自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

野菜の冬 ~タマネギの表情~

2014-01-19 | 植物

軒下に,昨夏収穫したタマネギを吊るして保存しています。近頃になって,芽がニョキッと出始めました。 これは,「早く食べないと,旬を逃すぞ!」っていう注意信号です。


野菜は,食べる部分により果菜,葉菜,根菜に分類されています。タマネギは,このうちの葉菜の仲間です。確かに「タマネギの“球根”」といういい方をする場合がありますが,“根” ではなく,葉の玉というのが正解です。葉の基部が鱗葉となって太り,その結果球になっていることから考えると,正確には「タマネギの“球葉”」といったところでしょうか。ふつうは,鱗茎球根と呼ばれています。

球を縦方向に二分して,断面を見るとそのことが理解できます。茎は葉の基部に,ずんぐりと収まっています。とても短いので,短縮茎とも呼ばれています。茎の底面には根が生えていた形跡が残っています。結局,わたしたちは肥大した葉を食べていることになります。

 

 
ところが,このことが意外に理解されていないようなのです。わたしがかかわっている野菜作り体験事業で,タマネギの植え付けに参加した親子に聞くと,正解はありませんでした。全員が「根」あるいは「茎」という答えでした。

タマネギをこのまま放っておくと,もちろん旬が過ぎて,かたちが崩れていきます。縮んで腐りかけるのです。縮んだ部分にあったはずの養分は,葉を伸ばすために使われていきます。タマネギも時期が来れば,休眠から覚めて,なんとか生き抜こうとします。葉を伸ばして花を付けようとするのです。

 


この葉はふつうに食べられます。人はこういうものに意外と目が向かないのですが,けっして無駄にしないことです。 朝の味噌汁に入れれば,また一味違ってきます。

 


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