オキテスは、レムノス島の東海岸に寄港地を考えていた。彼はこの考えを捨てた。改めて、一夜の寄港地点島の南部にある湾内にはいることにした。天候が変わり、海のあれを危惧したのである。
殿りを航行している一番船のパリヌルスは、この季節の有する天候の変化とうす雲に陽のかげるのを懸念していた。彼は進路変更によってオキテスが航法を変換したことを解していた。これにより天候の変化に備えて航行し、予定した寄港地の変更もありうることを感じ取っていた。
この航海は建国に向けて船出した、一国の大事であり、極力、危難を避けなければならない。彼は、オキテスの採用した方策、その周到な事の運びに安堵していた。
進路を変更した後も船団は、少々船速を落としはしたが風に押されて順調に航行していた。とはいうものの右舷斜め後方から受けるカタチになった風の影響を受けてレムノス島の沿岸に近づきつつあった。レムノス島の東海岸の遠景を見ながら南下する船団のことを思案した。
彼はアミクスを呼んだ。
『アミクス、船長に緊急連絡信号を発信するのだ。信号内容は『島に近づかないように操舵操作をせよ』だ。判ったな』
『判りましたっ!』
アミクスは、即、発信に取り掛かった。
オキテスの気がかりは風のことであった。空模様を見る限り、着港までは雨の心配はする必要がないと判断していた。風の強さを察知するのに波の大きさ、波頭の飛沫の状態の観察を怠らなかった。また、沿岸との距離間隔をどれくらいに保って航行を続けようかと思案した。
彼の心配は、風向きが気になってきていた。
殿りを航行している一番船のパリヌルスは、この季節の有する天候の変化とうす雲に陽のかげるのを懸念していた。彼は進路変更によってオキテスが航法を変換したことを解していた。これにより天候の変化に備えて航行し、予定した寄港地の変更もありうることを感じ取っていた。
この航海は建国に向けて船出した、一国の大事であり、極力、危難を避けなければならない。彼は、オキテスの採用した方策、その周到な事の運びに安堵していた。
進路を変更した後も船団は、少々船速を落としはしたが風に押されて順調に航行していた。とはいうものの右舷斜め後方から受けるカタチになった風の影響を受けてレムノス島の沿岸に近づきつつあった。レムノス島の東海岸の遠景を見ながら南下する船団のことを思案した。
彼はアミクスを呼んだ。
『アミクス、船長に緊急連絡信号を発信するのだ。信号内容は『島に近づかないように操舵操作をせよ』だ。判ったな』
『判りましたっ!』
アミクスは、即、発信に取り掛かった。
オキテスの気がかりは風のことであった。空模様を見る限り、着港までは雨の心配はする必要がないと判断していた。風の強さを察知するのに波の大きさ、波頭の飛沫の状態の観察を怠らなかった。また、沿岸との距離間隔をどれくらいに保って航行を続けようかと思案した。
彼の心配は、風向きが気になってきていた。