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「心の闇」の他にあるモノはないか?

2014-03-07 18:28:09 | アラカルト

柏市で起きた、連続殺傷通り魔事件。
昨日、犯人が逮捕され一応事件が解決した。
今日になると、逮捕された犯人について様々な情報が出てきた。
現在、取り調べに対して落ち着いて答えている時もあれば、突然興奮すると言う場面もあるという。
犯人の本当の動機がわかる様になるには、まだまだ時間がかかりそうだ。

昨日の逮捕のニュース以来、犯人が事情聴取で様々なことを言っている。
その中でとても印象にあるのが「バスジャックをし人質を取り、その後ハイジャックをした飛行機でスカイツリーに突っ込む」という話だ。
この話を聞いたとき、過去に社会を震撼させた事件をいくつも思い浮かべた方は、多いのではないだろうか?

まず「バスジャックで人質」と言うのは、2000年のゴールデンウィークに起きた「西鉄バスジャック事件」を思い出す。
この時の犯人の17歳の少年は、牛刀を持ち居合わせた乗客を殺傷している。
そして「2ちゃんねる」の掲示板などでも、犯行をほのめかす内容を書き残している。
「ハイジャックをした飛行機で、スカイツリーに突っ込む」というのは、おそらく「米国・同時多発テロ」から思い浮かべたことのような気がする。
結果、実行するに至っては過去の通り魔事件を思い浮かべるのだ。

「同時多発テロ」の場合、犯人にはそれなりの明らかな動機の様なモノがあるので、「真似をしたかった」ということなのではないか?と思うのだが、それ以外については何となく共通する点がある様なきがするのだ。
少なくともこれからマスコミが書き立てるであろう、「犯人の心の闇」ということではない。
「コミュニケーション力の欠如」という点だ。

過去の事件でも、犯人達はネットという世界では、ある程度のコミュニケーションを取ることができていた(ようだ)。しかし、現実の社会では「孤立感」を持っていたのではないだろうか?
それは、犯人を犯行に追い立てた過去のいじめられた経験がある、ことも影響していると思うが、社会全体が「コミュニケーション不全」に陥りやすい状況になりつつある、と言う気がしている。

LINEでつながる人数が多いとか、twitterのフォロワーの数やFacebookの「いいね!」が沢山押されるから、コミュニケーション力が高い訳ではない。
実際に人と会って話を聞き、話を理解したうえで自分の考えや意見が言える、と言うのは当然、相手の気持ちを様々な表情から読み解く様な力も重要な「コミュニケーション力」であり、むしろこの様な力が社会的に低下しているように感じるのだ。
「バブル経済が崩壊」し、社会全体が「成果主義」という分かり易い物差しを求める様になる。と同時に、インターネットの普及により「本来の自分と仮想の自分」が創れるようになり、その差が大きければ大きいほど、本来の自分と仮想の自分のギャップが埋めきれずに、仮想の自分が本来の自分を支配し、凶行に及んでしまっている、と言う可能性はないだろうか?

様々な社会変化の中で、本来必要とされている「コミュニケーション力」の重要性ということを、今一度考える必要がある様に思うのだ。