葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

HPV型の頻度 過去の論文から

2014-04-24 | 論文
Japanese Journal of Cancer Research : Gann [1987, 78(10):1081-1087]

日本人患者からの女性性器癌における新たなヒトパピローマウイルス配列

Saito J, Yutsudo M, Inoue M, Ueda G, Tanizawa O, Hakura A
大阪大学医学部産婦人学科

英文へのリンク


要約 52例の子宮頸癌、15例の子宮頸部上皮内腫瘍III (CINs III)、3例の外陰部癌から得た組織に関して、ヒトパピローマウイルス (HPV) 配列の存在を、サザンブロット法により、HPV 16型と18型のDNAをプローブとして検査した.

HPV 16型または18型のDNAは、子宮頸癌で17例 (33%),子宮頸部上皮内腫瘍III で5例 (33%),外陰部癌で1例だけ検出された.

これらの頻度は、他で報告されたものよりも低かった.しかしながら、いまだ特定されていなかった新しいHPVが、HPV 16型と18型のDNAをプローブとして特異性の低い条件により、やや高頻度で検出された.

これらのHPVsは、特異性の高い条件では、HPV 6, 11, 16, 18 型とはハイブリッドを形成せず、また、既に公知の他の性器腫瘍に関連するHPVであるHPV31型および33型とは、制限酵素消化パターンから判断して、異なるものであった.

HPV 配列の全頻度は、子宮頸癌で48% (25例/52例中) 、子宮頸部上皮内腫瘍III で53% (8/15), 外陰部癌で67% (2/3)であった


訳者コメント

現在、70%とも喧伝されている16型および18型の感染率ですが、1980年代中ごろでは、33%と低い値でした。

このような低い数値のために、
第17回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会

○倉田委員 前にも確か発言したと思いますが、日本の子宮頸がんの遺伝子型は随分違いますよね。

という発言が出たのではないかと思います。

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