昆虫の顔写真を撮るたのしさとかわくわく感といったものは,生きたいのちを生きている地点で記録するところにあるように,わたしには思えます。それが究極のおもしろさだと思うのです。しかし,そんなにタイミングがよいわけでもなし,使う撮影機材をいつも持ち歩いているわけでもなし,というわけで,偶然を期待するのはほとんど無理です。これは単なる理想なり願いなりにすぎません。
とはいえ,できるだけそのようにしたくて,最低の撮影小道具を腰に備え持っています。解像度が望めませんが,それは止むを得ません。
その小道具でたまたま撮れたムシヒキアブの顔写真をご紹介します。
左手指先は葉をつまんでいます。親指にカメラをのせ,ピントを合わせます。
ぐっと近寄りました。吻先の毛も見えます。
おしまいは真正面からです。
ここで,雨がぽつりぽつり。ムシヒキアブはまったく動きませんでした。感謝。