日守麟伍の和歌(うた)日記 Ringo Himori's Diary of Japanese Poetry

大和言葉の言霊の響きを求めて Quest for the sonancy of Japanese word

「白金の櫛」の歌、推敲

2012年03月13日 | 日記
 一昨日に、新作2首をアップしました。2首めの下の句が、かなり陳腐で、水音の重さ、透明感、落ち水の面の滑らかさを伝え得ていません。

しろがねの くしとながるる せきみずの たえせぬおとに そよかぜをきく
白金の 櫛と流るゝ 堰水の 絶えせぬ音に そよ風を聞く
(堰を流れ落ちる水音が、ほとんど風もない中を、揺らぎなく重く、すぐ耳元に聞こえるところに、ときおり吹くそよ風が、軽い揺らぎを立てました)

 堰を流れ落ちる水が、櫛のようになっている様子と、布のように途切れなく落ちる様子を、布引(ぬのびく、ぬのびき)という言葉で表現したいと思います。古風な技法としては、「たつ」は、布を「裁つ」と、風が「立つ」の掛詞にもなっていますが、たいした効果があるわけではありません。

白金の 櫛と流るゝ 堰水の 布引く音に 風のそよたつ


***『歌物語 花の風』2011年2月28日全文掲載(gooブログ版)***
***『和歌集 くりぷとむねじあ』2011年10月26日全文掲載(gooブログ版)***





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