ハエのなかまは国内で3000種といわれていますから,これについての細かな同定作業は到底わたしにはできません。このことは以前にも書いたことなのですが,それほど自然は多様で豊かで,人間がその真実の姿を見届けるのは困難な話だということです。
金属光沢を放つ写真のハエにしても,キンバエのなかまか,イエバエのなかまか,その辺りでさえ不明瞭です。大きなキンバエの一回り,二周り小型のハエです。ロウバイの花では初めて観察しました。
からだには,花粉がたっぷり。
なんだか贅沢な食餌場所のような気がします。
訪れる昆虫の種類は思いのほか多いとはいえ,絶対数はごく限られています。寒い最中のことですから,成虫で動き回るのはどうみてもいのちあるものには不利な環境です。この環境に微妙に適応しながら,たくましく生きているのがハエです。活動する昆虫の絶対数が少ない上に,このハエですら体型は大きい部類に入るのですから,マアいってみれば“我が物顔”風ののびやかさで食餌をたのしんでいるのでしょう。
環境に適応するハエの生態は驚くべきものです。