ユリノキの咲きがら
『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』
2012年にノーベル医学・生理学賞受賞。
見た目カッコ良いし、フルマラソンも走るし、話し方もユーモアあるし、何しろ関西人のノリで朗らか。過去の日本人ノーベル受賞者は名前も印象も忘れてしまってるけど、山中伸弥さんはだれでも覚えてるでしょう。
受賞の知らせは自宅で洗濯機を修理中?でしたっけ。
受賞するまでの研究やiPS細胞について新聞やニュースでずいぶん解説されたけど、結局、iPS細胞ってなんやの?という感想を持つのが凡人で…
もう一度改めて、おさらいしてみたいので読んでみた。
iPS細胞という名前はその頃話題になった音楽プレーヤーiPodからの連想で付けられたのは有名な話である。
研究では第一発見者が付けた名前より、第二発見者が命名した呼び名が採用されてしまうこともよくある話なので、とにかく印象に残る名前を付けようとしたと。
整形外科の臨床研修医としては、手術に時間がかかり過ぎて「じゃまなか」と呼ばれ、以後、「やまちゅう」、アメリカの研究所では「シンヤ」と変わっている。
研究者がただ研究だけやっていてもダメで、いかに適格な発表を行えるかのプレゼン力が大切なこと、ポインターをくるくる動かしてはいけない、など、初歩的なこともアメリカで学んだ。
アメリカでの英語会話部分やつぶやきも大阪弁翻訳になっていて、可笑しくて親しみがわく。
「あんたのマウスがいっぱい妊娠してんねん」それもオスのマウスが妊娠??
私も大学4回生のときにほんの少しだけマウス実験したことがあるので、リアルに状況がわかる。
お医者さんではあるけど、遺伝子を調べる検索のためのコンピュータープログラムを自分で作ろうという工学部要素も持ち合わせ、京大再生医科学研究所に移ったときは、エアコンも故障中の空っぽの部屋を研究室にするために一から奔走したり。
全ては自分一人の力ではなく、「足を向けて寝られない人がたくさんいるのです」謙虚ですねぇ。
重圧や逃げ出したくなることがあっても、難病の患者さんはもっとツライのだから、
「人の役に立ちたい、iPS細胞の医学応用を実現させたい」。
と、現在は京都大学iPS細胞研究センター長として、国内はもちろん、世界中を駆けずり回って、一人の研究者というよりは総合プロデューサー的手腕で活躍されている。
私たち聴力を失った者には、内耳の蝸牛の損壊した聴覚毛細胞を新しく移植して聞こえを取り戻すという再生医療については、10年も前から耳鼻科の教授からも聞いていた。
「理論的には可能なことはいずれ必ず実現する」山中先生の言葉である。
で、結局、iPS細胞(人工多能性幹細胞)って?
ES細胞(胚性幹細胞)と異なり、受精卵を用いずにさまざまな組織に分化する可能性を持つのがiPS細胞。
読めばもっとわかる。とてもわかりやすいです。