『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY            第5章  クレタ島  122

2012-09-13 06:36:51 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 到着早々である休んでいる間がないパリヌルスは、オキテス、オロンテスに声をかけた。
 『おう、お疲れ、お疲れ。オキテス、危機一髪だったな』
 『おう、あれは肝を冷やしたぜ。俺としたことが、、、ハッハッハ』
 『無事が何よりだ。それにしても素早い対応だったな。お前の操船指示の適確さだ。ところで軍団長を交えて、打ち合わせをやりたい。いいか』
 『いい、やろう。パリヌルス、お前に一任だ』
 『オロンテス、お前、時間はどうだ?』
 『ちょっとの間ならかまいません。私が軍団長を呼びに行ってきます』
 間をおかずに四人が顔を揃えた。
 『諸君、ご苦労!打ち合わせだな、始めよう』
 軍団長のひと言で打ち合わせが始まった。
 『いま、この浜に着いて早速だが、今日、このあとのことを打ち合わせておきたい。用件の第一は、これからの予定、それが決まれば、船長副長たちを集めて指示をする。第二は、このメンバーで、明日からの航海予定を簡単に打ち合わせておきたい。これには統領の出席をお願いしたい。これだけを夕食前に済ませておきたい』
 パリヌルスは。一同と目を合わせた。承諾の目線が返ってきた。
 『ところで、オロンテス『パン』つくりの作業の方は、うまい具合にいっているかな?』
 『ほぼ、予定どうりにことを運んでいます。安心してください。夕食には焼きたてのパンを全員に渡せます』
 『そうか、それはよかった。話は前後したが、オロンテス、お前がこの浜に着いたときのことを簡単に話してくれないか。状況によっては対応を考えなければならない』
 『判りました。まず、一番目の用件を済ませましょう。夕食の準備都合もあります。その件についてはそのあとで話します』