日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「古きこと」「ためらひつ」2首

2014年06月20日 | 日記
 散歩の途中、ベンチで休んでいると、あれこれ懐かしいことが思い出されて、風の吹き揺らぐ音で今に引き戻され、思いのほか長い時間が経っていたのに気付きました。

ふるきことの おもいださるる なつかしき ときすぎゆきて かぜにおどろく
古きことの 思ひ出さるゝ 懐かしき 時過ぎ行きて 
風に驚く

 
(あれこれ懐かしい思い出に浸っていると、風の吹き揺らぐ音で今に引き戻され、思いのほか長い時間が経っていたのに気付きました)

 歩き始めて、どちらへ行こうかと迷って、振り返ると、大きくゆるやかな風が当たってきて、波のように、砂のように、崩れていきました。

ためらいつ ふりかえるみに おもきかぜの なみとやあたる すなとやくずるる
ためらひつ 振り返る身に
重き風の 波とや当たる 砂とやくづるゝ

(どちらへ行こうかと、迷って振り返ると、体に風が当たって、波のように、砂のように、足元に崩れていきました)

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