ダイヤ改正に伴い、最後のブルートレインと言われた「あけぼの」の運転が終了した。
JR九州の「ななつ星」の様な豪華寝台列車以外の、国鉄時代から続く「ブルートレイン」はすべて廃止された、と言うことになる。
このニュースを聞いて、「鉄子」では無くても何となく残念な気がした。
と言うのも、拙ブログでも何度か「寝台列車も見方を変えれば、需用があるのでは?」という点だ。
私の知人で会社員を定年退職した後、海外からの観光客相手の「観光通訳ガイド」をしている方がいる。
そのかたの話を聞く度に感じることは、日本人のツアーと海外、特に欧米からの観光客を対象としたツアーでは、そのスケジュールが随分違うと言う点だ。
日本人のツアーというのは、とにかく分刻みの観光めぐりのスケジュールになっていることが多い。
「これでもか!!」というくらいに、観光めぐりのスケジュールを盛り込まないと「手抜きツアー」のように思われるからだろう。
海外旅行のツアーとなると、その傾向はより強くなる。
海外旅行のツアーパンフレットを眺めると、1日に2箇所の観光地を巡ると言うのは、むしろ稀で3,4箇所巡るツアーが多い。
欧州のツアーだと、僅か10日程度の日程で、3カ国くらい巡るのは当たり前のようになっている。
これでは、「ツアーで旅行に行った」ということにはなっても、観光を楽しんだと言うには、忙しすぎて印象に残らないのでは?と言う気がしている。
一方、主に欧米の観光客を対象としたツアーは、実にのんびりしているらしい。
もちろん、「秋葉原で買い物」というような場合は、のんびりと言う訳では無いとは思うが、いわゆる代表的な観光地ではない地域の観光というのは、実にのんびりしていると言う。
「観光通訳ガイド」がつくのだから、いわゆるパッケージツアーということのようだが、ローカル線を乗り継いで日本の原風景を感じさせる様な地域への観光というと、1日中その観光地でのんびりと過ごすのが普通だという。
そして何より、その様な「のんびりスケジュールのツアー」が、大人気らしい。
そう考えると、日本の主な鉄道の多くは、海岸沿いにあり首都圏から夜行列車で目的地に向かい、途中海岸線沿いに走る列車の車窓から朝日が眺められたりすると言うのは、とても魅力的だと思う。
「ななつ星」の様な豪華寝台特急も魅力的だと思うが、その様な列車を走らせることができない地域にとって、それに変わる魅力がある列車が「ブルートレイン」なのでは?
「速い」だけが、移動手段の魅力ではないと思う。
廃止された「ブルートレイン」のように、海岸線から登る朝日を車窓から見られる、と言うこともまた大きな魅力だと思う。
「ブルートレインの魅力づくり」ということをせず、「速さ」だけを求めての廃止だとすると、はやり残念な気がする。