自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(49)

2017-02-17 | 随想

ミュージアムの水槽で育っている魚にカワムツがいます。これはわたしが数年前にまだ小さなサイズだったものを入れ,年が経って大きく成長したものでう。それだけに愛着を感じて見守っています。

そのうちの一匹が口をぱっくり開けて,どうやら貝の殻らしいものを入れているのを来館者が目撃。それを聞いて様子を確認すると,どうやらカワニナの殻が入ってどうしようもない状態であることがわかりました。途方に暮れているはず。 


こちら側を向いたときに撮ったのが下写真です。これでは殻を吐き出すわけにもいかないでしょう。それにしてもこの魚が貝を食べるとはなあ,と驚きました。確かにカワニナの殻は底にいくつかは散らばっているのですが,すべて死骸です。食べたのは殻なのです。餌を与えているのにいったいなぜ? 

 
スタッフと,そんな話をしていて目に留まったのが先日入れたシジミ。その一つが殻を開いて,中に貝柱が見えていました。中身がなくなっているではありませんか。ひょっとするとカワムツがそれを食べたのかもです。足が出ているときに襲ったのではないでしょうか。

 
そうすると,貝を食べられると判断して,口に入る大きさのカワニナを口にしたと推論できそうです。

 
この出来事をとおして,カワムツと貝との関係に意外な側面があることが見えました。じつにおもしろい事実です。それを来館者がまず目撃したという話は値打ちがあります。

口に入った貝殻については,スタッフが取り出しました。口の大きさとちょうど同じ大きさだったので,そのままでは取り出せず砕いたそうです。もちろん,このカワムツは今元気にしています。

 


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