今日の話題はジャコウアゲハに関したものではありますが,直接それを取り上げたものではありません。食草であるウマノスズクサについての記事です。
ウマノスズクサにジャコウアゲハの幼虫が発生しないように管理していると,とにかく花がわんさと咲きます。ところが,草の特性か,花後に子房が膨らむ,つまり結実する例はほんとうにすくないのです。解説書にも,そのことに触れたものがあります。
なのに,ウマノスズクサが群落を形成するのはなぜか,ふしぎな話です。やはり種子が落ちて,そのうちに殖えていくというのが筋道ではないかとわたしは思っています。
そんなことを思いながら,家に植えているウマノスズクサを観察しているところです。これまで,種子から芽生えたと思われる例は3つ確認できています。それについてはすでに取り上げています。
しかし,結実している例はまだ確認していません。今夏はたくさんの花が咲いたので,1つあるいは2つ程度は実ができるかもしれないなと期待しています。
1つの株に100以上の花が咲いています。どの花も熟していくとなると,もうこれはたいへんな状況になります。100のうち1つでも熟するなら,それで十分過ぎるほどの芽生えにつながります。受粉がほとんど保証されていないなかで,子孫をなんとか残す方法が,いってみれば無駄花を咲かして,いずれかに種族維持を託すことなのでしょう。確率は低くなりますが,確かさは保証されます。
そう思いながら,花後の子房を観察していると,ほんとうに数個膨らみかけています。直接観察できる例としては珍しいようです。注目に値します。
ここに。
そこに。