この時代の船は、大きめの横帆で海上を帆走している。この頃はまだ横帆と操舵による操船技術は完成の域には達していない。船長は、多くの経験の中から事例を思い起こして、対処していたのである。また、船舶、帆、帆柱も変化するあらゆる情況に対応して操船できる構造とはなっていない、まさに原始の船であった。
船団の各船の船長でも一番船のパリヌルス、二番船のオキテス、四番船のギアス、この三人は経験も多く、その操船技術は信頼できるが他の三船のアレテス、オロンテス、アンテウスの操船技術についてはオキテスは不安を抱いていた。それを思って、この三人に配してある副長にはパリヌルス配下の操船経験の多い者を配していたのである。オキテスは、彼らの操船技術でいけるであろうと信じた。それらのことを考えながら、南方向に航行の方向転換するタイミングを『どのあたりで』『いつ』を考え始めていた。
船上では、体感する風速がやや弱く感じる。彼は目にする事象で風向、風力を推測し推考した。横帆は風をはらみすぎる傾向があり船速を速める、その分風力の強い場合には危険度が高まる。
彼は現在の船の状態を適確に知ろうとした。
方向転換で真後ろからの風が右方斜め後ろ風となっている。斜めからの風を受けている関係で風力を逃がしている状態である。その力の衰えを漕ぎかたで補っている、それで補われているかというとそうではない。船速の落ちるのを耐え忍ぶ状態で航行を続けた。
船団の各船の船長でも一番船のパリヌルス、二番船のオキテス、四番船のギアス、この三人は経験も多く、その操船技術は信頼できるが他の三船のアレテス、オロンテス、アンテウスの操船技術についてはオキテスは不安を抱いていた。それを思って、この三人に配してある副長にはパリヌルス配下の操船経験の多い者を配していたのである。オキテスは、彼らの操船技術でいけるであろうと信じた。それらのことを考えながら、南方向に航行の方向転換するタイミングを『どのあたりで』『いつ』を考え始めていた。
船上では、体感する風速がやや弱く感じる。彼は目にする事象で風向、風力を推測し推考した。横帆は風をはらみすぎる傾向があり船速を速める、その分風力の強い場合には危険度が高まる。
彼は現在の船の状態を適確に知ろうとした。
方向転換で真後ろからの風が右方斜め後ろ風となっている。斜めからの風を受けている関係で風力を逃がしている状態である。その力の衰えを漕ぎかたで補っている、それで補われているかというとそうではない。船速の落ちるのを耐え忍ぶ状態で航行を続けた。