『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1343

2018-08-08 07:59:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オキテスがドックスに気にしている件を口にする。
 『はい、出来ています。今日は多忙です。朝の始業朝礼に同席してもらいます。パリヌルス隊長も同席願います』
 『おう、了解!出席する。おう、ところでドックス棟梁、今日、午後イチに新々艇の詳細を打ち合わせしたい。都合は?』
 『よろしいです。解りました』
 立ち話が終わる、三人は浜で別れる。
 オキテスは、建造開始式を終えて気持ちが落ち着いてきている。
 彼はこれからの懸案である営業計画の思案、段取りを考えている。今夕にはオロンテスと打ち合わせを終えて、実行予定を組みあげようと考えている。
 9月の生産艇数、10月生産予定の建造艇数の受注を目指し、11月の建造予定艇数を考えねばならない。出来ることなら11月の建造予定艇数をも受注結果としたい。
 欲の深い営業計画を思案している。
 『おう、果せるかな?』『希望に対して、でっかい欲望達成水準かな?』 タヌキの皮算用の身の程知らずの欲の深い結果を思い描いた。
 アエネアス、イリオネスとのこの件に関する話し合いで、どのような営業計画になるかを懸念する。
 過ぎたる望み、過ぎたる実行、それであって、望む結果にほど遠い達成結果、またまた、過ぎたる結果達成でうれしい悲鳴をあげてみたい。
 『これの達成方法を知っている者がいるなら教えてくれ』と大声で叫びたい。また、そうではなく、一歩退いて、謙虚にヒタッヒタッと業務を進めるかを考える。
 彼はあれやこれやを思案し考える。
 描いた実行計画、展開する営業活動、獲得する成果をまぶたの裏に描く。
 主役は俺であり、軍団長のイリオネスである、これまでの経験を通して活き活きとした営業活動情景が想いうかびあがる。
 彼は、過ぎた欲をのぞまない限り、なんとなく望む成果を結果とすることができる予感を感じる。
 ここは営業の責任担当として、プラスアルフアの活動実行を心がけるとする。
 ドックスがオキテスを呼びに来る、いよいよ建造開始の時である、オキテスはパリヌルスに声をかける。
 『おう、パリヌルス、行こう!』
 『おう!』
 建造の場には、四基の船台に向かって、38班に及ぶ建造に携わる者らが整列している。責任担当する現場ごとにグループでもって隊列を整えている。
 場に建造開始の始業朝礼の気が張り詰めている。
 ドックスがオキテスに声をかける。
 『オキテス隊長、メッセージを願います』
 『おう!』
 起ちち台が準備されている、オキテスが起ち台にあがる、一同に向かって起つ、一同を見廻す。
 第一声に何を言おうかと考えながら彼らと目を合わせた。


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