「その程度の水準」と評するのと、「ハゲタカジャーナル」と批判するのでは、雲泥の差があることを理解されていますか？
資金が豊富な製薬会社は、出版社を買収して、学術誌を捏造させることもできます。
ハゲタカジャーナルのリストを作ったBeall氏は、スペイン語学の学士、英語学の修士、図書館学の修士を持っている、大学図書館司書です。米国では、彼を、Beall教授とか、Beall博士とか呼ばないとのことです。図書館の司書として終身雇用権を持っているということですが、Ph.Dはないので、Drでもないそうです。
図書館の副館長を意味する Associate Dean を准教授と誤訳してしまった日本語のウィキペディアを鵜呑みにされたのでしょうか。
Annals of Arthritis and Clinical Rheumatology には、日本人の編集者がいらっしゃるので、その方たちに、取材してみたらどうでしょうか？
スティーブン・シェラー氏の講演ビデオ40分ごろから
ケーススタディとして、イーライリリー社のジプレキサの訴訟について解説しています。
抄訳
イーライリリー社は、糖尿病薬や抗生物質などを製造する堅実な会社であった。
1990年頃、抗精神病薬プロザック（日本未承認）を発売、この薬が年間1000億円を超えるブロックバスターとなったため、多くの社員を抱えるようになった。
2000年頃、プロザックの特許期限が迫り、大きくなったビジネスを支え続けるためプロザックに代わる薬が必要となった。
当時、シェラー氏は、義母が住むフロリダでブッシュ対ゴア選挙の投票の数え直し事件があったため、フロリダを訪問していた。そこで、義母の友人の孫が、緩効性プロザックを郵便で受け取ったという話を聞き、これが違法ではないかと考え、プロザックについて調査を始めた。
イーライリリー社では、会社の拡大で雇われた新たな販売員がチアリーダーのようにクリニックの医師を訪問し、従来の薬剤師の免許を持つ販売員は隅に追いやられるようになっていた。
特許が切れるプロザックに代わる薬を販売するために、統合失調症の急性期に使用されていた強力な抗精神病薬ジプレキサを、プロザックのように頻繁に処方できないかを、フロント企業に依頼した。
フロント企業は、ハーバード大学のビーダマンBiederman教授に依頼し、小児の双極性障害という新しい病態を作り出し、その論文をフロント企業が関係するジャーナルに発表し、治験を行った。
ジプレキサは重い副作用があり、その一つが体重増加であったが、会社は体重増加で糖尿病が増えれば、糖尿病薬の販売も伸びると期待していた。
この社風の中で、薬剤師の販売員たちは内部告発することになった。
社員の1人は、イーライリリー社を退社した後、アストラゼネカ社に就職したが、アストラゼネカでもセロクエルを巡って同様のことが起こっていた。
資料
Biederman教授の2001年の論文
Biederman教授の2005年の論文
ジョンソン・エンド・ジョンソンのリスパダールとの比較
就学前の児童の双極性障害の治療
ジョンソン・エンド・ジョンソンのリスパダールの副作用 男児における女性化乳房
ガーダシルが承認されたのは、製薬業界で上記のようなことが起こっていた頃でした。
米国フィラデルフィア州の弁護士スティーブン・シェラー氏の裁判から
シェラー氏の事務所は、虚偽請求取締法（False Claims Act）に違反している会社・団体を訴え、虚偽請求によって州が受けた被害を賠償させる裁判を行っています。
例えば、抗うつ剤がFDAの承認を超えて処方された場合、裁判に勝利すると、州は支払った健康保険の損失の賠償を受けることができるというシステムがあります。
シェラー氏の業績を追うことで、米国製薬会社とFDAが腐敗していく過程が明らかになっていきます。
以下のスライドは、2014年に弁護士に向けた講演会で使用したスライドで、2014年までにシェラー氏の事務所が勝訴した抗精神薬のリストです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン リスパダール
