船団は朝明けの穏やかな海洋を泡立て、波を割って南下した。吹きすぎていく微風では、展帆は適当ではないと判断を下していた。
舳先に立っているオキテスは、左にナクソス島の海峡に突き出た突端と、そして、右にパロス島の海岸線が視野にはいってきた。彼は方角時板を取り出して時間経過の見当を計った。中心の棒がつくる影を見つめた。
『ふっふ~ん、これくらいか。まあ~、こんなものだろう』
デロス島の停泊地を離岸してからの時間を振り返った。今様時間で3時間くらいが経っていた。
船団は、ナクソス、パロスの両島が迫った海峡の一番狭い箇所に迫っていた。両島の間が5キロメートルくらいと想われる箇所である。彼は狭い海峡の真ん中を進むよう操舵の者に指示を出した。そうした次に、じいっと両島の浜を見つめた。
このような地勢のであったら、海の深さは深くはないであろうと想像した。真ん中を行けと言ったパリヌルスの言葉を思い出していた。
『お~い、アミクス。操舵のものに伝えるのだ。どちらの浜へも片寄るな真ん中を行けと伝えろ』
アミクスは船尾へと伝達にとんだ。
次にオキテスは両岸の浜に慎重に目を移し、状況を探った。海賊の類を探った。今のところその類の者と思われる姿は見当たらなかった。
それから、前方を進んでいく小型の漁船の帆のはらみと船速に注意を払った。帆がはらんでいる、船足が加速している。
『来たな、風だ!アミクス、アミクスっ!』
オキテスは大声をあげた。
舳先に立っているオキテスは、左にナクソス島の海峡に突き出た突端と、そして、右にパロス島の海岸線が視野にはいってきた。彼は方角時板を取り出して時間経過の見当を計った。中心の棒がつくる影を見つめた。
『ふっふ~ん、これくらいか。まあ~、こんなものだろう』
デロス島の停泊地を離岸してからの時間を振り返った。今様時間で3時間くらいが経っていた。
船団は、ナクソス、パロスの両島が迫った海峡の一番狭い箇所に迫っていた。両島の間が5キロメートルくらいと想われる箇所である。彼は狭い海峡の真ん中を進むよう操舵の者に指示を出した。そうした次に、じいっと両島の浜を見つめた。
このような地勢のであったら、海の深さは深くはないであろうと想像した。真ん中を行けと言ったパリヌルスの言葉を思い出していた。
『お~い、アミクス。操舵のものに伝えるのだ。どちらの浜へも片寄るな真ん中を行けと伝えろ』
アミクスは船尾へと伝達にとんだ。
次にオキテスは両岸の浜に慎重に目を移し、状況を探った。海賊の類を探った。今のところその類の者と思われる姿は見当たらなかった。
それから、前方を進んでいく小型の漁船の帆のはらみと船速に注意を払った。帆がはらんでいる、船足が加速している。
『来たな、風だ!アミクス、アミクスっ!』
オキテスは大声をあげた。