日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

梅雨時の歌(『くりぷとむねじあ歌物語・和歌集』より)

2012年07月01日 | 日記
 梅雨時の歌を2首再録。「七の巻、名残」から、梅雨どきの野や山で、いつの間にか、通い慣れた道が草深くなっているのを詠んだ歌。

つゆのまに くさがくれたる かよいじの ふきゆるかぜに あとぞしらるる
つゆの間に 草隠れたる 通ひ路の 吹き揺る風に 跡ぞ知らるゝ
(梅雨時、ほんのすこしのあいだに草深くなり、道が見えなくなった野に、ときおり吹く風が草を揺るがせて、路筋がようやくわかります)

あめのまに もりはみどりに おおわれて ながれもみえぬ たえだえのおと
雨の間に 森は緑に 覆はれて 流れも見えぬ 絶え絶えの音
(降り続いた雨が止み、いつの間にか濃い緑に覆われた森の中で、どことも見えない低いところから、水の流れる音が途切れ途切れに聞こえてきます)


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ホームページ「日守麟伍ライブラリ」http://book.geocities.jp/himringo/index.htm


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