肌寒い日と蒸し暑い日が、繰り返していて、やがて梅雨に入りそうな頃です。暑い日に森の道を歩いていると、濃くなった青葉が熱と風で膨らみ、何を思い出すというのでもなく、遠い日が懐かしく、心に沁みてきます。
幾年を 通い慣れたる この道に 夏風のふく
遠き思ひ出
(ここに住むようになり、この道を歩くようになって、もう長い年月が経ちました。青葉の茂った中を、夏の風に吹かれながら歩いていると、はるか遠い日々の懐かしさが心に沁みます)
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2019年
日守麟伍『くりぷとむねじあ和歌集――言霊の森』
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