝が現れる。右岸から高巻く。
8m滝の落ち口から高巻きルートを覗く。(帰路撮影)
ここまで魚影は見なかったが、8m滝の先で魚が走るようになったのでテンカラを振ってみる。
1匹良型がかかったが、かかりが浅くてバラしてしまった。その後アタリなし。
沢がゴルジュの様相を呈してくると15m滝が登場する。この滝が厄介だった。
まず、滝の右側が登れそうな気がしたので取り付いてみたが、上部は手掛かりのないスラブ状で手ごわいため無理せずにクライムダウンする。(後で分かったが、仮にここを登っても反対側の滝の落ち口付近がつるつるでかなり悪そうな感じだった。登らなくて正解)
気を取り直して右岸から高巻くが、かなり高いところまで岩盤に阻まれ苦労する。
一度岩にぶち当たったため、ルート修正で仕方なく懸垂で降りてから登り返したりとかなり時間を食ってしまった。
高巻きの下降(帰路撮影)
最後の15m滝が魚留のようで、その先は全く魚影がなかった。
右沢と左沢の出合、奥の二俣にベースを設営する。(標高1070m)
右に見えているのが右沢、2008年6月に残雪に埋まった右沢を遡ってシゲクラ尾根の大曲に抜けたことがある。
夕飯は焼肉。100均で買った脚がついている網は焚火の上で使いやすい。
標高1070mと低いが虫は全くいなくて快適だった。
翌朝、広い河原となっている左沢を進む。
右岸から30m滝が落ちている。
ちょっとした小滝もあっておもしろい。
両岸の岩壁が高くなり、この先から曲り淵というゴルジュ帯に突入する。落石で埋まった渓を進む。
地図上ではシネマスコープ状岩壁まで300mの地点に迫った。
奥に三角の大きな岩壁が見える。もしやこれがシネマスコープかと思ったが、地図を見るとシネマスコープ状岩壁は谷を右に回り込まないと見えないようだ。
先に進みたかったが、写真のこの滝、右も左もオーバーハングしていて登るのに時間がかかりそう。
これから引き返す時間を考えるとタイムアップ。ここを最終到達点とする。
今回は残念な気持ちもあったが、海谷の最奥部の一端に足を踏み入れることができたという点では満足している。
海谷に足繁く通っている自分としては、シネマスコープ状岩壁を突き抜けて金山の山頂に至ってみたいという気持ちはある。
しかし、この曲り淵のゴルジュ帯からしばらく先は高巻きができないので、ハーケン等を使った岩場のルート工作が必要になると思われる。そう容易くは登らせてもらえないだろう。