葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

ガーダシルとガーダシル9の治験における死亡例を再分析中

2019-02-14 | 資料

http://www.crd.york.ac.uk/PROSPERO/display_record.php?RecordID=122348&VersionID=1208310

HPVワクチン治験中の死亡率の再分析:系統的再調査
 
Tom Jefferson(オクスフォード大学), Florence Bourgeois(ハーバード医科大学), Kyungwan Hong(メリーランド薬科大学), Mark Jones(ボンド大学), Haeyoung Lee(メリーランド薬科大学), Vinay Prasad(オレゴン保健・科学大学), O'Mareen Spence(メリーランド薬科大学助教授), Peter Doshi(メリーランド薬科大学)
 

再調査における質問

ガーダシルまたはガーダシル9の接種は、死亡のリスクを増加させるか?

 

開始日時予定/実施

 2019年2月1日

 

完了日時予定

2019年7月31日

 

アメリカ合衆国

 

背景

我々が重要な転帰(全死因の死亡率)に焦点をあてて系統的再調査を行う理由は、現在の公的な表示および既存のメタ解析における死のリスクに関する信頼できる情報が欠如しているということ、また、刊行物や治験記録が、治験参加者の死亡を正確にすべてを報告していないという証拠があるからである。

ガーダシルは2006年に、9歳から26歳の女性における使用が米国FDAにより認可された。2014年に、FDAはガーダシル9の9歳から26歳の男女への使用を認可した。2018年に、FDAはガーダシル9の使用の認可を、中年女性の治験(trial V501-019; NCT00090220) FUTURE3(ガーダシル)治験のデータと追加のデータに基づいて、45歳までの中年の男女を含むよう拡大した。

それより前の2010年、FDAは、ガーダシルの使用を中年女性へ拡張するメルクの申請を拒絶している。この申請はFUTURE3の結果に基づいているが、その治験を調査したFDAは、「高度子宮頸部疾患を予防する効果が確立されていない」ことを見出している。この報告では、治験での死亡例が不均衡(7体1)であることも述べている。

 

2018年のガーダシル9の添付文書(医療関係者用情報)には、ガーダシルおよびガーダシル9の治験中の死亡のデータを網羅していない。ガーダシル治験の7つで起きた死亡だけが含まれている。したがって、ガーダシルの認可を裏付けるために使用された治験で起きた死亡は含まれていない。

これは、ガーダシル9の添付文書に示された有効率が、ガーダシルとガーダシル9の両方の有効性のデータを含んでいることとは対照的である。

さらに、治験での有害事象の情報は、ガーダシルとガーダシル9群の発症率が示されているが、ガーダシルあるいはガーダシル9を接種しなかった治験群での有害事象についてのデータは、一つの例外以外は示されていない。(例外の治験 trial V503-006, NCT01047345, この治験では、ガーダシルをすでに接種した参加者を無作為化し、食塩水かガーダシル9を接種したものである).

2018年のHPVワクチンのコクランレビューでは、 ガーダシル治験中の全死因死亡率のメタ解析が示されている。

メタ分析に含まれる7つの治験のうち、対照群における死亡がより多かったものはゼロであったが、3つの治験ではガーダシル群の方が多かった。

 

この分析の限界として

(a) ガーダシル9が含まれていない

(b) 男性が含まれていない

(c) データを年齢で階層化していない

(d) データの抽出が不正確である

ことが挙げられる。

(d)に関して、我々は、2018年のコクランのメタ解析が不正確であることを見出した。1つの治験では、4例の死亡がコントロール群でおこったと分類されていたが、実際には4人はガーダシルを接種されていた。

この不正確さの理由は、ClinicalTrials.govサイトの入力標識におけるエラーであるように思われる。

我々がこのエラーを同定できたのは、部分的には、EMAにより提供された治験報告書にアクセスできたからであり、このアクセスのおかけで治験についてより深く理解することが可能となった。

ガーダシルの治験刊行物には重要な欠点があり、それは、具体的には死亡報告における不適切さに関する。FUTURE3治験の第一報であり最も引用されている2009年の論文は、治験中の死亡に関する情報を含まない。

しかしながら、2008年4月30日付のメルク治験報告書には、5例の死亡(ガーダシル群4例、コントロール群1例) があり、FDAのレビューには少なくとも1例は2006年に起こったことが示されている。同様に、V501-018Sの治験参加者の2人(おそらく3人)の死亡がEMAに提出された治験報告書には記載されているが、治験登録エントリー(NCT00092547)あるいは論文では報告されていない。

本系統調査では、メルクだけに焦点をあてているが、カナダの保健省から同様のデータを入手しているので、資力が続けばGSKのサーバリックスについての系統調査も行う予定である。

 

 


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