勤務しているミュージアムは公園の中にあります。そこは自然にめぐまれた環境です。それで窓を開けていると,どこからともなく昆虫が入り込んでくることが度々。今回はムシヒキアブを見つけました。
階段の隅のほうでじっとしていました。もしかすると,迷い込んでから日が経っていて弱っているのかもしれません。飼育ケースに入れると,動きはするものの暴れ回るほどのこともなし。
それで,頭部写真を撮ることにしました。からだに付着したゴミは床のほこりなどでしょう。吻が直線状に伸びています。ヒゲ爺さんのような雰囲気です。
やや前方から両眼を入れて撮りました。からだがじつに巧妙にデザインされたように見えます。みごとです。
反対側からも撮りました。
真正面はどうでしょうか。頭部全体です。眼の視界は良好で,獲物をとらえる感知能力は相当なものなのでしょう。そこに恐ろしい脚が加わります。それはトゲだらけ。
両眼だけをアップで撮りました。個眼の詰まり具合,並び具合が造形美をつくり出しています。自然のふしぎです。
足元で見つかる虫を大事に見ていかないと,こんな世界に触れることはできません。