秋の大型連休のアルパインクライミング、第2戦目は念願の北岳バットレス4尾根へ。
マッチ箱をバックにリッジを登る、ようさん&SK専務。
■平成21年9月22日、23日
■同行メンバー:ようさん、SK専務
■ルート:
(22日)広河原11:15~白根御池小屋13:47
(23日)白根御池小屋3:30~バットレス沢出合~bガリー大滝下5:19~第4尾根取付き6:30~北岳山頂10:30~白根御池小屋12:15~広河原14:30
いつかは行きたいバットレス。一度は行きたいバットレス。
まあ、そのうち行くでしょうと思いつつ、計画が実現するまで随分長い時間が経ってしまった。
今回登るのは、日本の由緒正しきアルパインルートの定番である、バットレス第4尾根。
標高3000mのクライミング、そしてなんと言っても、北岳山頂直下に突き上げているのが最大の魅力だ。
しかしこのルート、人気があるゆえにシーズン中は大混雑、大渋滞でも有名なのだ。
なんとかその日1番に取り付きたいと考え、皆が帰るであろう5連休の最終日、23日に計画実行とした。
目論みは見事に当たった。
先行パーティーもなく、その日1番で取り付くことができた。
後続1パーティあったようだが、ほぼ貸切状態で静かなバットレス登攀を満喫することができた。
(22日)
芦安市営駐車場10時30分の乗合タクシーで広河原へ、そこからベースとなる白根御池小屋まで、2時間半の行程だ。
テント泊装備とクライミングギアでずっしりと重いザックを担ぎ、喘ぎながら樹林帯の急登を歩く。
そういえば、この登りは高校2年の夏山合宿で北岳から塩見岳を縦走した時以来なのだった。
もう30年近く昔の話だ。
今よりはるかに重い荷を背負っていたと思う。肩に食い込むキスリングに腕が痺れ、辛さを紛らすため好きな音楽を頭の中で鳴らしながら歩いていたことを鮮明に思い出した。
あの時の自分と今の自分、歳はとったけど山に向かう気持ちは変わっていないのだろうか?
白根御池のテント場に到着。
やはり空いていた。
暗くなるまでの時間、ビールを飲んだり昼寝したり、思い思いに過ごす。
(23日)
3時半に出発。
暗闇の中、久々のヘッドランプ歩行で大樺沢二俣から左俣に入り、40分ほどでボルダーのあるバットレス沢の出合に到着。
これを詰めて、30分ほどでバットレスの下部岸壁であるbガリー大滝下に到達した。
この頃ちょうど明るくなり、ロープを結んで登攀を開始する。
bガリー大滝1ピッチ目。
2ピッチでbガリーを抜け、一旦ロープをほどき、4尾根の取り付まで緩傾斜帯をトラバースする。
想像していたより長い歩きを終えると、岩に「4」と赤ペンキで書いてある取り付きに到着。
1ピッチ目は出だしのクラックが核心。
痛いフットジャムをきめて突破する。
2ピッチ目の階段状のフェース。
3ピッチ目
4ピッチ目。大樺沢を眼下に高度感のあるクライミングを楽しむ。
5ピッチ目。
出だしの垂壁は、4尾根の2つ目の核心部。
フリークライミングの楽しさが味わえる。
5ピッチ目の垂壁を抜けると、高度感のある超快適なリッジとなる。
ボチボチ始まった紅葉を眺めながらの登攀は爽快。
このピッチの終了点がマッチ箱の頭である。
マッチ箱の頭からコルまで懸垂下降20m。
6ピッチ目は、マッチ箱をバックにリッジを登る。
このころからガスが上がってくる。
7ピッチ目は枯れ木テラスを越え、簡単なスラブを50mいっぱいに伸ばし、適当なところでピッチを切る。
この上、簡単なスラブ帯が続くが、問題なさそうなのでここで登攀終了とする。
スラブ帯から草つきの踏み跡に入り、意外に長くてきつい急登を30分ほどで頂上直下の稜線に飛び出した。
山頂で記念撮影。
すっかり濃いガスに覆われていた。
下山は、肩の小屋から草すべりを経て御池小屋へ、休みもそこそこにテントを撤収して広河原に14時半に到着。
予定よりも大幅に早く帰路につくことができた。