行動に移った彼らを目で送ったパリヌルスは、自分の部下たちを準備しておいた小舟5艘に配置した。
『オロンテス、アンテウス、いいか。五番船、六番船の乗船を開始する。乗船者を小船で運ぶ。直ぐやるっ!急げっ!』
『判りました。配慮、有難う』
オロンテスは短く礼を言って、即、行動に移った。
荷を船倉に積んでいる五番船、六番船は、軍船より離れて沖合いに停泊している。そのことに対するパリヌルスの配慮であった。浜ではこの地に残る者たちが、この情景に見入っていた。オキテスがパリヌルスに近づいてくる。
『パリヌルス、うまくいっているか。陽の出までには少ないが、まだ間がある。大丈夫だ。ユールス、アンキセス、アカテスは、俺が五番船に乗船させた。統領と軍団長とお前は、最後になる。よろしく頼む。舟艇は航海中のこともあるから、オロンテスの五番船に曳かせる、それでいいな』
舟艇には15人余りが乗り組んでいた。彼らの懸念は、外洋の大波に翻弄されるであろうと思われることであった。
『おっ!そこまでやってくれたか、有難う。ところで風の具合はどのようだ』
『お~お、それか。いまのところ、陽が出てからでないと判らん。期待だけかも知れん』
『判った。手漕ぎで出航だ。お前、全船に指示しておいてくれ』
『判った。それから、統領と軍団長とお前は、小舟で乗船だ。残る者たちの中から6人を波打ち際に待機させてある。以上だ。俺は行くぞ!陽の出がまもなくだ』
オキテスは緊張している、語尾が締まっていた。
『オロンテス、アンテウス、いいか。五番船、六番船の乗船を開始する。乗船者を小船で運ぶ。直ぐやるっ!急げっ!』
『判りました。配慮、有難う』
オロンテスは短く礼を言って、即、行動に移った。
荷を船倉に積んでいる五番船、六番船は、軍船より離れて沖合いに停泊している。そのことに対するパリヌルスの配慮であった。浜ではこの地に残る者たちが、この情景に見入っていた。オキテスがパリヌルスに近づいてくる。
『パリヌルス、うまくいっているか。陽の出までには少ないが、まだ間がある。大丈夫だ。ユールス、アンキセス、アカテスは、俺が五番船に乗船させた。統領と軍団長とお前は、最後になる。よろしく頼む。舟艇は航海中のこともあるから、オロンテスの五番船に曳かせる、それでいいな』
舟艇には15人余りが乗り組んでいた。彼らの懸念は、外洋の大波に翻弄されるであろうと思われることであった。
『おっ!そこまでやってくれたか、有難う。ところで風の具合はどのようだ』
『お~お、それか。いまのところ、陽が出てからでないと判らん。期待だけかも知れん』
『判った。手漕ぎで出航だ。お前、全船に指示しておいてくれ』
『判った。それから、統領と軍団長とお前は、小舟で乗船だ。残る者たちの中から6人を波打ち際に待機させてある。以上だ。俺は行くぞ!陽の出がまもなくだ』
オキテスは緊張している、語尾が締まっていた。