「できるだけ深度を深くして昆虫の卵を撮りたい」。そう思いながら,なかなかその試みを実行に移せないまま今日まで来ました。ようやく,それを試みる環境が整ってきたので,少しずつやってみようかなと挑戦開始。今回がこのシリーズの一回目です。
ただ,孵化までの卵の変化に応じて撮影を続けることが大事なのですが,今はその余裕なし,です。とりあえず,見かけた卵を撮ることにします。
近頃,ツマグロヒョウモンが産卵を繰り返しています。いよいよ冬を迎える準備といった風景に見えます。卵を採取して撮影。
これは雑草に産み付けられています。ふつうは食草のスミレ類に産付されるのですが,稀にこういう例があります。産付された瞬間を目撃しました。そのときから二日経った卵です。表面は内側への窪みが縦状に規則正しく並んでいます。20列近くあるでしょうか。窪みは明らかに表面の強度を高めるのに役立っているはず。孵化は頂部が破られることで始まります。基部は一部だけ葉に接着されていて,大きく傾いています。もし接着面が離れるような事態が起これば,孵化時に幼虫は脱出に難儀します。出られないことさえあります。いくらもがいても卵殻自体が動くだけなのです。これは観察済みの事実です。したがって,接着面にしっかり固定されているということがとても大事になってきます。
これを上方向から撮りました。真上から見たときの直径は0.75mmです。
この卵は枯草に産み付けられています。これも食草以外への産付という例外例です。同じときに産付されました。
なお卵のサイズは,直径は上述したように0.75mm,高さ0.85mmです。