葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

子宮頸がんワクチン「誤報」を見ぬくポイントは? その2

2018-02-14 | 久住先生ファンクラブ会報

日刊ゲンダイ https://hc.nikkan-gendai.com/articles/220652?page=3

中川恵一医師が、

「なぜ全員ではないかというと、HPVには複数の型があり、ワクチンに含まれるのは、危険度の高い一部のため。それでもワクチン接種の効果は大きい。先進国で年齢調整死亡率が増えているのは、日本だけ。ワクチン接種率が7~8割に上る欧米では、子宮頚がんは“過去のがん”になりつつあるのです。

 

本当でしょうか?まさか、東大の教授が嘘を付くはずはないと思いますので、オリジナルにあたってみましょう。

先進国といえば、まず、スウェーデンですね。

NORDCANのサイトから、スウェーデンのデータを拾ってみました。

 

年齢調整死亡率は、右上のグラフです。過去10年間の年毎の減少率は、0.3%ですので確かに、死亡率はわずかですが減少しています。

しかしながら、左上の発症率は、2010年頃から増加しています。

 

子宮頸がんは、残念ながら、増加中です。増加率は2.5%です。子宮頸がんは、決して「過去のがん」ではありません。

(一見すると、ワクチンの接種が始まってから増加していますね。

ただ欧州は子宮頸がんの発症率の高い国からの移民が増えているので、そのせいかもしれませんが)

https://www.wcrf.org/int/cancer-facts-figures/data-specific-cancers/cervical-cancer-statistics

RankCountryAge-Standardised Rate per 100,000 (World)
1 Malawi 75.9
2 Mozambique 65.0
3 Comoros 61.3
4 Zambia 58.0
5 Zimbabwe 56.4
6 Tanzania 54.0
7 Swaziland 53.1
8 Burundi 49.3
9 Bolivia 47.7
10 Guyana 46.9
11 Madagascar 44.6
12 Uganda 44.4
13 Mali 44.2
14 Rwanda 41.8
15 Senegal 41.4
16 Kenya 40.1
17 Guinea 38.4

 https://www.slideshare.net/bsc-coalition/7turkey-screening-treatment

https://image.slidesharecdn.com/7-turkeyscreeningtreatment-110612014246-phpapp01/95/population-based-cervical-cancer-screening-programme-in-turkey-41-728.jpg?cb=1307843803

では、ムーミンとかもめ食堂の国フィンランドはどうでしょうか

こちらは、過去10年間の年毎の死亡率、罹患率ともに上昇中です。

先進国で死亡率が増えているのは日本だけというのはどうも嘘のようでした。

オリジナルにあたることの大切さを痛感しました。

 

ついでですので、ノルウェーですが、こちらも子宮頸がん急増中です。心配ですね。


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