葉月のブログ

命題:ウイルスの糖鎖はヒトの糖鎖と同一なので病因とはならない

フランク・プラマーの苦悩

2020-07-24 | 2003年SARS
Manamiさんのブログで紹介してあったカナダ人研究者Frank Plummerの記事がありました

カナダの症例で、疫学的にリンクしているSARS患者たちの半分しかPCRで陽性とならないということです。

2003年3月、SARS-Cov-1が上陸していなかったかもしれないカナダで、肺炎患者の半分がこのPCR検査で陽性になっていたということです。

SARS-Cov-1のPCR検査は一体何を検出していたのでしょうか。

そして、今使っている新型コロナのPCR検査が、このSARS-Cov-1をポジティブコントロールとして作られていることを考えると、今やっている新型コロナのPCR検査で、2003年のカナダの肺炎患者と同じ原因の肺炎患者の半分が陽性となる可能性があるということが考えられるわけです。

SARSの原因は論争中である
カナダの研究所所長はコロナウイルスがSARSの原因だと納得していない
2003年4月10日 ロバート・ワルゲート著

SARSを研究しているWHOグローバルネットワークの11研究所の1つの所長は、本誌(サイエンティスト)に、SARSの原因だといわれている新しいコロナウイルスは確かに環境中に存在しているが病原体ではなさそうであると話している。フランク・プラマーはウィニペグにあるカナダ国立微生物研究所の所長である。カナダは西側諸国の中で最も多くのSARS患者がでた。それは、3月12日にWHOがグローバルアラートを発する前にトロントにやってきた。2つの波で、190のSARS患者と、11人の死亡例があったと、ドナルド・ローは本誌に話した。ローはトロントのマウント・市内病院の微生物学部長である。彼はカナダの最初の症例を扱い、自身の隔離がやっと終わったところである。

プラマーによると、「我々のサンプル(カナダのSARS患者)の中でコロナウイルスを示しているものの数は減っている」ということだ。今週の初めに、PCR検査で60%がウイルスを示していたが、今はたった50%である。
「もちろんSARSの症例定義はややゆるいわけであるが、トロントの症例の多くは疫学的にリンクしている」プラマーは言う。「特徴的に最良の症例のいくつかが陰性となっている。困惑させている。実際に、検出しているウイルスの量も見つかったとしてもとても少ない。とても高感度のPCRでやっと検出可能というレベルだ。」

彼らのサンプル、つまり、SARS高可能性症例50例とSARS疑い症例30例からのサンプルは、主に鼻咽頭スワブである。「世界のラボのほとんどが、これを検査している。そこにほとんどの呼吸器ウイルスが見つかる。だから、そこに本当に少ししかウイルスがいないのはおかしい。なぜなら、このウイルスが濃厚接触で感染するらしいからだ。」プラマーは続けた。

「コロナウイルスが病因であるかもしれないが、私はそう感じていない」。カナダのデータに基づくと、このウイルスを持っていてSARSとなる確率は、ウイルスを持っていない場合と比べて、2倍に増える。」
ランセットに発表された最近の香港の結果は、50人中45人が新しいコロナウイルスを持っていた。「私は違いを理解できない。コロナウイルスは確かに環境中にいる、それは確かに流布している。」「けれど、我々のデータに基づいて、SARSとの関係はとても弱くみえる。もしかしたらそれがSARSの原因で、我々が間違った部分からサンプルを取っているのかもしれない。あるいは、我々は下手な試料をみているのかもしれない。でも、我々の検査方法のせいだと思えない。もしかしたら、SARSになるのに1つ以上のものが必要なのかもしれない。あるいは、何か他の流行に、コロナウイルスの流行が重複しているのかもしれない。今、それをみつけようとしている。」

WHOネットワークの11の研究所は、これらの結果について話し合っている。プラマーによると、ランセットに発表されたものを例外として、世界中の他のラボの結果は我々の結果とそれほど異なるものではない。」

「我々には、何か結果を出すという大きなプレッシャーがかかっていて、科学ジャーナルは論文を出させようとつきまとっている。適当にまとめている人もいる。私は、納得するまで動かない。」

検査自体に関しては、「我々は主にPCRを使っているが培養もやっている」「我々が見つけている配列は他の全ての人のと同じであり、米国のCDCにより提供されたものだ。このコロナウイルスは、鳥と豚の両方のに似ており、新しいコロナウイルスの新しいファミリーを代表すると考えられている。サンフランシスコのカリフォルニア大学のJoseph DeRisiにより開発されたマイクロアレイで初期のSARSサンプルから見つかった。」

「症例定義を満たさない人たちで陽性の結果がある。でもこれは良くあることである。香港だとおもうが、症状のない陽性者を見つけている。カナダのSARS病巣から十分離れたウィニペグの人は陰性だった。それに疑いはない。けれど、主要な病巣のトロントの外に住んでいる2人の人で、極東に旅行歴がなく、SARS患者に接触したこともない人が陽性だった。そして、極東に旅行してSARS患者に接触したが、SARSの高可能性症例でも疑い症例でもない人が、陽性だった。」

しかしながら、米国CDCは、400人のSARSでないコントロールでは、陽性の結果はでていないと報告している。
「そうだが、それは保管していたCDC職員の血清を使った抗体検査だと思う。カナダでも、昨年の呼吸器ウイルスシーズンにおこなった研究から保管していた咽頭スワブで検査したら、陽性はなかった。だから、確かにこれは新しウイルスで、現在流行しているものだ。おそらく我々が以前あったことのないものだ。そう、データが示している。けれど、それは、本当にSARSの原因の全部なのか一部なのか?」

今まで上がった他の病原体として、メタニューモウイルスのようなパラミクソウイルスのがあり、最近中国からの報告でクラジミアの関与が示唆されている。「中国以外のラボでは、クラミジアはほぼ除外されていると思う。我々はメタニューモウイルスを少数の患者で見つけたが、実際の関連はない。」

プラマーとは対照的に、WHOグローバルアウトブレイクアラートアンドレスポンスネットワークのジュリー・ホールは、本誌に、今は確信していると話した。「『SARSの原因がコロナウイルスである確率は』98%だと思う。擬陽性については聞いていない(4月9日)」と言った。「しかしながら、2%の疑いは、コロナウイルスがそれだけで原因なのかに関するものだ」。他のウイルスが本当に重篤な症状の原因に必要である可能性があるかもしれないと彼女は言った。

彼女は、すべての可能な道が探索されたことを嬉しく思っており、HIVがAIDSの原因だと確立されるのに費やした時間の長さを指摘した。動物実験と血清学のエビデンスが、新しいコロナウイルスがSARSの原因であると確認するのに必要だと認めた。「まだそれまでには至っていない」と付け加えた。


2020年1月30日 オンタリオテレビのインタビュー
17年前のSARSを振り返って フランク・プラマー

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