葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

HPV16ワクチンの交差反応のリスクの可能性の定量化

2013-10-04 | 論文

ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・セラピュティクス・アンド・オンコロジー,Vol. 8 2009 65

予報
HPV16ワクチンの交差反応のリスクの可能性の定量化
ダーヤ・カンデュク
生化学・分子生物学科,バーリ大学、イタリア
(2009年3月18日受付、2009年5月5日受理)

背景:
感染病のワクチン接種に関連して有害事象が起こる可能性があり、起こりうる副作用の効果的な分析およびその定義が強く望まれている。HPV16 プロテオーム(全タンパク質)をモデルとして使用して、抗HPV16ワクチン接種の実際のリスクおよび理論的なリスクを定量し、同時に起こる人体との交差反応から誘導される可能性のある疾患範囲を定義した。

方法:

我々は、タンパク質の国際データベースを用いて、HPV16 プロテオームの一次配列の中に、ヒトのタンパク質と共通する7量体アミノ酸配列を検索した。

結果:

ヒトのプロテオームには、HPV16にみられる82 個のヘプタペプチドと2個のオクタペプチドが含まれる。ウイルスとの一致は、細胞分化や増殖、神経感覚調節などの基本的なプロセスに関与するタンパク質の中にみられる。HPV16由来7量体を含むヒトのタンパク質としては、細胞接着分子,白血球分化抗原,酵素,精子形成に関連するタンパク質,転写因子,および神経抗原が挙げられる。ウイルスとの一致の数とその位置は、HPV16に基づくワクチン接種後のヒト宿主における自己免疫性の副交差反応の発生をほぼ避け難いものとしている。

結論:

すべての抗原に基づくワクチンは、分子レベルでの配列類似性を比較することによって、注意深くまた完璧に設計し、可能性のある副作用を厳密にスクリーニングする必要がある。

キーワード:HPV16 プロテオーム; ヒトプロテオーム; 類似性分析;ウイルス対ヒトプロテオームのオーバーラップ;ワクチン関連交差反応

感染病のワクチン接種は、有害事象を起こす可能性がある(1)。実際、現行の抗原特異的免疫療法プロトコールは、感染性微生物由来の抗原だけでなく、標的患者と共通の配列を有する抗原を発現する宿主組織も対象としている(2)。ワクチン接種プロトコールと関連する、交差反応性のリスクの可能性を明瞭で明確で数学的に集計したものはない。この作業は、達成できないものではない。なぜなら、ウイルス、細菌、および高等脊椎動物の全タンパク質集合体の配列は決定されて折り、2つのタンパク質の配列の比較分析を可能としている。ここでは、HPV16 タンパク質複合体を、7量体レベルで、ヒトのプロテオーム(全タンパク質)とのアミノ酸配列類似性を調べた。HPV16とヒトのタンパク質 は、ヘプタペプチドモチーフ(7個のペプチドからなる特徴的な配列)を高頻度に共有していることがわかった。このことを、HPV16ワクチンの交差反応のリスクの可能性という点で考察する。

方法

HPV16 腫瘍性タンパク質の一次配列 (Medlineアクセッション番号K02718) を7量体(7個のアミノ酸)にわけ、ヒトのプロテオームとの配列類似性を、PIR完全一致プログラム (pir.georgetown.edu/pirwww/search/fasta)を使用して分析した。7量体から、残基をひとつ差し引いた、すなわち、6個の残基がオーバーラップしている、つまりMHQKRTA,HQKRTAM,QKRTAMF,KRTAMFQなどである。ヒトプロテオームは、EBI・Integr8 サイト (http://www.ebi.ac.uk/integr8)から入手したもので、ダウンロードした時点では34,044個の 非重複タンパク質からなるものであった。ヒトのタンパク質の機能および疾患との関連の可能性は、ユニバーサル・プロテイン・リソース (UniProt; www.uniprot.org/uniprot)を使用して分析した。

結果と考察

HPV16 プロテオームをモデルとして使用して、抗ウイルスワクチン接種による交差反応のリスクの可能性を定量化した。HPV16タンパク質は、7量体を調査単位として使用して、ヒトプロテオームとの同一性を分析した。 表1 は、HPV16の7量体と完全に一致する部分を含むヒトのタンパク質のリストである。数個のヒトのタンパク質が、HPV16 タンパク質複合体と同一のヘプタペプチドモチーフを共有している。2個のタンパク質の間で、20個のアミノ酸のうちから7個のアミノ酸残基が同一である理論的な確率は、20の7乗= 1,280,000,000に1回であり、ウイルスのL1, L2, E6およびE7 タンパク質が、実際にヒトプロテオームと合計82個の完全一致でヘプタペプチド配列を共有している。更に、2個のタンパク質の間で、20個のアミノ酸のうちから8個のアミノ酸残基が同一である理論的な確率は、20の8乗= 25,600,000,000に1回であり、2個のウイルスの8量体が、ヒト プロテオームに存在している

(1) HPV16L2・67-74;GGRTGYIPペプチドが、末梢性のベンゾジアゼピンレセプターに相互作用するタンパク質にみられ、このタンパク質は側頭葉と被殻で高度に発現されている;[19]

(2) the HPV16 E7・85-92;DGLTVIVT ペプチド配列は、肝癌発症マーカーであるγ-グルタミルトランスフェラーゼ7にみられる。[70]

ウイルスとヒト プロテオームの間でヘプタペプチドがオーパーラップしている実際値と理論値との差が大きい。この差は、リスクの可能性がより高いと予想される事実を強調するものである。モノクロナール抗体応答を誘導するのに5個または6個のアミノ酸が必要であることに基づいて[2]、 82 個のヘプタペプチドオーバーラップが、明らかに自己免疫反応を誘導する。同様に、病理学的な負荷の可能性も大きい。表1に、ウイルスとの一致が、細胞増殖や分化、精子形成、筋肉の発達と再生、組織の形態形成プログラミング、リポタンパク質代謝、脂肪生成の初期段階、生存運動ニューロンたんぱく質に関与するヒトのタンパク質にみられた。さらに、HPV16モチーフを含んでいるヒトのタンパク質の改変は、筋肉疾患から神経性障害に及ぶ多数の病態を起す。その結果、これらのヒト抗原を標的とすることは表1に記載した多くの症候群を引き起こすかもしれないと想定することは論理的なことである。表1に詳細に示すように、HPV16由来モチーフを含んでいるヒトのタンパク質に対する自己免疫反応が、脊髄性筋萎縮症, あひる歩行を起す近位筋脱力, つま先歩き, 脊柱前弯症, 頻繁な転倒, 起立や階段の登りの困難, 心臓血管および筋骨格異常、リポタンパク質代謝の障害による高コレステロール血症、冠動脈疾患の多発など病態を導くかもしれない。


ポイントは、子宮頸がんワクチンに含まれているHPVウイルスの断片と、人体の中で免疫反応に関与しているタンパク質が類似しており、HPVへの抗体を作ることで、人体の免疫反応に関与しているタンパク質への抗体が作られてしまい、自己免疫反応を起しているのではないかという研究です。


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