『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

[Remembrance of Aeneis] Ⅳ To founding land of nation  『建国の地へ』  第2章  プトロトウムにて  49

2020-03-14 07:22:00 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスが航海しているこの時代、ヨーロッパ大陸からのびてでた、でっかい石を蹴飛ばそうとしているブーツ状の半島の地名はまだない。
 この物語でイタリアと書いているのは便宜上であることと思っていただければ幸いです。
 イタリアなる地名の発祥は、紀元前6世紀の頃ではないかといわれている。
 イタリアの南部カラブリ地方に仔牛をトーテム像として崇拝している原住の民がいたらしい。この部族が仔牛のことを『ピタリ』と呼んでいた。
 彼らは、そのいわれから[ピタリ人]と呼ばれていたのである。
 その『ピタリ』がイタリとなり、イタリアに変化していったと考えられ、その呼称がローマ人に引き継がれ、イタリア半島にすむ人々をさすようになり、この地名がイタリアと呼ばれるようになったらしい。
 後世に至って、政治的に統一された国家として、最初にイタリアの名が使われたのは、ナポレオン支配時代のイタリア共和国(1802年~1805年)(1803年イタリアの国名を使用)である。
 これが改変されてイタリア王国(1805年~1814年)となり、1861年サボイア家による統一によって、ほぼ現在の地理的範囲を持つイタリア国が成立に至ったといわれている。(出典はフリー百科事典ウイーキペデアです)

 船団は、アルバニアの海岸に沿って北上する、進行方向左手のケルキラ島を過ぎる、左手前方は大いなる海洋である。
 右手に見ていた山脈が海に落ちる、断崖である、断崖を過ぎて入江を見る、広くはない浜に船を寄せていく。
 『おう、パリヌルス、この浜だが、人気がない浜だな。入江もなんとなく深そうな海だ』
 船団の船を洋上に停船させる、船上から浜の様子を探る。
 パリヌルスは舵座の担当に水深を計らせる、報告が来る。
 『人の身の丈の4人分あります』
 『軍団長、深いですな。浜からこの距離で身の丈の4倍とは深い。崖に囲まれた入江の浜のようです。船をもう少し浜へ寄せてみます』
 パリヌルスが漕ぎの者らに指示して船を静かに浜に寄せていく、船首の船底が海底に接地する。部下の者を三人引き連れて浜に降り立つ、部下の一人に綱を結びつけて海底の状況を探らせる。
 水深に深みのある入江の浜らしい、海に入って7歩くらい進んだところから急に深くなっていると海に入った者が告げてくる、浜の近辺には人のすまいらしきものがない、崖に囲まれた小さな浜であるらしい。
 船に戻ったパリヌルスは軍団長に実情を報告する。
 陽は、海原の西の果てにさしかかっていた。


最新の画像もっと見る