アレテスは、自称、魚について詳しいというギョリダを呼んだ。
『ギョリダ見てみろ、この釣り針を、どうだ』
『あ~あ、これは新しい針ですな。私ははじめて目にします。隊長』
と言いながら釣り針のひとつをつまんで陽にかざした。
『いや、いい出来の釣り針ですね。針の大きさといい、鋭さ、かえしの出来もなかなかいい感じです。それに材質が鉄ですね。言うことなしのいい針ですな。これがどうしてここにあるのですか。しかし、あとは使ってみてのうえでの評価ですな』
アレテスはオキテスのほうを向いて言葉短く、
『隊長、遠慮なくいただきます』
彼は釣り針の入った木の箱をさしあげ頭を下げた。
『さっそく、明日の漁から使わせていただきます。釣果については、おって報告いたします』
『おう、そうしてくれるか。判った』
二人は目でうなずき合った。
『パリヌルス、話は終わった。お前、何か用事がまだあるのか。浜に戻ろう。今日は多忙だ。アレテス、大変馳走になったな、ありがとう。では頼んだぞ』
パリヌルスもアレテスに声をかけて舟艇に乗り込んだ。浜に向かう艇上で二人は打ち合わせた。
『オキテス、いいだろう、夕めし前に事をかたずけよう』
ほどなく浜についた艇から降りた二人は『では』の一言を言い残して思い思いの方向に足を向けた。
オキテスは、部下のマクロスに言いつけて、部下の中から10人余りの者を指名して集めることにした。
『おう、マクロス、俺は、広場にいる、今言った者たちを至急に集めてくれ』
指示を受けたマクロスは急ぎ動いた。時間はかからなかった。
『隊長、集まりました。1名だけ連絡がつきません』
『そうか、判った。それでいい、気にしなくていい』
『おう、諸君ご苦労。立ちっていては気が落ち着かん、腰を下ろせ。今、マクロスの手配りによって君たちに集まってもらった。君等はもう知っている思うが、俺が試しに造った『風風感知器』だが、あれを造ることになった。個数は60個が目標だ。これをやるについて、いろいろと手数もかかる。そのようなわけで『風風感知器』を造る班を編成してこれに当たることにした。判るな』
彼は一同を見渡した。
『ギョリダ見てみろ、この釣り針を、どうだ』
『あ~あ、これは新しい針ですな。私ははじめて目にします。隊長』
と言いながら釣り針のひとつをつまんで陽にかざした。
『いや、いい出来の釣り針ですね。針の大きさといい、鋭さ、かえしの出来もなかなかいい感じです。それに材質が鉄ですね。言うことなしのいい針ですな。これがどうしてここにあるのですか。しかし、あとは使ってみてのうえでの評価ですな』
アレテスはオキテスのほうを向いて言葉短く、
『隊長、遠慮なくいただきます』
彼は釣り針の入った木の箱をさしあげ頭を下げた。
『さっそく、明日の漁から使わせていただきます。釣果については、おって報告いたします』
『おう、そうしてくれるか。判った』
二人は目でうなずき合った。
『パリヌルス、話は終わった。お前、何か用事がまだあるのか。浜に戻ろう。今日は多忙だ。アレテス、大変馳走になったな、ありがとう。では頼んだぞ』
パリヌルスもアレテスに声をかけて舟艇に乗り込んだ。浜に向かう艇上で二人は打ち合わせた。
『オキテス、いいだろう、夕めし前に事をかたずけよう』
ほどなく浜についた艇から降りた二人は『では』の一言を言い残して思い思いの方向に足を向けた。
オキテスは、部下のマクロスに言いつけて、部下の中から10人余りの者を指名して集めることにした。
『おう、マクロス、俺は、広場にいる、今言った者たちを至急に集めてくれ』
指示を受けたマクロスは急ぎ動いた。時間はかからなかった。
『隊長、集まりました。1名だけ連絡がつきません』
『そうか、判った。それでいい、気にしなくていい』
『おう、諸君ご苦労。立ちっていては気が落ち着かん、腰を下ろせ。今、マクロスの手配りによって君たちに集まってもらった。君等はもう知っている思うが、俺が試しに造った『風風感知器』だが、あれを造ることになった。個数は60個が目標だ。これをやるについて、いろいろと手数もかかる。そのようなわけで『風風感知器』を造る班を編成してこれに当たることにした。判るな』
彼は一同を見渡した。