■平成22年5月3日~6日
■同行メンバー:ようさん
毎年恒例?の山オヤジ2名のGWプチ遠征。今年は高速料金千円の恩恵にあずかれるうちに遠出をしようということで、東北ツアーを計画した。目的地は(勝手な思い込みだが)山スキーヤーなら一度は行かねばならない鳥海山&月山だ。
■移動日(5月3日) 3月下旬から4月にかけての1ヶ月間は諸々の事情が重なり、全く山に行くことができなかった。そのストレスもあったのか、ゴールデンウイークに入った途端、不覚にも風邪をひいてしまった。まあ山に行けば風邪も治るでしょうと、万全の体調とはいえない状態でジムニーに荷物を満載して自宅を出発した。しかし出発直後、携帯で4日の天気予報をチェックすると山形・秋田県はなんと雨マーク。急遽予定を変更して、サブプランで用意しておいた越後駒ヶ岳へ転進することにした。文明の利器を最大限活用する。この作戦は大当たりだった。小出IC近くののスーパーマーケット「原信」で八海山のワンカップとビールとつまみ、ついでにパブロンゴールドを購入して入山口の銀山平に向かう。ちなみにこのスーパー原信だが、八海山が地元価格の2千円で販売していた。そのほか諸々のおいしそうな地酒に目が釘付けになり、ついつい麒麟山も買ってしまった。銀山平の駐車場でテン泊。小宴後、就寝。
■越後駒ヶ岳(5月4日) ■ルート:銀山平石抱橋5:05~北ノ又川左岸~道行山6:51~小倉山~駒ヶ岳山頂12:37~小倉山~明神峠~銀山平石抱橋14:56
夜中2時半ころ、静かだった駐車場に続々と車が入ってくる。ここはどうやら釣人達の集合場所になっているようだ。皆さんテンションが高く、寝ている我々にとってはたまらない。入山口の石抱橋から北ノ又川左岸沿いをダラダラとしばらく進み、道行山の支尾根に取り付く。地図には記載がないが登山道もあるようだ。後で道行新道であると知った。
(道行山への支稜から駒ヶ岳を望む。まだ先は長い)
ここまで数箇所雪消えで板を脱いだ。主稜線の明神尾根に出ると先行の単独行が見える。どうやら駒温泉から上がってきたようだ。
天気は高曇りだが視界はバッチリ。暑くなくてちょうど良い。
(小倉山から山頂まで山スキー向けの広い尾根が続いている)
途中、下山してくる1パーティーとすれ違う。駒の小屋に泊まっていたという。このほかすれ違ったのは単独行のみでとてもゴールデンウイークとは思えない静かさだ。どうやらサブプランは正解だったようだ。山頂直下の駒の小屋はきれいで水がとうとうと流れていた。すばらしい小屋だ。いつか泊ってみたい。
(駒の小屋)
小屋から真っ白なカール状の地形を30分ほど登って山頂到着。越後三山、平ヶ岳、会津駒、利根川源流の山々などを見渡しながら、この山の奥深さをかみしめる。山頂からの滑降は、ザラメの快適な雪質を楽しみながら一気に道行山の手前まで滑る。
(まずは山頂からカール状を小屋まで一滑り)
ここからの明神峠まではアップダウンが多くシールを付けたまま進むが、稜線上の雪が割れている箇所が頻繁にあり、担ぎを余儀なく強いられ、かなり消耗する。明神峠から東側に降りるとすぐに通行止めの車道に合流し、適当にショートカットしながら駐車場所に戻る。温泉後、鳥海山を目指して一路高速を北に向けて飛ばす。途中、酒田市内のすきやで牛丼を食べてから、鳥海山の麓の遊佐町で今夜のお宿を探す。下界で快適なビバーク地を見つけることは結構大変なのだが、ようさんの動物的(ホームレス的?)感覚で海の近くの素敵な某公園を見つけて早速ビバーク。今夜は潮さいを聞きながら優雅に眠れるかと思いきや、明け方テントの近くで海鳥がギャーギャーと騒ぎ出し安眠を妨害された。ちなみにようさんはこの騒ぎに全く気付かず爆睡していた。おそるべし。
■鳥海山(5月5日) ■ルート:鳥海ブルーライン大平付近の駐車場8:30~御浜小屋10:15~千蛇谷~鳥海山(新山)13:35~往路戻る~駐車場15:15
(御浜小屋から鳥海山)
鳥海山ブルーラインの通行は午前8時から午後5時まで。鳥海山を日帰り往復するのに8時の開門は結構厳しい。駐車スペースに到着すると既に多くの老若男女のスキーヤーが準備中であった。昨日の疲れが抜けきれないオヤジ2名は薬物(栄養ドリンク)を注入して、斜面を登り始める。この斜面、ゲレンデの初心者コース程度のメローな傾斜がどこまでも延々と続いているのだが、山体のスケールが大きく、なかなか遠近感がつかめない。
天気は晴れ。鳥海山は気象条件が厳しく、初見参で好天に恵まれるのは本当にラッキーというべきだろう。眼下の日本海は霞んでいたが、海風を感じながら雪の斜面をひたすら登る。御浜小屋を経て千蛇谷に入る。
(千蛇谷を登る)
相変わらずのメローな斜面が延々と続き、最後は急斜面の一登りで外輪山の一角である新山の山頂に到着する。
(新山の山頂から千蛇谷を見下ろす。)
どうやら我々が本日の最終登頂者のようだ。大半の人は山頂まで行かず、手前で引き返している。さてさて、ゲートが締められる前に下山しなければならない。さもなければ翌朝8時まで監禁されてしまう。
(千蛇谷の滑降)
(貸しきり状態だった。)
延々と続く快適ザラメ斜面を滑ってあっという間に終了。ゲートの閉鎖時間には余裕で間に合い、温泉に入ってから新潟に向けて高速を南下する。今日くらいは公園ビバークではなく布団でぐっすり眠りたい。ホームレスライフも2泊で挫折。携帯検索サイトから新潟駅ちかくの某ビジネスホテルを予約した。格安のお値段である。チェックイン後、近くの居酒屋でささやかな打ち上げをする。酒の苦手なようさんはカシスオレンジで、勿論私は新潟の地酒で、今回の成功を祝って乾杯。新鮮な刺身をつつきながらひと時を過ごす。翌6日は、昼過ぎに信州に到着。猛烈な暑さに辟易する。豊富な残雪もこの暑さでどうなってしまうのか。もう少し遊びたいのに。