山遊びの日々

山スキー、沢登り、クライミングの備忘録

安房山

2011-03-27 21:40:24 |  山スキー

■平成23年3月27日(日)
■メンバー単独
■ルート:平湯温泉アカンダナ駐車場ゲート6:50~旧国道~安房平~2165m峰西尾根~安房山11:16~(安房山西尾根滑降)~小船~安房峠13:00~安房平~旧国道~アカンダナ駐車場ゲート14:06

震災後しばらくは山に行く気も起らなかった。

ようさんは地震直後から被災地に赴き救助活動を行っている。
高校生の娘は学校の有志と駅前で募金活動をしている。
何もできない自分は気持ちが萎縮するばかりだ。
しかし経済を回していくために、被害に遭わなかった我々は、被災地に負担をかけないよう配慮しつつ、なるべく普段どおりの生活を続けることが大切だと思う。
ということで、本日は平湯温泉から安房山を巡る周回ルートに出かけた。
安房山は信州側の中の湯温泉から何度か計画したが、宿泊者以外旅館は駐車場を使用することが難しいとの理由で断念していた経緯があった。
ならば、距離は長いが岐阜側から往復しようじゃないかと実行に移した。

いつものように平湯温泉先の冬季閉鎖ゲート前に駐車して、旧国道へのショートカット斜面を登る。
国道上で先行の3人パーティーを抜くが、安房平まで昨日のトレースがあり助かる。
安房平の先で国道が直角に左に曲がる地点で正面の尾根(2165m峰西尾根)に取りつく。

取付きはかなり急で、新雪が氷板の上に乗っかっていてスリップしやすい。
クトーをつけてしばらく登るが、途中からスキーを担いでツボ足に切り替える。
標高1900m付近から傾斜も少し緩くなり、シール歩行に戻して2100mの稜線に出る。
ここからコルへ少し滑りこんでから、安房山頂へ向けて登りだす。


コル手前から。
安房山頂上のアンテナが見えた。


山頂は御覧のとおり。
人工物乱立でかなり興ざめだ。
でも、初山頂なのでうれしい。

計画では山頂から少し尾根を北に進んだ地点から小船に向かって落ちる「小船シュート」を滑る予定だったが、今日の雪の状態では表層雪崩に要注意だ。
危険と判断してパスし、山頂から安房峠に伸びる県境の西尾根を滑ることにした。

しかし尾根上は樹林が密であまり快適とはいえない。
しかも何度か笹の落とし穴に落ちたりして、足首をひねる。
たまらず右手の沢にドロップしてしまった。


幸い雪も安定していたので、ようやく快適パウダーを楽しむことができた。


雪質はGOOD!

あっという間に滑り降りた地点は小船の西端だった。
ここから100m程度登り返して安房峠に出る。


安房峠。
積雪は3m位はあるのだろうか、道路標識に手が届く程だった。


峠から安房平に標高差300m滑り降り、ワックスを塗ってから真っ白な雪原をのんびり横断する。
あとは旧国道のトレースに合流して駐車地点まで一気に滑る。

今日はカモシカの決算セールに寄るため、温泉「平湯の森」はパスした。
しかし結局カモシカにはお目当ての品はなかった。
こんなことなら温泉行っとけばよかったわ~!

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天狗岳 東尾根

2011-03-05 17:59:37 |  山スキー

■平成23年3月5日(土)
■同行メンバー:ようさん、ナベさん、弓さん、シモさん
■ルート:Hakuba47リフト終点8:50~小遠見山~天狗岳10:10~東尾根滑走~犬川源流~白馬五竜スキー場13:20



天気は最高だった。
が、天狗岳東尾根は雪の状態が非常に不安定で表層雪崩が随所で発生した。
神経をすり減らしながらの緊張の滑降だった。

【概要】
今日は色々あった一日だった。
まず、出だしで、ちょっとしたいざこざがあった。
一ノ背髪へのラッセルで、我々の後ろにピタリとついて若者&外人のバックカントリーパーティーが登っていた。
「交替しましょう。」の一言はない。「先に行くか?」と聞くと、「行かない。」という。
いわゆる「ラッセル泥棒」だ。
たまらず二ノ背髪の手前で大休止。
無言で追い抜いて行く彼らに、ようさんが教育的指導。
相手もすかさず応戦。
バックカントリーでも山ヤでも日常の雑事から離れて山を楽しむという目的は同じはず。
お互い気持ちよく楽しむために山には山のマナーがあることを、ようさんは伝えようとしたのだった。

気を取り直して、小遠見山目指して進む。


天狗岳東尾根が見えてきた。
スッと左下に伸びるラインがそれ。


稜線上は氷結しており、クトーをつけて登る。


小遠見山のピークから鹿島槍の北壁が見えてきた。
いつかは行ってみたいカクネ里。


天狗岳山頂到着。
大休止後、雪庇横からようさんがトップで天狗岳東尾根へドロップする。
とにかく、雪が不安定なことは分かっていたので、一人づつ間隔をあけて滑ることにする。

次のセクションは、私がトップで小ピーク下の急斜面をこなして、下で待機する。
2番手のナベさんが斜面に入ったところで、上部でクラックが入り、雪崩発生!ナベさん流される。

下にいた自分も流されると思い、とっさに身構えるが、幸い足が埋まった程度でなんとか持ちこたえることができた。

ん~、これはやばいぞ!


雪崩れた斜面。上部に見える破断面は40cm程度か。
氷板の上に乗っかった新雪が雪崩れた。
登りで新雪の下に弱層があるのは分かっていたが、比較的安定していると思っていたのだが・・・。

気持ちを落ち着かせ、尾根上を忠実に慎重に降りていく。
しかし、尾根上を滑っていても、人的衝撃が伝播し、目の前で尾根の両側(北面、南面)がバシバシ雪崩れていく。

これまでの経験で、これほどの超不安定斜面は初めてだ。

下部に行けば傾斜も緩くなる。
もうここまで来たら下るしかない。

斜面への衝撃をできる限り少なくするため、ソフトに、直線的に滑る。


標高1300m位のところで、傾斜も緩み、雪も安定してきた。
この辺でようやく滑りを楽しめるようになった。

なんとか犬川の源流まで降りてきた。
しかし、谷の両壁からの雪崩が怖いので気は抜けない。

地図上1034の堰堤を右岸から巻き、さらにその下で左岸に渡渉。
その間にも2回、上から雪崩が落ちてきた。

谷が広くなり、安全地帯に入るとどっと疲れが出た。
あとは、五竜スキー場に合流して終了。
本当は、一ノ背髪村尾根をもう1本やる計画であったが、当然中止となった。

白馬乗鞍スキー場では、テレマークのイベント「テレまくり」をやっていたが、こっちは「ダレまくり」の一日だった。(苦笑)

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