夕食の場が宵のとばりに包まれていく、食材を焼いた焚火のシマの火も燃え尽きようとしている。
彼ら一同は、したたかに夕食を楽しんだ、よく飲み、よく食べ、心ゆくまで楽しんだ夕食会、彼らについて特筆できるのは、節度を踏み外すことなく夕食会を楽しんだことである。二、三の事例二は目をつむるとして、民族として節度を守って夕食会を終えたことである。
彼らの夕食会は終わった。
アエネアス暦9月2日の朝が明ける。
朝行事の浜はにぎわっている。彼らが交わす話題は、もっぱら昨夕の夕食会のことである。交わす朝の挨拶が活き活きとしている。
アエネアスとイリオネスが浜で出会う、朝の挨拶を交わして立ち話に及ぶ。
『統領、昨夕の食事会で言われた四位一体構想について談話会をやる必要がありますな』
『そうか、この事態に関する一部の者を集めて談話会をするとするか』
『私が談話会の招集と世話を引け受けます。昨日、今日と、そして、テカリオンに戦闘艇の引き渡しを終えるまでは何かと多忙です』
『了解した。そのあたりのことはお前に任せる』
話し終えて、イリオネスは、父アエネアスに手を引かれているユールスの顔をのぞき込む。
『おう、ユールス、たくましくなったようだな。一度、手合わせをしよう』
『今日この頃、訓練場に入り浸っている。リナウスの指導が身についてきているようだ』
『武に通じて、兵法を知り、政りごとを知る。俺と一緒にいて親に似てくれてもどうかと考えられる。明日にでも訓練場に一緒しようか?』
『そうですね。明日の午後にでも、その時間を作りましょう』
話し終えて三人は、互いの宿舎に向けて歩みだす。
波打ち際では、パリヌルス、オキテス、ドックスの三人が立ち話を交わしている。
『建造開始式だが、あそこまで本格的になるとは予想もしなかったな』とパリヌルスが言う。
『そうだな、客人がそろい、儀式用のいけにえが贈られるとは、考えていなかったからな。いけにえのくくり綱を手渡されたとき、俺は覚悟した』とオキテスが言う。
『ほう、どう覚悟したか言ってみろ!』
『これは、やるしかないと腹を括った』
オキテスは二人の顔を見る。
『そこはそれだ!テムノス方、パキオテ方へ新艇を納入した折に彼らの船の進水式を見てきておる。即興的なのだな。それに倣ったまでだ』
『ほう、そうか。それにしてはよくできていたな。感心感心というところだ』
パリヌルスがオキテスを誉める。
『ところでドックス、今日の段取りはできているのか?』
彼ら一同は、したたかに夕食を楽しんだ、よく飲み、よく食べ、心ゆくまで楽しんだ夕食会、彼らについて特筆できるのは、節度を踏み外すことなく夕食会を楽しんだことである。二、三の事例二は目をつむるとして、民族として節度を守って夕食会を終えたことである。
彼らの夕食会は終わった。
アエネアス暦9月2日の朝が明ける。
朝行事の浜はにぎわっている。彼らが交わす話題は、もっぱら昨夕の夕食会のことである。交わす朝の挨拶が活き活きとしている。
アエネアスとイリオネスが浜で出会う、朝の挨拶を交わして立ち話に及ぶ。
『統領、昨夕の食事会で言われた四位一体構想について談話会をやる必要がありますな』
『そうか、この事態に関する一部の者を集めて談話会をするとするか』
『私が談話会の招集と世話を引け受けます。昨日、今日と、そして、テカリオンに戦闘艇の引き渡しを終えるまでは何かと多忙です』
『了解した。そのあたりのことはお前に任せる』
話し終えて、イリオネスは、父アエネアスに手を引かれているユールスの顔をのぞき込む。
『おう、ユールス、たくましくなったようだな。一度、手合わせをしよう』
『今日この頃、訓練場に入り浸っている。リナウスの指導が身についてきているようだ』
『武に通じて、兵法を知り、政りごとを知る。俺と一緒にいて親に似てくれてもどうかと考えられる。明日にでも訓練場に一緒しようか?』
『そうですね。明日の午後にでも、その時間を作りましょう』
話し終えて三人は、互いの宿舎に向けて歩みだす。
波打ち際では、パリヌルス、オキテス、ドックスの三人が立ち話を交わしている。
『建造開始式だが、あそこまで本格的になるとは予想もしなかったな』とパリヌルスが言う。
『そうだな、客人がそろい、儀式用のいけにえが贈られるとは、考えていなかったからな。いけにえのくくり綱を手渡されたとき、俺は覚悟した』とオキテスが言う。
『ほう、どう覚悟したか言ってみろ!』
『これは、やるしかないと腹を括った』
オキテスは二人の顔を見る。
『そこはそれだ!テムノス方、パキオテ方へ新艇を納入した折に彼らの船の進水式を見てきておる。即興的なのだな。それに倣ったまでだ』
『ほう、そうか。それにしてはよくできていたな。感心感心というところだ』
パリヌルスがオキテスを誉める。
『ところでドックス、今日の段取りはできているのか?』