イーライリリー ジプレキサ
ファイザー ジオドン
アストラゼネカ セロクエル
これらの抗精神薬を、FDAが承認した適用年齢範囲を超えて処方したり、リスクを明記せずに処方された場合、虚偽請求となり、この行為が原因で州が公的な保険を支払った場合、その損失が賠償されるということです。
虚偽請求取締法の適用は製薬に限らず、自転車ロードレーサーのランス・アームストロングのチームが、州から補助金を受けながらドーピングを行っていたことが内部告発者からの訴えで明らかになった事例も紹介しています。
症例報告
14歳のアイルランドの健康な少女が、１回目のガーダシルを2017年10月に接種し何の問題もなかったが、2回目のガーダシル接種（2018年4月9日）の20分後に、左の腕の肘から下が腫れ、紫色になり、痛みを伴った。症状は一致していた、最初の小児科医はCRPSの診断をしなかったが、4週間後に正しく診断され適切な治療で、8ヵ月以内に完治した。
2013年の症例報告 ドイツ
この論文ですが、利益相反見ましたか？
米国のワクチン裁判所で、補償を払わなくて済むように証言をしている人たちです。
デンマークで子宮頸がんワクチン副反応の研究をしているメールセン医師の講演から
2019年5月の講演要旨
Gタンパク質共役型受容体に対する自己抗体が、HPVワクチン接種後に症状がある女性の93％で陽性、HPVワクチン接種後に症状がない女性の28％に陽性であった
同じくメールセン医師の講演から
2019年５月
このグラフで、赤が、HPVワクチン後症状がある女性、青が症状がない女性で、自己抗体が検出された割合。
この会議で、CRPSの専門家が自己抗体について発表しました。その質疑応答時に、メールセン医師が、Gタンパク質共役型受容体の自己抗体を確かめてみたか質問しています。
CRPSと線維筋痛症の患者で、現在研究を実施中ということです。
Professor Stuart Bevan
Wolfson Centre for Age-Related Diseases, Kings College London, UK
ツイッターで池田教授の論文でのコントロールの取り方を批判している人がいましたが、デンマークとイギリスからのデータがそろえば、また新しい知見が得られるかもしれません。
さて、3000万円の予算の岡部先生はどんな論文を発表なさるのか、待ち遠しいですね。
多発性硬化症の患者の髄液中に、高マンノース型糖鎖に反応する抗体が検出されたという報告
高マンノース型糖鎖は、酵母（yeast）が作るタンパクに結合している。
ワクチンの抗原の生成に酵母を使ったワクチン、ガーダシルとB型肝炎ワクチン
多発性硬化症の有害事象報告突出
サーバリックスに使用されたHPVL1タンパク抗原の生成に使用されたタンパク発現系は、糖鎖のパターンと生産率に問題があるため、未だ改良が続けられています。
サーバリックスに使用された細胞は、Sf9細胞でしたが、SfSWT-4細胞は糖鎖のパターンが改良されています。
この論文では、生産率を改良するために、アポトーシスを阻害するタンパク質バンキリンを産生する遺伝子を組み入れています。
池田教授（神経内科）は「ワクチンの接種前後で自己抗体濃度を比較するなど、詳細な研究を重ねる必要がある」としている
信濃毎日新聞記事
学さんのブログ記事
山田さんのブログ記事
松藤さんのブログ記事
村中先生のご高説
ガーダシルを接種群で52型と58型の感染が増加しているが、サンプル数が少ないため統計学的に有意なデータではない。
表の棒グラフ
左から
ワクチン接種無し
他のワクチン接種など（自己申告、1回接種のみ登録など）
サーバリックス2回以上接種
ガーダシル2回以上接種
BBCのドキュメンタリー アメリカのオピオイドクライシス
オピオイド鎮痛薬オキシコンチンを承認したFDAの職員が、承認後、パーデュー・ファーマに就職。
同様なことが、FDAの鎮痛薬ディビジョンで何度も起こっている。
（クライシスに加担したのはパーデュー・ファーマだけではないという事）
