日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

夏日の連作7首(3~4)

2013年05月27日 | 日記
 森では、雨が土に浸み込んでいき、草の匂いが浸み出してくるという、逆向きの動きが繰り返しています。


きりさめに かすむこだちや したばえの つちにすわるる しるきみずおと

霧雨に かすむ木立や 下生えの 土に吸はるゝ 著き水音
(霧雨に小立がかすんでいる森で、雨音に耳を澄ますと、下生えの底からは、土に吸い込まれる水の音が、際だって聞こえてきました)

なつのひの あおきくさより しみいずる いのちのにおい もりにこもろう

夏の日の 青き草より 浸み出づる 命の匂ひ 森に籠らふ
(夏の暑い大気の中で、草場からは、青々とした生命の匂いが浸み出してきて、森の中に籠もっています)


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