今日(11月20日),朝刊経済面のトップ記事は篠田プラズマについてのものでした。先月の本グログ記事で取り上げた続き話にあたる内容で,事業停止に追い込まれたというもの。まことに悲しい推移です。
見出しは「篠田プラズマ 事業停止」「負債10億円 研究開発費重く」。
停止によって,「約30人の全従業員を解雇」したといいます。会長兼社長の篠田傅さんの談は次のものです。「量産に向けた資金が確保できなかった。技術は評価されており,これからという時に残念。従業員に申し訳ない」。
背景には,激しい国際競争の展開があるでしょう。いくら大志を抱いて技術開発を続けても,小さな企業は巨大企業の比ではないという現実。ハイレベルの技術を持っていても,時の流れに押し流されてしまうという現実。巨大企業が10億円の負債を抱えたから事業停止なんてことはありえない話です。
すぐれた技術を持っていても,相当量の,その分野における核心的な技術であって,その基本部分が自社の特許技術として登録されていないことには,早晩他の追随を許すことになります。
今回のニュースをとおして,競争社会でベンチャー企業が生き残ることは至難な現実がひしひし伝わってきます。社是は社是として価値がなんら干乾びるものではありませんが,開発に携わってこられた従業員のこころを思うと,とても複雑な気持ちになります。篠田さんのことば「技術は評価されており,これからという時に残念。従業員に申し訳ない」がすべてです。
(注)写真は本文とは関係ありません。我が家のスダチの実り風景です。