『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1282

2018-05-08 08:01:58 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『おう、ガリダ頭領!』
 オキテスがガリダと目を合わせる。
 『船の建造用材の発注をしたい!』
 『おう、その話か!喜んで引き受ける。了解した』
 『発注、打ち合わせの場を作る。少々待ってくれ』
 『おうっ!』
 オキテスがドックスに声をかける。
 『ドックス、ガリダ頭領と建造用材の発注打ち合わせを始める。いい場所に場を作ってくれ』
 『はい!解りました。準備ができましたら、呼びに来ます』
 ガリダがオキテスに話しかける。
 『なあ~、オキテス、こう言ってなんだが、このクレタの東地区には、船を造る良材が無いといってもいいくらいに無い。俺らがいるこの西地区には船を造る良材がある。船を造る良材の調達のことなら、このガリダに任せろ!決してお前を失望させたりはしない』
 『おっ!ガリダ言ってくれるな。それを聞いて俺は大安心だ!』
 オキテスがガリダの目をジイット見つめる。
 『我々が船を造る建造計画が出来あがった。9月の月初から仕事にとりかかる。よろしく頼む』
 『承知した。任せてくれ』
 ドックスが場を設けて呼びに来る。オキテス、ガリダ、タブタの三人が立ちあがる。
 計画を書いた木板、新しい木板数枚を手にしてドックスが先頭に立つ、話し合いの場へと足を運ぶ。
 『おう、ドックス、いい木陰ではないか。お前、準備ができているのか?』
 『はい、出来ています』
 『よっしゃ!頭領、腰を下ろしてくれ』
 『タブタ、腰を下ろせ!』とガリダが言う。
 『ドックス、建造計画を書いた木板をガリダ頭領に渡してくれ』
 『はい』
 木板を受け取るガリダ、木板に見入るガリダ、タブタが横から木板に見入る。
 『おう、見たところ今年いっぱいの建造予定というか、計画だな』
 『おう、そうだ。11月、12月の建造計画は、予定にして変更ありだが、今日、打ち合わせしたいのは、9月、10月の二か月分の建造用材だ。ドックスがその詳細を説明する。用材の納入をよろしく頼む』
 『了解した』
 『決済については、これまで通り集散所を通して決済する。それでいいか?』
 『決済方法は従来と同じということだな、了解した。建造用材の仕様と量、納入期日はドックス棟梁とその詳細を打ち合わせる』
 『おう、そういうことだ。ドックス、ガリダ頭領とタブタと建造用材の仕様と量、納入期日等の詳細を説明して打ち合わせてくれ。9月の月初には建造がスタートできるように手配をする。いいな』
 『解りました』
 ドックスとタブタが首っ引きで話し合う、細部にわたって真剣に打ち合わせる。
 その光景をオキテスとガリダは注意深く見つめていた。


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