時給500円でした。
大学時代、家からの仕送りだけでは生活が苦しかったので、入学早々にアルバイト先を探し、レストランで働きました。
そのレストランは深夜2時まで営業しており、大学での講義やサークル活動後、バイトに入り、深夜までバイトをし、5時間ほどの睡眠をとり、あくびをしながらの通学を繰り返していました。
レストランでのバイトの最大のメリットは、食費をうかせることができるということです。
もちろん、まかないとはいえ無料ではありませんでしたが、1食150円でご飯は腹いっぱい食べることができました。
今でも忘れられないのが、毎週日曜日のカレーです。
日曜日は、客数が増えるので手間のかからないカレーが、朝一に鍋いっぱい作られ、私がバイトに入る頃には朝からずっと煮込まれて旨みの増したカレーになっていました。
さらに調理中に出た食材の切れ端が、次々に鍋に投げ込まれており、おたまで鍋をかき回すと・・・小さいハンバーグや肉がゴロゴロと出てきました。
どんぶりにご飯を押し固め、その上からゴロゴロルーをたっぷりかけます。
どんぶりからルーが滴り落ちるのを指ですくいながら、休憩室でガツガツ絶品カレーをほお張っていたのを懐かしく思い出します。
そのレストランでのバイトは4年間続け、貧しい学生生活ではありましたが、食べることには困らず卒業することができました。
何よりバイト先の人間関係に恵まれ、店長をはじめ同僚のバイト仲間とは、バイト以外でも様々な活動を楽しみ、大学では学ぶことのできない、社会人となる前の心構えを教えてもらいました。
卒業前には店長から
「このまま店に就職してもいいぞ!」
と有り難い誘いを受けましたが、丁寧に断り福祉の道を進みました。
バイトを辞めるときの時給は、1050円になっていました。