自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサクと昆虫(10)

2014-02-23 | マンサク

寒い日のことでした。

ユスリカの一種がマンサクの花に潜り込むような格好で付いていました。触覚には枝が四方八方に生えています。このブラシ形状はオスの印。からだをよく見ると,花粉だらけ。「これも受粉にちょっぴり貢献しているのだろうか」。ふと,そんなふしぎな思いにとらわれました。 


トリミングしてみましょう。


ユスリカは口器が退化していて,食餌をしません。ただ,上写真で確認すると,“退化していいる”といわれる口器(?)が見えます。たしかに,それを動かす行動が見えました。いったいどうなっているのか,気になります。

それはさて,ユスリカは冬に蚊柱をつくって群飛することでよく知られています。それはオスが集団になって,メスを呼んでいる姿だとか。この個体もその一員なのです。人間を襲うことはありませんが,どうも好感をもって迎えられているようでもなさそうです。洗濯物にでも付くと印象が悪くなりますね。 


マア,偶然ここに着地して,からだに花粉が付いたのでしょう。写真を見ると,花粉の量の多さがみごとな程です。真ん中に位置するメシベに,どうやら花粉が付着している様子。

これで,結実することは明らかです。


この花の頼もしい訪花昆虫とはいえないまでも,こうした突然の訪問者があって,ほんのちょっぴり受粉の手助けをしているという驚きです。注意して観察していないと見えてこない事実もあります。ラッキー!